フェルナンド・アロンソがドライバーズタイトルを獲得して沸きに沸いたブラジルGP。そのブラジルから遠く離れた日本で、ルノー・チームはライバルのマクラーレンからコンストラクターズ選手権トップの座を奪い取るという明確な目標を掲げ、気持ちを引き締めている。
ブラジルGPでファン‐パブロ・モントーヤとキミ・ライコネンが1−2フィニッシュを飾ったことで、マクラーレンがわずか2ポイントの差とはいえ、ランキングトップに立った。しかしルノーは、その力関係を今週末の日本GPでひっくり返せるものと確信している。
「興味深いことがあってね」と切り出したのは、シャシー部門テクニカルディレクターのボブ・ベルだ。
「日曜に(イギリスの)エンストンで盛大な催しを開き、150人もの人々と一緒にレースを観戦した。感情は、月曜、火曜、水曜と持続し、これまでになく士気が高い。もうリラックスしてもいい、などと誰かが考えているような雰囲気は全くないね」
「我々は、コンストラクターズタイトルを勝ち取るためには何でもすると心に決めている。と同時に、すでに成し遂げたことがあると分かって嬉しく思っているよ。(タイトルに向けて)足取りは軽い。だが、そのために我々の決断と覚悟が損なわれることはない」
マクラーレンのチャレンジを跳ね除けるために何か違うことにトライするかと問われ、ベルは、レース戦略に微妙な変化があるかもしれないが、本質的にはシーズンを通してベストな結果を導き出してきた策略が継続されるであろうと述べた。
「我々の危機管理は微妙には変わるかもしれないが、大きく変わることはないだろう」とベルは微笑んだ。
「現実的に見て、おそらくラスト2戦で1台でも完走させられなかったチームがタイトルを取り損ねるだろう。ゆえに、細部への注意を怠ったり、もっとアグレッシブに攻めようとして信頼性を妥協したりすることはできない。そうは言っても、間違いなく、ここ数戦以上にハードにプッシュするだろうがね」
モントーヤとライコネンのパフォーマンスは、今現在もっとも速いマシンに乗っているのは彼らであるということを示し続けている。にもかかわらず、マクラーレンに追いつき追い越そうとするルノーの決意は固く、引き続き、R25に新開発のパーツを投入して鈴鹿を走らせるという。
「日本では最新型サスペンションと、新しい空力パーツをいくつか投入予定だ。R26の開発中に見つけ出したものだ。その中でも可能と思われた範囲で転用している」ベルはこのように述べ、来年用のマシンも同様に開発が進んでいることを明らかにした。
「当然ながら、今後投入する主要なアップデートは、中国GPで採用するEスペック・エンジンだ。そのエンジンは、一歩前進しているはずだ」