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ホンダ/HRC渡辺社長、PU振動の根本原因は不明も「振動を受け止める改善を実施」/F1日本GP
2026年3月26日
2026年F1第3戦日本GPの開催を直前に控えた3月26日(木)、ホンダ・レーシング(HRC)主催の囲み取材に渡辺康治社長が登場。決勝を完走することが叶わない状況で終えた開幕2戦の状況や振動対策、そしてアストンマーティンとの関係について話した。
取材開始に先立ち、渡辺社長は「鈴鹿はホンダの創業者である本田宗一郎が作ったサーキットで、ホンダの挑戦の原点ですので、鈴鹿での日本GPは身が引き締まる思いです」と、挨拶。
「たくさん日本のホンダ/HRCファンの方もお越しになるレースですから、なんとか成果を上げたいと思っているものの、今シーズンは新しいパートナーシップがスタートするなかで、非常に苦戦しています」
「(PU)は徐々に、少しずつ改善しているもののまだ課題が多く、どこまでの成績を上げられるかは不透明です。ただ、まず我々の姿勢としては、応援してくださるみなさまの前で、諦めずにしっかりと挑戦を続けていく。その姿勢を通じて、ファンの方々へ思いを伝える機会にしたいと思っています」

鈴鹿に集った日本の一般メディア、モータースポーツ専門メディアが一堂に会するなか、「日本GPを迎えた今、ホンダのパワーユニット(PU)の課題はどこにあるのか」という質問が飛んだ。
「バーレーンで行われたプレ・シーズンテストの際には相当な振動がありました。リアルビークルダイノ(ダイナモメータ)でそれほど大きく発動していなかった振動が、実際の車体と組んでトラックを走らすと非常に大きな振動が出ました」
「開幕へ向けてはテスト(実走テストによる対策)ができなかったので、ダイノ上でいろいろな対策を試し、そのひとつを開幕戦に持っていき、多少の効果が出ました。第2戦中国GPでは、もう少しその効果が出ており、振動によるバッテリーへの攻撃性みたいなものはだいぶ落ち着いてきています」
「まだ理想とは言えません。ただ、1戦でバッテリーがダメになるというレベルではありません。もともとバッテリー3つで1シーズンを戦わなければいけないという規則ですが、ひとまず複数戦は保つようになってきていると思っています」
ただ、課題はそれだけではない、中国GPではフェルナンド・アロンソが「振動による不快感」でレースをリタイアしている。ドライバーが不快感を抱く振動については、「(これまでは)特にバッテリーの攻撃性をいかに落とすのかっていう、その振動対策がメインでした」と渡辺社長。
「ドライバーが感じる振動については、(日本GPでも)新しい対策を入れますが、(全面解決には)もう少し時間がかかります。 根本的な原因がまだつかみきれていない状況ですので、トライしながらステップ・バイ・ステップで改善を進めていくしかないと考えています」

また、「アストンマーティンとの関係が悪くなっているんじゃないの?と邪推する人もいると思いますが……」という質問も飛んだ。
「ぜんぜん、関係は悪くなっておりません。信頼関係は一長一短にできるものではなく、長くいろいろな苦労をともにして、出来上がっていくものだと思います。そういう意味では、今は信頼関係を作るステージだと思います」と、渡辺社長。
「実務面では、エンリコ・カルディレさん(アストンマーティンF1最高技術責任者/CTO)とHRCの角田哲史LPL(ラージプロジェクトリーダー)が同じ問題意識を持って、一緒に取り組んでいます。振動はPUだけで解決する話ではありません。少なくとも、エンリコさん、角田LPLという実務のトップたちはすごく綿密にコミュニケーションを取っていますし、このパートナーシップはうまく機能していると思います」
なお、『振動の原因』については「最初の振動はICE(内燃機関)なのは間違いない」としつつ、渡辺社長は説明を続けた。
「いくつかの想定はありますが、ルートコースについてはもう少しですね。そのため、今は振動を受け止める改善をしています。ただ、我々には2025年までのPUがあり、そのPUの振動のレベルを我々も十分にわかっています。2026年のPUと2025年のPUの振動の大きな差が何なのか。とにかく今はPU側で振動を下げる、まずはそこをしっかりやる。考えられる要因はあるので、早く対策を打ちたいです」
「最初の振動はICEなのは間違いないです。PUと車体との統合状態における対策も必要ですが、まずは我々の自責として、ICEの振動をもっと下げるという努力をすることは当然です。そのあたりは角田LPLがいろいろと取り組んでくれているので、早く(実戦に)投入したいと考えております」

アストンマーティン・ホンダの抱える振動問題はホンダPUのICEが起因するものではあるが、ドライバーがレースを続けられなくなるほどの振動が続く状況は、車体側にも何らかの要因がありそうだと考えるのが定石だ。ただ今回の取材中、渡辺社長はアストンマーティンについて、ネガティブな発言をすることは一度もなかった。
トップ自ら他責することのない姿勢を見せた。その姿勢はホンダ/HRCが持ち続けるポジティブ要素と言えるだろう。思い返せば2015年、マクラーレンへのPU供給というかたちでF1に復帰した際も、ホンダは苦しい時間が続いた。しかし、その後ホンダがレッドブルとともにPUを育て、ワールドタイトルを掴んだことも事実だ。
26日から走行が始まるF1日本GPは、アストンマーティン・ホンダにとって引き続き厳しい週末となるかもしれない。ただ、この厳しい週末を経るたびに、確実に前進する。いつの日か、再び表彰台の頂点に立つために、アストンマーティンとホンダは戦いを続ける。

(Text:Takahiro Kawano / autosport web)
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