ドイツGPの予選で、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンが2番手、フロントローを獲得。出走順のハンディキャップのあった佐藤琢磨も、8番手4列目グリッドを獲得した。
ドイツGPの2日目午前中は晴れ間が広がり、気温も昼前には20℃程度まで上昇した。前日の夕方に雨が降ったため、路面グリップの低下が心配されたが、影響はほとんどなかったようだ。フリー走行ではレースに向けてのロングラン走行を中心に、セッション終盤には午後の予選に向けてのアタック・シミュレーションを実施。午前中の4回目フリー走行のタイムは、バトン5番手、佐藤13番手だった。
午後1時からの予選は気温22℃、路面温度も30℃を超えたコンディションで始まった。前日と同様にサーキット上空は午後になって雲が広がりはじめたものの、セッションが進むに連れて路面温度は40℃近くまで上昇した。予選をセッション序盤の5番手で出走の佐藤は、ホッケンハイム最長のストレートからのフルブレーキングを含む第2区間で若干のタイムロスはあったものの、不利な条件を跳ね除け、この週末中の自己最速タイムの1分15秒501をマーク。最終的に8番グリッドを確保した。
そしてバトンが、予選最終出走グループ5人のトップを切ってコースイン。持ち味の流れるようなドライビングで、暫定トップタイムに躍り出る。後から出走したK・ライコネン(マクラーレン)にポールポジションは奪われたものの、ルノー勢の2台を押さえ、さらにJP・モントーヤ(マクラーレン)が最終コーナーでクラッシュを喫したことで、2番グリッドを獲得。明日の決勝レースは、前戦イギリスGPに続きフロントローからスタートする。
■ジェンソン・バトン
「2戦連続してフロントローに並ぶことができて、とても嬉しいよ。シルバーストーンの後、チームが素晴らしい仕事してくれてマシンを改良できたし、Hondaもエンジンをさらに進歩させてくれたことだしね。今日のラップは良かったけれど、少しマシンのフロントグリップを付け過ぎ、特にスタディムのセクションでは何回かヒヤリとする瞬間があった。シルバーストーンからは確かに進歩しているけれど、トップチームに挑戦するには、まだ頑張らないといけないね。とは言っても、前に比べてギャップが縮まったことは嬉しいし、残りのレースのために良い勢い作れたよ。実を言うと、ここで12番手以内のグリッドを獲得したのは初めてだし、フロントローからのスタートは嬉しい。このまま良いレース結果に繋げたい」
■佐藤琢磨
「予選の出走が最初の方だったことを考えると、満足の行く走りでした。予選の序盤で出走するのは不利なことが多いのですが、今日の結果には満足しています。今朝は予選に向けて十分な準備ができましたし、僕達のレースでの速さと戦略を考えると、明日はきっと良いレースを見せることができると思います」
■ジル・ド・フェラン B・A・R Hondaスポーティングディレクター
「今日の予選結果にはとても満足している。我々はフリー走行中に異なるセットアップを試し、その結果予選に向けて良いマシンバランスに仕上げることができた。これはいつものことになりつつあるが、ジェンソンは素晴らしい走りを見せてくれた。予想していた以上のスターティンググリッドを獲得してくれたおかげで、明日のレース戦略は有利に働くはずだ。琢磨は予選出走順が早く、不利な条件だったが、ジェンソン同様の良い走りを見せてくれた。フリー走行でのロングランで証明されたように、ミシュランは非常に安定したタイヤを持ち込んできており、エンジンの調子も非常に良い。明日のレースを本当に楽しみにしている」
■中本修平 Honda Racing Developmentエンジニアリングディレクター
「ドライバー2人とも、良い走りを見せてくれたおかげで、予選は上手く行ったと思います。他チームのレース戦略は分かりませんが、明日の決勝レースでは最善を尽くします」