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【F1ドライバーの履歴書】フェルスタッペン修行時代。四輪初体験から1年でF1レギュラーに

2026年4月13日

 世界最高峰の4輪レースであるF1でレギュラードライバーの座を掴んだ人物は、下位カテゴリーからライバルを圧倒してきた名手ばかり。そこで、F1に到達するまでに彼らがどれほど活躍し、いかにして周囲のライバルとの違いを見せつけてきたのかを改めて確認するべく、2026年F1に参戦する22名がF1ドライバーになる前、ステップアップカテゴリーで残してきた結果やエピソードを『F1ドライバーの履歴書』と題した不定期連載でお届けする。


 第7回目に登場するのは、2011年にF1デビューを飾った現在28歳のマックス・フェルスタッペンだ。彼がレーシングカートのキャリアを終え、F1以外の四輪レースに出場した期間は、現時点で2014年の1シーズンのみ。ただ、2013年下旬より公にされているだけで合計9回/17日間にわたってフォーミュラ・ルノー2.0マシン、そして計2日間はF3マシンで走りこんでいた。

 彼の四輪初ドライブは2013年8月、イギリス・ウェールズにある全長2.343kmのペンブリー・サーキットで、マシンはマノーMPモータースポーツのフォーミュラ・ルノー2.0だった。2日間のテストは雨模様となったものの、フェルスタッペンは「雨の中でもすべてうまくいった。これからもっとレーシングカーでテストをするのが楽しみだ」と、自身の公式サイトでコメントを残している。


 余談だが、元F1ドライバーの父ヨス、父の代から代理人(マネージャー)を務めるレイモンド・フェルミューレンは、レーシングカート界のスター選手となっていたフェルスタッペンのプロモーション施策の一環で、フェルスタッペン・インフォ(のちのフェルスタッペン・ドットコム)を通じ、フェルスタッペンの動向やテストレポートを頻繁に配信していた。ただ、8月のシェイクダウンの情報は、10月になるまで公にはされなかった。


 レーシングカートの大会も、残すはCIK-FIA世界選手権KF部門(全2大会)の最終戦バーレーンのみとなった2013年10月。9月30日の誕生日を過ぎ、16歳を迎えた直後からフェルスタッペンの『四輪集中テスト期間』がスタートした。合計160周(約732km)を走り込んだドイツ・ホッケンハイムリンクでのテストを皮切りに、アルカラス、カタロニア、ハンガロリンク、スパフランコルシャン、アラゴン、ヘレスにて、複数のチームから出走した。

 テスト内容は、慣熟走行に始まり、新品タイヤでのアタックシミュレーション。そして、タイヤ摩耗で徐々にオーバーステアとなるマシンに慣れることを目的としたロングラン。スタンディングスタートからラップタイムの均一性を保ち続けるレースシミュレーションと順序立てて行われた。


 10月21日にはルノー・スポールが主催するフォーミュラ・ルノー2.0の合同テスト(1日)に招かれ、現役ドライバーを含む34名が参加するなか、フェルスタッペンは午前は3番手タイムを記録。ただ、その後スロットルトラブルに見舞われ、午後セッションは1時間30分近く修理に費やし12番手。総合8番手/新人2番手で初の合同テストを終えた。


 その10日後から行われたハンガロリンクでのテストでは、フォーミュラ・ルノー2.0参戦2年目のアレクサンダー・アルボン(KTR)のベストタイムより0.04秒速く、公式コースレコード(1分41秒78/当時)を上回る1分41秒58を記録(手動計測)した。実戦経験がなくとも、現役フォーミュラ・ルノー2.0参戦ドライバーの力量を上回る走りを見せており、この時期すでに複数のF1チームから声がかかっていたことを明かしている。

 あくまで「2014年の目標はフォーミュラ・ルノー2.0参戦」とオフィシャルサイト内で複数回記述しながらも、12月18〜19日にはバレンシアのリカルド・トルモ・サーキットでF3マシンをテスト。16歳の四輪レース未経験者は、ドイツF3チャンピオンチームであるモトパークのマシンに乗り込んだ初日、同サーキットのF3公式コースレコード(当時)を上回る1分24秒832を記録した。この走りにはスパルタンな教育姿勢で知られる父ヨスも「素晴らしい」と賞賛するほどだった。


 フェルスタッペンがステアリングを握ったF3マシンはヨコハマタイヤを履くダラーラF308シャシーだった。パドルシフトのフォーミュラ・ルノー2.0とは異なり、ダラーラF308はシーケンシャル仕様で、シフトチェンジには右手でレバーを操作する。その間、ステアリングを片手で操作することになるが、フェルスタッペンは間も無く順応したのだった。


 バレンシアでのF3テストでコースレコードを超える走りを見せたフェルスタッペンの話題は世界を駆け巡り、早々に次のF1昇格候補に名をあげるニュース記事も出るほどだった。ただ、同テストは、ドイツF3、FIA F3ヨーロピアン、ヨーロッパF3オープン(翌年よりユーロフォーミュラ・オープン)といった複数のF3シリーズ参戦車が参加しており、タイヤサプライヤーはヨコハマ、ハンコック、ダンロップと、シリーズごとに使用したタイヤが異なる点は留意しておく必要がある。とはいえ、彼がF1チームからさらなる関心を集めるには十分だった。

2014年フロリダ・ウインターシリーズに参加したマックス・フェルスタッペン

■失敗と学び。非選手権フロリダ・ウインターシリーズでの4週間



(Text:autosport web)


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