フェリペ・マッサは、今週末ブラジルでの彼のホームGPでは大観衆の重圧を感じるだろうと述べた。だが、彼は来季フェラーリに移籍したときの環境の変化に備えて、そうしたプレッシャーをうまく利用するつもりだという。
3つの‘フライアウェイ’レースの初戦、インテルラゴスでのブラジルGPは毎年独特の雰囲気を漂わせる。地元のファンがブラジル人ドライバーたちに対して熱狂的な応援を繰り広げるからだ。しかし、あの伝説のドライバー、アイルトン・セナでさえ、ここではなかなか勝てなかったのと同様に、今のところ彼の後継者たちも満足のいく成績を収めることができずにいる。マッサはルーベンス・バリチェロやアントニオ・ピッツォニアといった同郷のドライバーと共に母国GPに出場するこの機会を、結果はどうあれ、少なくとも自分を鼓舞するために利用しようと考えている。
「当然のことだけど、ブラジルでレースをするときには相当大きなプレッシャーを感じるだろうね。でも、僕はここが好きだし、母国の観衆の前で走るのも大好きだ」とマッサ。「それはとてもいい気分だよ。来年フェラーリのドライバーになったら、いつもそんなプレッシャーを感じるのかもしれないから、大きなプレッシャーにも慣れておかないとね」
「昨年のレースにはとてもいい思い出がある。途中で自分としては初めてグランプリをリードしたんだ。今回はそれを上回るパフォーマンスを見せたい。レースを本当に楽しみにしている。特にスパではザウバーは速かったからね」
ベルギーではスリックへの交換のタイミングを誤ってポイントを逃したものの、マッサは今週末チームがいいクルマとセットアップを用意してくれること、そしてトップ8の争いに加われることを確信している。
「インテルラゴスはトリッキーなサーキットで、身体的にも厳しい。ストレートも実際にはとても曲率が大きいカーブだから、いつもコーナリングしているような感じだ。いつもとは違って反時計回りで走るしね。これが首の筋肉には大きな負担になるかもしれないし、無数にあるバンプもドライバーを疲れさせる原因になる。でも、ここには面白いコーナーがたくさんあって、そういったコーナーをうまく走れると本当に気持ちがいいよ」
一方、ジャック・ビルヌーブは必ずしも毎年ブラジルGPを楽しみにしているわけではないと正直な気持ちを打ち明けながら、前戦スパでポイントを記録した後だけに、今回のサンパウロでのイベントもウエットになれば歓迎だという。
「インテルラゴスに独特の個性があるのは間違いないが、僕のお気に入りのコースではないね」と、1997年のワールドチャンピオンは言う。「いくつかの難しいコーナーとタイトなインフィールドセクションがあり、路面はかなりバンピーだ。コーナーでは最大限のグリップが必要だけど、ストレートのスピードを伸ばすにはダウンフォースをできるだけ削らなければならない。これはあまりいい組み合わせとは言えない」
「このレースにはいつもすごい数の観客が訪れる。ブラジルのファンは天候にかかわらず本当に特別な雰囲気を生み出すんだ。過去にはトリッキーな天候になったことも何度かある。もし今週末も雨になってくれれば、スパのときと同様に、僕らはその状況をうまく利用できるかもしれないよ」