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アルピーヌ株式をめぐるホーナーらの動向が、PU契約に飛び火の可能性。ブリアトーレは静観【代表のコメント裏事情】

2026年3月19日

 2026年F1第2戦中国GP直前に、イギリスのメディアが、アルピーヌの株式取得を巡ってメルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チームとオラクル・レッドブル・レーシングの元チーム代表のクリスチャン・ホーナーが場外戦を始めたと報じた。アルピーヌの株式に関しては今年の1月にホーナーが投資家グループと共に取得することに関心を示していた。今回の報道が事実だとすれば、ホーナーの目に、長年対立関係にあったメルセデスのトト・ウォルフ代表が立ちはだかったということになる。

2025年F1第8戦モナコGP クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)
レッドブルのチーム代表を務めたクリスチャン・ホーナー。2025年のイギリスGP終了後にチームを離れた

 中国GPの金曜日に国際自動車連盟(FIA)が開いた会見で、その件を尋ねられたBWTアルピーヌF1チームのフラビオ・ブリアトーレ(エグゼクティブ・アドバイザー)は、メルセデスからアプローチを受けていることは認めたうえで、次のように語った。

「状況は日々変わっている。最新の状況はわからないが、ひとつはっきりしているのは、交渉相手はトトではなくメルセデスだということだ。また、現時点で3、4社の潜在的な買い手がいるということ。今後の展開を見守っている」


 そして、こう続けた。


「忘れてはならないのは、これはアルピーヌとは無関係なオトロの株式の話だということだ。オトロというアメリカのヘッジファンドが保有する株式だ。彼らが持っている24%の株式を売却したいと考えており、数社の候補が取引の準備を整えている」


 アルピーヌの株式は、2023年の10月にオトロ・キャピタルが2億ユーロ(約366億円)で購入し、戦略的パートナーシップを締結していた。今回の報道は、オトロが所有していた株をめぐる売買であるため、ブリアトーレは「現時点でトトとは一切連絡を取っていないし、アルピーヌとは無関係」だと語ったわけだ。

トト・ウォルフ代表(メルセデス)
2026年F1第1戦オーストラリアGP FIA会見 トト・ウォルフ代表(メルセデス)
フラビオ・ブリアトーレ(BWTアルピーヌF1チーム エグゼクティブ・アドバイザー)
2026年F1第2戦中国GP FIA会見 フラビオ・ブリアトーレ(BWTアルピーヌF1チーム エグゼクティブ・アドバイザー)

 つまり、ブリアトーレはホーナー対メルセデスの戦いの傍観者にすぎない。しかし、アルピーヌの株式を巡る報道によって、もうひとつ別の戦いがいまクローズアップされている。それはメルセデスのセカンドチームの座を巡る戦いだ。


 現在、メルセデス製パワーユニット(PU)ユーザーはワークスのメルセデスのほかマクラーレン、ウイリアムズ、そして今年から加わったアルピーヌの4チームがある。いずれのカスタマーチームも2030年までメルセデスと契約を交わしているものの、メルセデスはかねてから供給チームは2〜3チームが適正と語っており、将来的に供給チームがひとつ減る可能性がある。


 もしメルセデスがホーナーに勝って、オトロからアルピーヌの24%の株式を購入し、その後アルピーヌを姉妹チーム化すれば、残るカスタマー枠はひとつとなる。つまり、ウイリアムズかマクラーレンのどちらかが将来的にメルセデスのパワーユニットを失う可能性がある。


 今回のアルピーヌ株式売却報道は、ホーナー対メルセデスという戦いだけでなく、ウイリアムズ対マクラーレンという別の戦いに飛び火する可能性をはらんでおり、パドックでもその動向が注目されている。

オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
2026年F1第2戦中国GP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
カルロス・サインツ(ウイリアムズ)
2026年F1第2戦中国GP カルロス・サインツ(ウイリアムズ)


(Text : Masahiro Owari)


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