浮き沈みの激しいシーズンを送っているブリヂストン・モータースポーツは、先週モンツァで行われた4日間のテストを経て、イタリアGPの週末に臨む。テストにはブリヂストンユーザーの3チームがすべて参加し、今週末のレースに向けて準備を行った。
ミハエル・シューマッハーが競争力を取り戻したかに見えたハンガリーの後、トルコでは一転してミシュラン勢の上位独占を許したブリヂストン。彼らにとって今シーズンはいわばローラーコースターのようでもある。だが、シーズンもあと5戦を残すのみとなり、彼らは今週末のカレンダー上の最速トラックを皮切りとして、このシーズンをポジティブなムードで終えようと決意している。
「モンツァでのグランプリは、いつでも高速で激しいレースになる。クルマの速度が350km/h前後になる場所がコース上に4カ所もあり、特に最初のシケインへのアプローチでは360km/hに近い」と、テクニカルディレクターの菅沼寿夫は言う。「こうしたハイスピードとローダウンフォースの結果として、タイヤにはきわめて大きな遠心力がはたらき、それがタイヤのさまざまな部分にストレスを与える可能性がある。したがって、モンツァ用のタイヤは丈夫に作られていなければならない」
「また、タイヤがきわめて高速で回転しているため、特にトップスピードからのハードなブレーキングでは多量の熱を発生する。その結果、モンツァでは耐熱性が重要なポイントになるが、磨耗率はそれほど問題にはならない。また、いいラップタイムを出すにはブレーキングでのスタビリティもカギになる」
「モンツァには3カ所もシケインがあるので、クルマが向きを変えようとするときのタイヤのパフォーマンスもかなり重要な要素になるだろう。全体としては、ここもまたチャレンジングなサーキットだ。先週モンツァでブリヂストンユーザーの3チームが建設的なテストを行った後、私たちはこのコースでの戦いに備えて全力で準備を進めてきた」