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ホンダ/HRC折原GM、鈴鹿での完走は「意味のあるステップ」。励みになったファンの声援

2026年3月30日

 2026年シーズン前から苦戦が続いているアストンマーティン・ホンダは、F1開幕戦のオーストラリアGP、第2戦中国GPでは2台ともリタイアを余儀なくされてきた。ホンダにとって母国グランプリとなった鈴鹿サーキットでの第3戦日本GP決勝にて、フェルナンド・アロンソが18位でチェッカーを受け、ようやく初の完走を果たした。


 観客席からはそれを喜ぶ声援がチェッカー後に届けられたが、アストンマーティンのチーフトラックサイドオフィサーを務めるマイク・クラックは「チームの誰もがこの結果を祝福するムードではない。それは明白だ」と冷静な様子。レース中のペースもトップ集団から4秒遅れの状態で、ランス・ストロールに関しては(ICE/内燃機関の)水圧の数値に異常が確認され、30周を終えたところでリタイアを決断した。

「まだまだ」と語るクラックだが、バーレーンテストでほとんど走れなかったという状況を考えると、ひとつのステップを踏めた実感はあるようで「現状を認識し、それを受け入れて、そこから抜け出す努力をしなければならない。トラックサイド、HRC Sakura、そしてチームのみんなが最初のステップを踏み出すために粘り強く努力してくれたことに感謝している」と、ここまで努力したスタッフの労をねぎらっていた。

2026年F1第3戦日本GP決勝後 囲み取材に応じるアストンマーティンのチーフトラックサイドオフィサーを務めるマイク・クラック

 その想いは、ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアも同様。「マイクも言ったとおり、決して誇れるような結果ではないですけど、アストンマーティンとホンダのファクトリーでやってきた信頼性を上げることに関してのハードワークは、バーレーンテストの状況を考えると、我々にとっては意味のあるステップだったと思います」と語った。


 第2戦中国GPでは振動の影響がバッテリーに及ぶという点は解消方向に向かったものの、今度はドライバーに対する振動が問題になり、結局2台ともリタイアに。そこからデータ解析と、更なる対策案が検討されたが、オーストラリアGPと中国GPにはなかった“中1週間”のインターバルが日本GPに向けて効いたという。


「中国GPから日本GPにかけて1週間空いていたので、その間にデータ設定に関しても、我々のダイナモとアストンマーティンのファクトリーを使って、両方のエンジニアたちで詰めてきました。アストンマーティンがかなり協力して対策もやってくれたので、これが結果に結びついてフルディスタンスを走れたというところは意味のあることだったと思います」


 とはいえ、振動が改善されたわけではなく、さらに日本GP決勝でストロールの車両に起きた水圧の数値に異常も初めてのケースだという。


「中国GPまでやってきたことに対して、金曜日(フリー走行)に新しい対策をトライしています。ただ、決勝レースに対してはまだ入れられていないので、ドライバーの振動に中国GPから状況は変わっていないので、ドライバーの頑張りで完走できたと思います」


「(ストロール車のトラブルは)やはり新しいレギュレーションでエンジンを作っていますので、エンジン、バッテリーもそうですけど、総合的な信頼性というところを確立していっている段階です。そういう細かいトラブルというところはまだまだ潰していく過程にあると思っています」

2026年F1第3戦日本GP決勝決勝後 囲み取材に応じるアストンマーティンのチーフトラックサイドオフィサーを務めるマイク・クラックとホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニア

■長かった53周。励みになったホンダファンの声援

 アストンマーティンとホンダにとって、開幕2戦の状況を考えると日本GPでは最低でも完走が欲しかった。その想いを胸に業務についていた折原GMにとって、今回の53周(アロンソの走破数は52周/トップから1周遅れ)は「長かった」という。


「ここまでチェッカーを受けていない時が続いていましたし、今まではレースの半分くらいで終わってしまった状態が続いていたなかで、そこを超えて走っていく……。1台は(30周で)リタイアとなりました。細かい小さいステップですけれども、鈴鹿にきてくれたファンの皆さんの前で完走したいという想いは、我々もチームのみんなも思っていたので、それを達成するための53周は長く感じました」

フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
2026年F1第3戦日本GP フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)

 また、日本GPだからこその声援も力になったという。


「今日もパドックを歩いていると『がんばって!』と声をかけていただきました。当然、今のポジションは我々が求めているところではないですし、ファンの皆さんにみせたいポテンシャルではありません。ファンの方もそこを理解して『ホンダなら、また盛り返してくれる』と信じてくれているのが分かったので、そこは励みになりました。我々としても来年鈴鹿に帰ってくるときは、もっと良いパフォーマンスをみせられるようにやっていかないといけない。改めて思いました」


 そう語る折原GM。少し安堵の表情が垣間見えた。しかし、彼も話したとおり、アストンマーティン・ホンダは“完走”で満足していてはいけない。


 中東情勢の影響で4月のバーレーンGPとサウジアラビアGPがなくなり、4週間のインターバルができた。折原GMをはじめ、HRCのエンジニアたちはアストンマーティンとともに、5月のマイアミGPに向けて、休む間もなく対策の強化を進めていく。

2026年F1第3戦日本GP決勝後 日本のメディアの囲み取材に応じたホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニア


(Text:Tomohiro Yoshita)


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