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規則修正で予選は一歩前進。アップデートなしのマイアミは「いい意味で驚き」【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第5回】
2026年5月14日
今年で11年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄代表。約1カ月ぶりのレースとなった第4戦マイアミGPは、エネルギーに関する規則が修正されたこともあり、注目が集まった週末だった。規則の修正は、全チームの協力的な姿勢のもとで行われ、前進があったということだ。さらにマイアミでは多くのチームがアップデートを行ったが、ハースはアップデートを次戦カナダに先送りにしたことで、厳しい週末を覚悟してグランプリに臨んだという。今回はそんな第4戦マイアミGPを小松代表が振り返ります。
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■2025年F1第4戦マイアミGP
No.87 オリバー・ベアマン スプリント予選13番手/スプリント12位/予選12番手/決勝11位
No.31 エステバン・オコン スプリント予選17番手/スプリント11位/予選14番手/決勝13位
約1カ月のインターバルが終わって、シーズンが再開しました。前回のコラム(編注:ベアマンのクラッシュで“速度差”の懸念が浮き彫りに。日本GP鈴鹿で感じたこと【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第4回】/2026年4月8日掲載)にも書いたとおり、僕たちはこの1カ月を、これまでにやれていなかったことを見直す時間に充てました。プレシーズンテストから第3戦日本GPまで、なんとか付け焼き刃で乗り切ってきた部分もあったので、そういうところを根本的に見直したり改善することに集中していました。
僕個人の話をすると、そういったチームのオペレーションに加えて、マーケティング関係の仕事も多かったです。第4戦マイアミGPの前には、ニューヨーク証券取引所で午前9時半の取引開始時刻に合わせてオープニングベルを鳴らしました。あのベルを鳴らすのは、アメリカの普段レースには来ないメディアにも取り上げられますし、金融関連の多くの人の目に触れるインパクトの大きいイベントです。これ以外にも、あの日は朝7時半から夜10時半まで分刻みのスケジュールのなかでいろいろなメディアに出て、その翌日にはアメリカのNBCで朝のニュース番組にも出演させてもらって、普段F1を見ないような人たちにもハースというチームを広めるための活動をしていました。


突然1カ月レースがなくなりましたけど、おそらく休んでいるチームはなかったと思います。F1の競争は激しいですし、この1カ月をどう使うかというのはすごく大事なことだったので、休んでいる場合ではなかったです。グランプリが中止になったことで、移動が減ったのは助かりましたけどね。
唯一息抜きができたのは、日本GPの後にもコラボレーションしたイングランドのサッカーチーム『コヴェントリーシティFC』の今季最後のホームゲームに行ったことです。僕はずっと昔からコヴェントリーのファンなのですが、今季のコヴェントリーはEFLチャンピオンシップのイングランド2部リーグ優勝が決まっていたので、試合後にチームの人の計らいでピッチに入ることができて、トロフィーまで一緒に持たせてもらって、とてもいい経験になりました。来季からプレミアシップで戦うコヴェントリーはうちといろいろと環境が似ているところがあります。そういった意味でこれからも意義のあるコラボレーションをして、お互いに盛り上げていければと思います。
■“アドバンテージを取り上げない”規則修正
さてマイアミGPでは、エネルギーに関する規則が修正されました。修正後の規則でレースをした感想としては、マイアミではそれほど影響はなかったと思っています。もちろん、少なくとも予選に関しては一歩前進しましたけど、それが十分なものだったかどうかというのは、他のサーキットでも走ってみないとまだわからないです。
目に見えて大きく何かが変わったということもありませんが、僕はそういった大きな変化は逆に気を付けなければいけないと思っています。というのもみんな2026年当初の規則に沿ってクルマやパワーユニット(PU)を開発しているので、その規則をシーズン途中で大きく変えてしまうと、この規則に適応できなかった人たちに利益を与えることになりかねないからです。だから今回のように微調整をして、これまできちんと開発できていた人たちからなるべくアドバンテージを取り上げないようにしながら進めていかないといけないので、なかなか難しいことなのです。

