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【F1パワーユニット技術分析】フェラーリの小径ターボがもたらすプラスとマイナス
2026年4月28日
フェラーリが採用した小径ターボという選択は、2026年のF1における技術バランスの中心に位置している。彼らは、スタート直後の優位性と高速域での制約のトレードオフに直面している。
2026年技術規則の根幹にあるのは、2014年に導入されたハイブリッドPUの最重要要素だったMGU-Hの廃止だ。これまでターボシャフトに取り付けられていたこの電動機は、ターボの回転を加速させてレスポンス遅れを解消すると同時に、回転を制御しながらエネルギー回収も行っていた。そのため、ターボサイズの選択は比較的二次的な問題に過ぎなかった。
しかしMGU-Hがなくなることで、このロジックは完全に消滅する。ターボは、V6エンジンの排気ガスの流れだけで駆動されることになり、回転の立ち上がりは純粋に利用可能な熱エネルギーに依存するという、直接的な機械的制約が復活した。
この状況の中でフェラーリは、小径ターボを維持するという、ラディカルでありながら一貫性のある選択を行った。他メーカーがより大きなターボを選んだのとは対照的だ。
この決定はエンジン回転数に応じた排気流量、15万rpmに制限されたターボ回転数、過給圧、そしてウェイストゲートやブローオフバルブによる制御といった複雑な要素のバランスの上に成り立っている。MGU-Hが存在しない以上、設計の誤りは即座に性能や効率の低下として表面化してしまう。

■スタートと低速域での機械的優位性
小径ターボの最大の利点は、その低い慣性にある。コンパクトなターボは最適回転数に到達するまでに必要なエネルギーが少なく、スロットルを開けた瞬間から迅速に過給圧を発生させることができる。
つまりブーストの立ち上がりが非常に早く、スロットルレスポンスは明確に向上する。システム全体を回転させてターボを完全に機能させるまでの時間が短いからだ。
MGU-Hによる事前の過給圧増大が不可能となった現在、ドライバーは内燃エンジンだけで過給圧を生み出さなければならない。その点から言えば、小径ターボは明らかに扱いやすい。

この特性はレーススタートで顕著に現れている。これまでの3戦、シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンは、いずれもスタートで大きく順位を上げている。メルボルンではルクレールが4番手から首位へ、上海でも両者が序盤で一気にポジションを上げ、日本ではルクレールが4番グリッドから1周目終了時に2番手へ浮上した。
ただし同じフェラーリ製PUを使用するハースは、同様のスタートダッシュを再現できていない。オリバー・ベアマンによれば、その差はエネルギー展開のマネジメントにあるという。スクーデリアは回転数や速度、コーナーに応じてマッピングを最適化できるのに対し、ハースは供給された設定を自車に合わせて調整する必要があり、その分だけスタートや予選でわずかな遅れが生じるのだ。
さらにこの効果はスタートだけにとどまらない。低速コーナーからの立ち上がり、ブレーキング後の再加速、トラクションをかける局面など、あらゆる低速域で恩恵がある。フェラーリSF-26は、よりロングギヤを使いながらも即応性を維持でき、車両安定性の向上にもつながっている。

■シンプルで効率的なターボ制御
小径ターボの採用は、エネルギーマネジメントにも大きな影響を与える。MGU-Hがない以上、過給圧の制御はウェイストゲートやブローオフバルブといった受動的な装置に依存する。一方、大径ターボは高い過給圧を生み出せるが、過回転や過給過多を防ぐためにより強い制御が必要となり、その結果として排気エネルギーの一部が無駄に捨てられる。
これに対し小径ターボは、過給圧の立ち上がりが穏やかで制御が容易なため、こうした排出の必要が減り、エネルギーロスを抑えることができる。エネルギーの一単位ごとの価値が増している2026年規則では、これは重要な利点となる。

■代償となるのは高速域での出力と効率
しかしこの構造には、明確な限界がある。小径ターボは空気流量が少ないため、高回転・全開時の過給圧に制約が生じる。
ここで際立つのが、メルセデスの技術アプローチである。より大型のターボを用いることで、長いストレートでより高い熱出力を発揮できるのだ。もっともターボが大きすぎるとスタート性能に悪影響を及ぼすのは、前述の通りだ。アウディ製パワーユニットは、その典型例とされる。一方でストレートが長いほど大型ターボは優位となり、電動エネルギーへの依存も減少する。

2026年規則ではバッテリーエネルギーが制限され、1周を通じて管理する必要がある。そのため内燃機関でより多くの出力を生み出せるPUは、電力消費を抑え、余力を確保し、戦略の自由度を高めることができる。
これに対しフェラーリは、出力不足と電力運用の制約に直面している。特に長いストレートでその傾向が顕著で、日本GPでもそれが明確に現れた。結果として防御が難しくなり、レース序盤に築いたトラックポジションへの依存度が高くなる。
■サーキット依存の強い特性
この技術的対立は、「二つの顔を持つF1」を生み出す。低速で市街地型のコースでは、加速レスポンスやトラクションが重視され、スタートとトラックポジションの重要性も高まるため、フェラーリは大きな強みを発揮する。一方でモンツァやスパのような高速サーキットでは、長時間フルスロットルで高出力を維持できるPUが有利となり、フェラーリの弱点が露呈する。
そしてその中間に位置する鈴鹿のようなコースでは、両者のバランスが試され、どちらが決定的に優位とは言えない。

■優位性は一時的か
フェラーリはMGU-H廃止の影響をいち早く読み取り、ライバルたちに先んじてアドバンテージを築いた。しかしこの優位性は永続的ではない。各メーカーが開発を進めれば、差は縮まっていくと見られる。
改善の余地は、ターボ制御、燃焼効率、そして新たな救済メカニズムであるADUO(追加開発機会)などに存在する。この制度では、基準エンジンに対して2〜4%の性能差があるPUには改善が認められ、4%以上の差があればさらに大きな緩和措置が与えられる。
評価は当初、2026年シーズンの第6戦・第12戦・第18戦で行われる予定だったが、4月の中東戦中止の影響で、最初の評価ポイントはマイアミになるのか6月のモナコになるのか、まだ明らかではない。
チーム代表フレデリック・バスールも、この制度が性能改善に不可欠であることを認めている。「この分野で明確な進歩を見るには、こうした仕組みを待つ必要があるだろう」
小径ターボという選択により、フェラーリはスタート性能、トラクション、レスポンスを最大化した。その一方で、出力不足、エネルギー運用の制約、そしてサーキット依存というリスクも同時に背負っているのだ。
(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)
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| 3/29(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
| 1位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 72 |
| 2位 | ジョージ・ラッセル | 63 |
| 3位 | シャルル・ルクレール | 49 |
| 4位 | ルイス・ハミルトン | 41 |
| 5位 | ランド・ノリス | 25 |
| 6位 | オスカー・ピアストリ | 21 |
| 7位 | オリバー・ベアマン | 17 |
| 8位 | ピエール・ガスリー | 15 |
| 9位 | マックス・フェルスタッペン | 12 |
| 10位 | リアム・ローソン | 10 |
| 1位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 135 |
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 90 |
| 3位 | マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム | 46 |
| 4位 | TGRハースF1チーム | 18 |
| 5位 | BWTアルピーヌF1チーム | 16 |
| 6位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 16 |
| 7位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 14 |
| 8位 | アウディ・レボリュートF1チーム | 2 |
| 9位 | アトラシアン・ウイリアムズF1チーム | 2 |
| 10位 | キャデラックF1チーム | 0 |


