レッドブルが来季、クリスチャン・クリエンをBMW(現ザウバー)に移籍させ、チームが抱える5人のドライバーにF1のシートを準備するのではというウワサが流れている。
ウワサによると、レッドブルは来季、クリエンを他のチームに移籍させ、レッドブル・レーシングのドライバーとしてデイビッド・クルサードとビタントニオ・リウッツィを起用し、先日買収を発表したミナルディのドライバーとしてGP2に参戦中のスイス人ドライバー、ニール・ヤニとスコット・スピードを起用するようだ。このことが事実ならば、レッドブルはふたりのルーキーを起用するミナルディを完全なジュニアチームとして運営することになる。
スピードについては現在、各方面から来季はミナルディのドライバーになると見られている。レッドブルがスピードを手元に置こうとしてクリエンを是が非でも移籍させようとしているとしたら、なんとも皮肉なことである。
レッドブルは、ミナルディ買収について公にする直前、スピードとのテストドライバー契約を発表した。その当時、ウイリアムズもスピードに興味を示していたことから、レッドブルはスピードに興味を示す他のチームに釘をさそうとしたと考えられる。
そのスピードが現在iSportチームから出場しているGP2シリーズには、サー・フランク・ウイリアムズの息子で、彼のチームの有力なドライバー候補であるジョナサンが参加している。ジョナサンについては、来季もウイリアムズのスポンサーを続けると見られるバドワイザーが興味を示しているようだ。
レッドブルが今季残り3レースでクリエンを起用することになれば、彼にとっては好印象をアピールするチャンスが増えるが、同時にBMWがクリエンに興味を示しているかどうかについて、見定めることもできる。とはいえ、ニック・ハイドフェルドとの契約を発表したBMWが、ドイツ語を話すドライバーをもうひとり起用することになれば、国際的な視野でラインナップを考えなかったという誹りを受けることは間違いない。
仮にクリエンがザウバー入りを果たせば、2006年まで同チームと契約の残るジャック・ビルヌーブは恐らくチームを離脱することになるだろう。また、長きに渡ってザウバーと関係のあるヤニが、BMWのサードドライバーになるということも考えられる。