先日のブラジルGPは、ロン・デニスにとって複雑な思いのする結果となった。ブラジルGPでマクラーレンは、ファン‐パブロ・モントーヤとキミ・ライコネンが1-2フィニッシュを飾り、コンストラクターズ選手権で今シーズンはじめてトップにたった。その一方でルノーのフェルナンド・アロンソが3位でフィニッシュし、ライコネンにあったわずかなチャンピオンの望みが絶たれたからだ。
レース終盤、ライコネンは2位を走行していたが、アロンソが堅実に3位を走行していたことで、デニスにとってはチームオーダーを発令してライコネンにトップを走らせる意味がなかった。結果、ブラジルGPはモントーヤが今年3度目の優勝を手に入れて終わったが、デニスはすぐに、マクラーレンは常に2人のドライバーを公平に扱う主義だと主張した。
デニスは英クラッシュネットのインタビューに答えて次のように語った。「最後のピットストップを経て、モントーヤとライコネンを無事に完走させることができたのはよかった。事態が悪くなって後悔しないためにも、最後のピットは有効だった。しかし、日頃から主張しているとおり、チームオーダーを発令するつもりはなかった。彼らはエンジン数もまったく同じで、あらん限りの力を発揮してくれた。それは結果にもはっきりと現われた。最後のピットストップを終えた後、2人は僅差だった。そして、2人は最大限のコンストラクターズポイントを手に入れてくれた」
「レースの最終局面でアロンソにハプニングが起こっていたとしても、モントーヤとライコネンは適切に行動しただろう。ブラジルGPは強さを発揮できたレースだった。みんな見ていたと思うが、ルノーはかなり早めにピットストップを行ったけれど、私たちのパフォーマンスレベルは変わらず素晴らしかった。残りのレースでも今回と同じような結果が得られると期待している」
「私たちはタイトルに向けて、どのレースでも全力を尽くしている。開幕で低迷したため、フェルナンド・アロンソに大きなギャップを空けられてしまった。いまは、その差をつめようと頑張っている。最終的に、ウチのドライバーたちとアロンソとの差がほんの数ポイントになればと考えている。そうすれば、今後のレースを支配して、コンストラクターズタイトルを手に入れられるだろう。いずれにせよ、アロンソがチャンピオンであることに変わりはない。しかし最後の2戦、彼を倒していく以外にないと考えている」
デニスは、コンストラクターズタイトルは魅力的だが、ドライバーズタイトルもいちばん重要なものだと語った。
「チームにとって、コンストラクターズタイトルの重要性は、ガレージの位置やその他もろもろの点で、ビジネス面でもっとも有利な立場にたてることにある。従って、コンストラクターズタイトルは大切だ」
「しかし、コンストラクターズタイトルとドライバーズタイトルのどちらが重要かと言われれば、甲乙つけられないと答える。私たちはチームとして機能している。そして、チームとしてドライバーにタイトルを獲らせることを目標としている。チームとしてタイトルを目指さなかったり、ドライバーたちがチームの一員であることを無視して勝手にタイトルを目指すのは、好ましいことではない。ドライバーズタイトル同様、コンストラクターズタイトルも重要なものだ。タイトル獲得に向けてあらゆる努力をしていく」