ブラジルGP決勝レースで、B・A・R Hondaのジェンソン・バトンは7位入賞。佐藤琢磨は10位完走だった。
午後2時、決勝開始時点の天候は曇り。上空には黒雲が立ち込め、今にも雨が降り出しそうだった。スタート直後の1コーナーで、ウィリアムズとレッドブルのマシンの接触事故があり、いきなりセイフティーカー導入となった。グリッド最後尾からのスタートだった佐藤は、この混乱をうまく切り抜け、11番手にジャンプアップ。バトンは2つ順位を落として6番手となった。
20周目を過ぎ、多くのマシンが1回目の給油へとピットに向かった。1回ストップ作戦を選択した佐藤は、その間に6番手に上がる。26周目に最初のピットインを終えたバトンは、そのすぐ後ろにつけていた。レース折り返し点の36周目を過ぎ、ピットに入っていないのは佐藤だけとなり、その次の周にピットイン。J・トゥルーリ(トヨタ)の前、10番手でコースに復帰することに成功した。
バトンは後半55周目に2度目のピット作業を終え、その後は7番手で周回。リアタイヤに問題を抱えてペースを上げることができず、そのまま7位でチェッカーを受け、チームに2ポイントをもたらした。佐藤はレース後半、サスペンションにトラブルが発生し、入賞圏内まで追い上げることができなかったが、レースの最後までポジションを維持し、10位でフィニッシュした。優勝は、JP・モントーヤ(マクラーレン)。F・アロンソ(ルノー)は3位入賞を果たし、ドライバーズタイトルを獲得。史上最年少(24歳)の世界チャンピオンが誕生した。
■ジェンソン・バトン 7位
「今日は僕たちにとって難しいレースだった。スタート直後からリアタイヤのグレーニングに苦しみ、ペースを上げられなかった。僕たちはハードタイヤを選択していたし、グレーニングのことを予測していなかった。それに、それが僕たちのタイヤ選択の理由でもあった訳だからね。特に、高速コーナーと直線の最後のセッションはオーバーステアで厳しかった。だから素晴らしい日にはならなかったけれど、いくつかのポイントと、鈴鹿に向けてまずまずの出走ポジションを獲得できた。新たな世界チャンピオンになったフェルナンド・アロンソには、おめでとうと言いたい。彼は今季、素晴らしい仕事をしてきたと思うよ」
■佐藤琢磨 10位
「今日は少し湿ったコンディションの中で始まったけれど、たくさんの燃料を積んでいたこともあって、マシンがとても重かった。マシンのセットアップも、ローダウンフォースにしていたので、最初の数周の間、タイヤを温めることが難しかった。グリップが低く、ドライブが難しく、多少スライディングさせてしまった。路面が乾き始め、マシンも軽くなると、ペースを上げることができ、僕たちの戦略の目標だったポジションに上げることができました。その後、リアサスペンションにメカニカルプログラムが起きてしまい、マシンが跳ねてしまい、スタビリティーを失ってしまいました。でも、マシンを壊さなくて済み、良かったと思います。今は僕のホームレースである鈴鹿を楽しみにしています」