ベルギーGP初日フリー走行は、午前中こそおおむねドライ路面での走行ができたものの、午後は大雨でほとんどのマシンが出走を見合わせた。B・A・R Hondaの2台も、走行したのは午前中のセッションだけで、ジェンソン・バトン6番手、佐藤琢磨11番手のタイムだった。
前日の快晴がウソのように、ベルギーGP初日は朝から雨模様となった。しかし最初のフリー走行が始まる頃には晴れ間が広がるという、山間部特有の典型的なスパ・ウェザーとなった。午前中のセッションは、路面が乾きかけというコンディションもあって、いつも以上にコースインするマシンが少ない。セッション中盤以降はドライタイヤでの走行となったが、全長約7kmの山間コースはまだところどころが濡れている。そんなコンディションの中、B・A・R Hondaの2台は終盤に7ラップの周回をこなし、バトン6番手、佐藤11番手タイムだった。
その後天候は回復するかと思われたが、午後2時からの2回目フリー走行の開始直前、再び雨が降り始める。雨はかなり激しい降りとなり、路面は完全にびしょ濡れ状態。開始後すぐに出て行ったレッドブルのマシンが、長い直線のフルブレーキングでコントロールを失ってスピン。クラッシュを喫して、約10分間の赤旗中断となる。その後も雨はいっこうに止まず、B・A・R Hondaを含む全20台中17台は全くコースに出ることもなく、2回目フリー走行セッションは終了した。スパ付近の天候は、明日以降も雨の予報となっている。
■ジェンソン・バトン
1回目フリー走行6番手 1分49秒890
2回目フリー走行 雨のため走行せず
「スパへは何度も来ているから、今日の天気には驚くに値しないよ。皆が同じ状況だったし、問題ないよね。午前中に集めた限られたデータから、できることをする予定だし、明日は今日より良いコンディションでスタートできるよう願っているよ」
■佐藤琢磨
1回目フリー走行11番手 1分51秒003
2回目フリー走行 雨のため走行せず
「今日はこんな天気だったので、あまり話すことはありません。午前のセッションの最後で、乾きかけのコンディションの中で数周を走っただけでしたが、第一印象ではマシンは結構良い感じでした。明日の2回のセッションは、とても忙しくなりそうですね」
■ジル・ド・フェラン B・A・R Hondaスポーティングディレクター
「路面があまりにもウエットで、午後のセッションでは走れる状態ではなかった。あんなコンディションの中での走行は危険な上、有意義なデータは取れない。通常4つのセッションでこなすプログラムを、明日の午前中の1時間半のセッションでこなさなくてはならない。正午にはタイヤ選択をしなくてはならず、かなり大きなチャレンジになるだろう。明日の天気予報では今日と同じようなコンディションになりそうなので、今週末はとても面白いことになるだろう!」
■中本修平 Honda Racing Developmentエンジニアリングディレクター
「今日は多くの周回はできませんでしたが、アップグレードしたエンジンの調子は良好です。スパではいつものことですが、あらゆる天候に備え、準備を整えています」