規則が変わる時には、“自分たちが少しでも有利になるように”という考えを持つ人たちが少なくありませんが、今回は普段のF1の特性を考えると、みんなあまり自分勝手なことは言わずF1全体のことを考えていたと思います。これが今のF1のいいところで、予選でのエネルギーの使い方や、クルマの接近速度の差といった大きな問題を、みんなでどうにか妥協点を見つけて解決しようという雰囲気ができています。この規則についてはシーズン開幕前から懸念があったので、全員が協力的に取り組んでいる状況です。
今後カナダ、モナコ、そしてスペイン(バルセロナ)とレースが進んでいくにつれて、この規則修正でどれくらい問題が解決されたのかというのがわかってくると思います。特にバルセロナは、1月末のシェイクダウンの時からエネルギーの使い方に関して厳しいコースだとわかっていたので、より修正の影響が見えるでしょうね。
■アップデートなしでもトップ10付近を争ったVF-26
マイアミGPが厳しい週末になることは事前にわかっていました。というのも、風洞実験やCFD(編注:Computational Fluid Dynamics/数値流体力学。コンピューター上で空気の流れを解析する技術)を通して、予定していたアップグレードが望んでいた性能に達していないことがわかったので、マイアミではアップデートを見送ったからです。ですから今回多くのチームがアップデートを予定していたことを考えると、ダメージを最小限に抑える週末になるとわかっていたのですが、それでもトップ10に近いところでレースを終えられたのはいい意味で驚きでした。

レースを振り返ってみると、オリー(編注:オリバー・ベアマンの愛称)の方は1周目に押し出されたりしたこともあってちょっと不運もありましたけど、レースペースに関しては、BWTアルピーヌF1チーム以外の中団チームと戦えていました。その点はポジティブに捉えているので、ポイントを獲れなかったのは残念でしたけど、そこまで悲観していませんし、VF-26はベースの特性がいいクルマだと再確認しました。
それから先に書いたとおり、厳しい週末を覚悟していたとはいえ、オリーは予選Q1では驚くほど速かったですからね(編注:タイムは1分29秒340で6番手)。Q2はあまりよくなかったので、そういういい走りを再現できないというのは彼の今後の課題でもあるのですが、あまり文句は言いたくありません。本当によくやってくれていると思います。もちろんエステバンもよくがんばっています。でも今回はすべてを出し切ったオリーには敵いませんでした。今のエステバンの課題は、オリーに匹敵する結果を出すことです。

今回できなかったアップデートは次の第5戦カナダGPで行う予定ですが、安心はできません。またスプリント・フォーマットの週末なので、アップグレードは本当に機能しているのか、クルマは本当に速くなっているのか、期待した性能を発揮しているのかどうかといったことを、1時間しかないフリー走行で見極めないといけないですからね。
カナダGPは開催時期が1カ月ほど早まったので、例年よりも気温が低い環境でのレースになります。モントリオールは天候や気温が安定しないことが多い場所です。暑い時もあるし、反対に寒い時もあって、アップダウンが激しいので、時期が早まれば早まるほど天候の当たり外れの“外れ”に当たってしまった場合は大変なレースになるかもしれません。どんな状況でもしっかりと対処できるように万全の体制で挑みたいと思います。


(Text : Ayao Komatsu)
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| 1位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 100 |
| 2位 | ジョージ・ラッセル | 80 |
| 3位 | シャルル・ルクレール | 59 |
| 4位 | ランド・ノリス | 51 |
| 5位 | ルイス・ハミルトン | 51 |
| 6位 | オスカー・ピアストリ | 43 |
| 7位 | マックス・フェルスタッペン | 26 |
| 8位 | オリバー・ベアマン | 17 |
| 9位 | ピエール・ガスリー | 16 |
| 10位 | リアム・ローソン | 10 |
| 1位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 180 |
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 110 |
| 3位 | マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム | 94 |
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 30 |
| 5位 | BWTアルピーヌF1チーム | 23 |
| 6位 | TGRハースF1チーム | 18 |
| 7位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 14 |
| 8位 | アトラシアン・ウイリアムズF1チーム | 5 |
| 9位 | アウディ・レボリュートF1チーム | 2 |
| 10位 | キャデラックF1チーム | 0 |

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