中国初のF1GPの開催に向け、上海では急ピッチで、グランプリの準備が進められている。
チケットは90%以上が売り切れており、ほぼ満席状態に近付きつつある。中国GPが世界中の関心を集めているのは確かだが、現時点でのデータによると、ホスト国である中国全体からの観客が大多数を占めることになるようだ。関係者らによると、30%は上海からの観客が占め、55%は上海以外の中国国内から、また残り15%は海外からの観客が観戦予定であるという。
レース当日が近付くにつれ、サーキットでレースのプロモーション活動や各種イベントが開催され、上海市内及び周辺各地は、興奮と熱狂に包まれている。9月4日、CCTV(中国中央電視台)は、たくさんのVIPゲストや報道陣とともに2万人の観客が集まったライブ・コンサートを、サーキットから中継した。その3日後、NPC(全国人民代表大会)の党員がサーキットを訪れ、成思危副委員長がサーキットでのグランプリ成功を祈願した。翌8日には、サーキット副総経理の郁知非が、全長15メートルに及ぶ印象的な壁画のお披露目をした。この壁画は、日本人スポーツアーティスト、テッド・タナベ氏の手によるもので、走行中のレーシングカー数台が描かれている。
サポート・レースのプログラムも決定しており、アジアン・フォーミュラ・ルノー・チャレンジ、フォーミュラBMW・アジア・シリーズ、ポルシェ・インフィネオン・カレラ・カップ・アジアなどが開かれる。中でも、フォルクスワーゲン・ポロ・セレブリティー・レースを特別に開催予定で、クリスチャン・ダナー、マーク・スレール、ジャック・ラフィット、マーティン・ブランドルら、堂々たる顔ぶれが、参加の見込みである。彼らは全員が元F1ドライバーで、現在はコメンテーターなどで活躍中だ。
中国を訪れる関係者の多くは、この機会を利用して、国内の重要な観光名所も訪ねる予定だ。ジャガー・レーシングのマーク・ウエーバーは、一足早く中国入りし、わずか2カ所だけではあるが、世界でも最も有名な万里の長城と、紫禁城を観光するつもりだという。ウエーバーは、さらに北京で、ジャガーのスポンサーであるトム・テイラーのファッションショーや店舗に顔を出し、その後、レース直前に上海に入る予定だ。F1のボス、バーニー・エクレストンもまた、万里の長城を含めた有数の観光地をめぐる機会を得ている。