ルノーのエンジニアリングディレクター、パット・シモンズが、今年のタイトル争いのために、2005年型のマシンの向上にハードワークを行なっているが、来季の準備をおろそかにするつもりはないと語った。
すでにフェラーリが進めているように、タイトル争いから脱落したチームは例年、現行型マシンの開発作業を縮小し、新車の開発に集中し始める時期だ。とくに今年は、来季からV8エンジンに変更されるため、いまから来季の準備を本格化させることはとても重要なことだろう。
皮肉なことに、昨年のルノーはシーズン後半に2005年用の準備に集中し始めた途端、BARの方が獲得ポイントを上回り、コンストラクターズ選手権の2位争いに敗れてしまった。
シモンズは英クラッシュネットに対し、次のように語った。「シーズンを無事終えるためには空力の向上がまだ必要だ。しかし、いまの時点でチームはかなり強くなっている。私たちのチームやマクラーレン、フェラーリといったところは、規模が大きいので、タイトル争いを行いながら来季の準備を本格化させることは可能だ。いまの仕事にまったく影響がないとは言えないが、わずかなものだ。去年は、全精力を今季の準備に注ぐという決定を下した。しかし、リソースが必要以上にかかってしまった」
シモンズは、昨今のマクラーレンの強さは、サーキットとの相性ではなく、全体的な改良の成果であることを認めた。
「マクラーレンは総合的に前進している」とシモンズ。「ということは、どの日曜日の午後もいい成績を残すということになる」
「シーズンもわずかになってきた。(2台で)あと10回のフィニッシュが残っている。すべてのレースで2台とも好成績をあげてくれれば、たぶんコンストラクターズタイトルを手にすることができるだろう。私たちにはまだやるべきことがある。血眼になってハードな作業を行い、マクラーレンにぜひ追いつきたい。いまは彼らのマシンの方が速い。大事なのはバランスだ。ドライバーズ選手権では守りの要素が強いが、コンストラクターズ選手権では攻め続けていかなければならない。トルコではかなり攻めた。マクラーレンの方が私たちより速いことはわかっていた。スタート直後が勝負だと考え、攻撃的にいった」