ジャガー・チームが大手飲料メーカーの実権を握るディートリッヒ・マテシッツの下に売却され、2005年はレッドブル・レーシングとして参戦するという15日の発表を、ジャガーのボス、トニー・パーネルは歓迎している。
親会社のフォードが9月にこのチームとコスワースを売りに出して以来、レッドブルはずっとジャガーの買手候補のひとつと目されていたが、F1ニューカマーのミッドランドと見られるライバルが買収の企てを見送るまでは正式決定に至らなかった。しかし、15日、両当事者による記者発表が相次いで行われ、正式発表となった。
マテシッツが地元オーストリアで同日夜に契約を発表した一方で、フォードはロンドンで記者会見を開き売却が合意に至ったと公式に認め、来年のF1グリッドの台数に関する一連の噂を終息させた。
「レッドブルがジャガー・レーシングを買い上げてくれ、本当にうれしい」と、認めるフォード副社長のリチャード・パリー・ジョーンズ。「F1事業を売りに出すと9月に発表してから、我々はジャガー・レーシングの経営陣や従業員から随分と助けてもらい、信頼できる買い手への売却を確保するために尽力してきた。レッドブルの事業はとても成功しており、この10年以上、F1など世界的なモータースポーツに広く参画している。この成果の発表を私は喜ばしく思う」
パーネルは、ジャガー・レーシングのスタッフを代表して契約締結を歓迎している。彼に関しては、マテシッツが2005年レッドブル・レーシングのチーム代表として引き続き残ってもらいたいと語っており、その座は保証されているようだ。
「ミルトンキーンズの我がチームにとってこれ以上の結果があったと思うかね?」とパーネル。「デイブ・ピッチフォースとチームはこの2年で多くの高い評価を勝ち取ってきた。彼らのハードワークがこの信じられないような機会をもたらしてくれたのだ。はっきりしない状態が何カ月も続いたが、それも終わり、この発表ができて最高だよ!」
パーネルはまた、ジャガーとともにその最後のシーズンにルーキーのクリスチャン・クリエンの支援者として関わった、新オーナー、マテシッツについても賞賛した。R5のマシンにレッドブルのロゴは載らなかったが、姉妹ブランドのハンガー7がスポンサーとして加わっていた。
「昨年はスポンサーだったレッドブルの皆さんがこれからは我々のオーナーだ」とパーネル。「活気にあふれ、意欲に満ち、しっかり責任を負う。彼らには全て揃っている!」
レッドブル・オーナーのマテシッツは、世界の高額所得者500人にランキングされ、純資産が10億USドル超といわれ、さまざまなカテゴリーのモータースポーツと、その他‘最高のアクションスポーツ’をこの10年間支援している。長期にわたりザウバーF1チームのスポンサーとなる一方で、かねてよりF1に再びアメリカ人ドライバーを参戦させるという希望を公言しており、今回のジャガー買収は彼の奨学金制度という‘はしご’の最後の一段になるものと見られている。