4回目のフリー走行がスタートしても選手誰ひとりとして走り出さない。気温は23℃、路面温度22℃、相変わらず大粒の雨が降り続く。たくさんの観客が雨の中じっと待ち続ける中、最初に走り出したのはロバート・ドーンボス。しかし、ドーンボスはスピン。コース脇で亀の子状態となりオフィシャルに助けられピットレーンへと戻って行く。しばらく後にアントニオ・ピッツォニアが走り出すが、途中挙動が乱れ、スピンはしなかったもののそれ以上の走行を取りやめた。
開始から15分が過ぎ、この日の3回目のセッションでは走行をしていなかったルノー勢のうち、フェルナンド・アロンソが走行開始。そしてマークしたタイムが1分55秒798。これを見て、ジャック・ビルヌーブ、クリスチャン・クリエン、ジャンカルロ・フィジケラもピットをあとにする。アロンソはそのまま周回を続け、54秒020までタイムアップを果している。ルーベンス・バリチェロもコースへと出て行く。
走り続けるこれらドライバーを見て他の選手も走行を始める中、タイムはフィジケラのマークした1分52秒619まで更新されて行く。続くタイムはクリエンの52秒897。セッションが残り15分となって、佐藤琢磨もインスタレーションラップを開始し、ひと足早くフルラップの走行を行ったチームメイト、ジェンソン・バトンは1分52秒731で2番手タイムをマークしている。琢磨最初のラップタイムは54秒401となった。
いよいよ残り10分を切り、上位のタイムが次々と更新されていき、ヤルノ・トゥルーリが1分51秒824で51秒台にに突入しトップに立つ。3番手にはラルフ・シューマッハーがつけ、トヨタは1-3と予選前に好調をアピール。
セッションが残り5分となってもマクラーレンの2台と先程のセッションでクラッシュしたミハエル・シューマッハーは走行をせず。マーク・ウエーバー、アルバースがトゥルーリのタイムを更新し、トップのウエーバーが51秒274につけると、今度はフィジケラが50秒818を出す。さらにR.シューマッハーが50秒369でトップと、上位陣は50秒台へとタイムを入れて行く。
すると、ナレイン・カーティケヤンも50秒台に突入、R.シューマッハーのタイムを0.2秒更新トップに立つが、カーティケヤンのトップの座はおよそ30秒ほどでフィジケラにひっくり返される。しかしながら、カーティケヤンのタイムは2番手タイムとなり、セッション終了後のオーダーは、フィジケラが1分50秒135、カーティケヤン、R.シューマッハー、バトン、クリスチャン・アルバース、ティアゴ・モンテイロ、ウエーバー、トゥルーリのトップ8となった。この順位で注目は2番手カーティケヤン、5番手アルバース、6番手モンテイロ、10番手ドーンボスとブリヂストン装着ドライバーがウエットコンディションで相対的に上位につけていること。フェラーリ、ミナルディ、ジョーダンがミシュラン勢に対し、予選〜決勝とどのように戦うかに期待がかかる。
佐藤琢磨は1分54秒307で16番手、マクラーレンのキミ・ライコネン、ファン-パブロ・モントーヤ、フェラーリのミハエル・シューマッハーは走行を行わず、ノータイムとなっている。