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「この規則下ではこういった事故はたくさん起こる」ベアマンのクラッシュをめぐり、“接近速度”の危険性をドライバーらが指摘

2026年3月31日

 2026年F1第3戦日本GPの決勝レース中にオリバー・ベアマン(TGRハースF1チーム)が起こした高速クラッシュは、F1界に警鐘を鳴らした。経験豊富なドライバーのなかには、新しい技術規則と、自分たちの意見が軽視されていることに責任があると強く指摘する者もいる。


 日本GPの決勝レースにおいて、ベアマンは、ヘアピン(ターン11)からスプーン(ターン13)へと続く長い右コーナーで、フランコ・コラピント(BWTアルピーヌF1チーム)よりも約時速20km速いスピードで走行していた。そこでコラピントを追い抜く絶好のチャンスだと考えたベアマンは、ブーストボタンを押してさらに時速30km加速した。

 しかしその直後、ベアマンはコラピントとの予想外のクロージングスピード(接近速度)に翻弄されてしまった。コラピントが前の周よりもややワイドになったため、ベアマンはそれを避けようとして芝生に乗り上げ、その後50Gの衝撃を受けるクラッシュを喫した。

 2025年のチャンピオンであるランド・ノリス(マクラーレン・マスターカード・フォーミュラ1チーム)は、クラッシュの状況説明を受けると、「インシデント(の映像)は見ていない」と前置きしたうえで次のように述べた。


「クロージングスピードとドライバーたちが全力で攻めてくる状況というのは、まさに警告されていた通りの出来事だった」


 ノリスは自身のレースについて、順位を挽回する必要があったことを振り返り、「かなり多くの」恐ろしい出来事があったことを明かし、「終盤のルイス(・ハミルトン/スクーデリア・フェラーリHP)との時もそうだった」と語った。


「言いたいことはすべて言った。これ以上言う必要はない。僕のコメントは今年ずっと同じだし、他のドライバーたちとも同じだ。これ以上続ける必要はない」

ランド・ノリス(マクラーレン)
2026年F1第3戦日本GP ランド・ノリス(マクラーレン)

 コラピントのチームメイトであるピエール・ガスリーは、まず最初にベアマンの状況を心配し、「彼を見た時、本当にひどい状態だった。大丈夫だと聞いたが、何が起こったのか正確に確認するつもりだ」と語った。


「(ドライバーたちは)過去にはなかったまったく新しい状況に直面している。なぜならエネルギーの回収とディプロイメントの面で、すべてのパワーユニット(PU)ごとに、大きく異なる戦略がとられているからだ」


「この状況全体を見直す必要があるという点では、僕たちみんなが同意していると思う」


「この4、5週間の休みの間に、F1をよりよい状態にするために誰もが最善を尽くすだろう」


 新規則を強く批判しているマックス・フェルスタッペン(オラクル・レッドブル・レーシング)は、「こういうルールだとこうなるんだ。片方のドライバーは完全にパワーを失って身動きが取れなくなって、もう片方のドライバーはマッシュルームボルトを使うんだよ!」と、レースゲーム『マリオカート』に登場する加速アイテムを例に出してコメントした。


 今回の件を安全上の問題として扱うべきかどうかと問われると、フェルスタッペンは、「もし安全性がすべてなら、修正は簡単だ。安全性という言葉は色々なことに使えるからね。何らかの変更を行うために、安全性という言葉をその言葉のために使うべきだ」と述べた。

2026年F1第3戦日本GP 決勝でクラッシュしたオリバー・ベアマン(ハース)のマシン
2026年F1第3戦日本GP 決勝でクラッシュしたオリバー・ベアマン(ハース)のマシン

 GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事を務めているカルロス・サインツ(アトラシアン・ウイリアムズF1チーム)は、ドライバーたちの心境を詳しく説明し、「最初の大きなクラッシュは時間の問題だった」と述べた。サインツはクラッシュを見ておらず「フランコが何か愚かなことをしたのかどうかはわからないので、判断はできない」としつつも、「それとは関係なく、このレギュレーションでは、このような事故はたくさん起こるだろう」と主張した。


「問題なのは、チーム側の意見だけを聞いて、テレビを見て楽しんでいるからレースは問題ないと彼らが考えているかもしれないことだ。でもドライバーの立場からすると、実際にレースをしている時に時速50キロもの速度差があったら、それはもはやレースとは言えない」


「これほどのクロージングスピードが発生するカテゴリーは世界中どこにもないと思う。なぜなら、大きな事故が起こり得るからだ。(片方が)不意を突いて、(もう片方の)ディフェンスが遅れると、後ろのドライバーが不意を突かれることになる。彼らがチームの意見だけでなく、僕たちの意見にも耳を傾け、フィードバックに真剣に向き合うことを切に願っている」


「マイアミに向けて、状況を改善する計画、そしてこれらの規則の中期的な将来のためにも、改善し続けるための計画を見つけ出してくれるといいね。たとえマイアミですべてを改善することができなかったとしても、マイアミでまずは一歩前進し、来シーズン、あるいはシーズン後半に向けて大きな一歩を踏み出したい」



(Text : GrandPrix.com)


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