ブリヂストン・モータースポーツ推進室長の安川ひろしは、今週末のドイツGPで、ミハエル・シューマッハーとルーベンス・バリチェロのフェラーリの二人に表彰台フィニッシュのチャンスがあると信じてはいるが、優勝するという確信は持てないようだ。
いつも通り金曜日のプラクティスで始まるドイツGPの3日間、全契約3チーム(フェラーリ、ジョーダン、ミナルディ)が、‘有望な’新コンパウンドを使う予定であるにもかかわらず、ブリヂストンの事前リリース中には、彼らもフェラーリも勝ちにいくという直接的な表現は一切なかった。
「昨年のドイツGPではミハエル・シューマッハが母国のファンの前で優勝したので、今年はシューマッハとチームメイトのルーベンス・バリチェロのいずれも表彰台に登る可能性があると期待している」と安川。
「ジョーダンとミナルディもそれぞれの開発スケジュールを精力的に進めてきたので、両チームとも今週末は精一杯戦いに挑むと思う」
「ホッケンハイムは大変チャレンジングなコースなので、我々の技術陣は日本から届いた最新タイヤの評価作業に懸命に取り組んできた。連戦が続くこの時期は、勢いを維持し、各契約チームがチャンスを最大限に生かしてできるだけ多くのポイントを獲得できるようにサポートしていくことが重要だ。ドイツGPは激しい争いになるだろうが、素晴らしい一戦になることを願っている」
一方、ブリヂストン・モータースポーツ・テクニカル・マネージャーの菅沼寿夫は、ホッケンハイムは厳しい試練の場となり、おそらく‘タイヤにとって最も難しいコースの一つ’になるだろうと話す。
「例年この時期はかなり温度が高くなることがその理由の一つだ」と説明する彼。「もし晴れれば、我々はタイヤ摩耗率が上昇する50℃を超える路面温度に備えなければならなくなる。その観点から見ると、タイヤには予選とレース全距離を走り切れる高い耐摩耗性能が求められることになる」
「しかし路面が比較的滑らかであることを考えると、一般的には柔らかめのコンパウンドを選ぶ必要がある。そのため、コンパウンドの選択は慎重に行わなければならない」
「またコースのレイアウトの特徴も考慮しなければならない。改修後のホッケンハイムは以前ほどの高速コースではなくなったが、それでもパラボリカとヘアピン・カーブの手前でマシンはトップスピードに達するので、優れたブレーキング性能と安定性を備えることが重要なポイントになる。またそれに続く低速のインフィールド・セクションでは、グリップの良さが求められる」
「先週、我々は開発を進めてきた最新型のコンパウンドを数種類試し、好結果を得ることができた。その中のいくつかのスペックが今週末のドイツGPで登場するのを楽しみにしている」