ハンガリーGPにて10ポイントを手繰り寄せ、コンストラクターズ選手権争いへのチャレンジを進めるマクラーレン。今週末に初開催されるトルコGPへの期待は大きいようだ。チームは伊トリエステからイスタンブールに渡り、キミ・ライコネンとファン・モントーヤは、今季唯一の新規サーキットに果敢に挑もうとしている。
全長5.3kmのイスタンブール・スピードパークは、同市街地からボスポラス海峡アジア側の東80kmの位置にあり、F1開催はこれが初めてとなる。そのため金曜の最初のプラクティスは全10チームの全員にとってこのコースでの‘リアルタイム’のデータを取る初めての機会となり、その後の週末に向けたセットアップの選択に影響することになる。
4つの階層の上に建設され勾配の変化が激しいという特性を持つこの新サーキットは、建設段階の視察で、スパ−フランコルシャンのミニチュア版と評されている。
「このトラックは、ニュルブルクリンクの旧コースやスパのような伝統的サーキット同様、地形に合わせた作りとなっている」とメルセデスのノルベルト・ハウグ。「各コーナーでは高ダウンフォースが要求されるが、ストレートでのスピードも求められる。ドライバーとエンジニアにとっては最適なセットアップを見極めることがとても難しくなるだろう。この新しいトラックのベストバランスを誰が見出せるのか、見ものになるね」
モントーヤは目前の課題を承知の上で、ここ2シーズンで3つ目となる新規イベントへの挑戦を楽しみにしているという。
「マレーシアも上海も新設計のサーキットでのドライブを僕はとても楽しめたから、トルコGPも待ち遠しいよ」とモントーヤ。「木曜日にあちらに着いたら、僕はまずエンジニアたちと偵察に出て、ブレーキングポイントや路面のキャンバー、コーナーのアペックスなどを直接見たい。予想最高速度が時速320km前後、また最長ストレートが700m以上で、かなりの高速トラックになるはず。そのストレートの途中がわずかに右に曲がっているので、トラックのこのセクションの先でのオーバーテイクにどう影響するのかを見るのは面白いと思うよ」
コンストラクターズ選手権2位でトルコ入りするマクラーレン。現在首位のルノーとは12ポイント差で、ドライバーズ選手権ではライコネンが、先のハンガリーを勝ち取って、やはり2位につける。彼はトップのフェルナンド・アロンソに26ポイントの水をあけられているものの、ブタペストでの白星によりタイトル争いへの意欲が再燃し、今週末もさらに差を縮められない訳がないと語る。
「ハンガリーではすばらしい結果が出せたし、まだあと6レースもある。もし勝てば最大で60ポイントだ」と試算するライコネン。「初開催のトルコGPでぜひいいレースができるといいね」
「イスタンブール・スピードパークではテストがなかったから、僕は今週末に初めてトラックを見ることになる。図などを見たところでは、低速・高速コーナーと長いストレートや高度の変化などいろんなチャレンジがあっていいレイアウトのようだし、挑戦できるのを楽しみにしている」
金曜の走行にはモントーヤとライコネンにリザーブドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサが加わり、予選およびレース用タイヤ選択の任務を負うことになっている。