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「テストチームがあってこそ」中本修平レポート

2004年10月28日

 最終戦ブラジルGPの前週に行われたヘレステストが、2004年シーズンの最後のものだった。そしてテストチームはわずかな休息の後、来シーズンに向けてのウィンターテストを来月下旬から開始する。そこでF1現場監督、中本修平HRDエンジニアリング・ディレクターにテストについて語ってもらった

―テストでのメニューは、とにかく膨大ですね。2〜3日間なりのテストでは、とてもやり切れないのでは?
 
 2台で3日間のテストでは、普通に行けば90%ぐらいは消化できますが、それでもちょっと漏れる部分が出てきますね。今はそれぐらい多くのメニューをこなしているということです。クルマが壊れたりコースアウトしてしまったりすると、消化率が50%なんてこともあります。予定通り100%こなせるなんてことは、まずありません。8〜9割消化できれば大成功と言っていいでしょう。天候の影響もありますしね。
 だから、テストでどれだけのことがやり切れたかが、そのままレース結果に直結するわけです。レース現場で、何かテストするなんてことは、ありえない。レースでは、そのサーキットに合わせたことしかできませんから。
 
―そうするとレースの週末に、クルマの性能が上がるなんてことは?
 
 ありえないです。クルマの持っている基本的なポテンシャルを引き上げるのは、テストしかないんです。そしてレースでは、そのポテンシャルを100%引き出す努力をするだけなんです。
 ポテンシャルが高ければ高いほど、たとえレースで70%しか引き出せなくても、そこそこの結果が出せるわけです。それが、ポテンシャル自体が70点しかなかったら、いくら100%引き出しても、知れてますよね。


―たとえば鈴鹿では、レースまでまったくドライ路面で走れなかった。そういう状況では、テストで培った各マシンの持っているポテンシャルの高さが、そのまま成績に出ると考えていいですか?
 
 そうですね。それと、事前にどれだけシミュレーションして、実際のマシンに織り込めたかが、差となって出てくると思います。
 
―そうすると、事前に1周もしないでいきなり予選で走らせたら、一番速いのはやはりフェラーリなんでしょうか?
 
 間違いないですね。それはポテンシャルのベースが高いから。それと、たくさんの過去のデータを持っています。それを基にして、クルマを作って持って来ることができますから。フェラーリはいつも、初日から速いでしょう。そこから2日間の引き上げは、われわれ2位以下のチームに比べれば、それほど多くはない。でも基準となるレベルがはじめから高いから、最初から最後まで差を付けられているわけです。
 でもフェラーリでも、失敗することはあります。たとえばフェラーリが、今の技術の最良の部分を集めて、95点のマシンを作っているとしますね。しかしたまには、95点のマシンの80%ぐらいしか使い切れないことがある。その時にわれわれが100%性能を使い切れれば、勝てる可能性は十分にある。
 シーズン中盤以降、われわれのマシンの信頼性も上がり、テストチームの頑張りで、100%やり切れるようになりました。最終戦も、そんな展開になることを大いに期待しているんですけどね


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