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HRC Sakuraと協議し修正した振動対策が奏功。残るバッテリーは「使用を制限する可能性も」/ホンダ渡辺社長インタビュー

2026年3月6日

 2026年シーズンのF1が開幕した。今年からアストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームにパワーユニット(PU)を供給するホンダは、開幕前のプレシーズンテスト時から抱えていたPUの振動問題を解決できないまま開幕を迎え、第1戦オーストラリアGPの初日はわずか31周の走行にとどまった。ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長はセッション終了後に取材に応じ、初日を振り返るなかで今週末導入した対策によって振動が低減したことを明かし、引き続きアストンマーティンと協力して問題解決に取り組んでいくと語った。

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──金曜日のフリー走行1回目で起きたトラブルについて教えてください。


渡辺康治HRC社長(以下、渡辺社長):「パワーユニット(PU)関連のトラブルの懸念があって、基本的には2台とも……。1台は出走せず、 1台は止めました」


──フェルナンド・アロンソのほうのトラブルは、いつわかったのですか?


渡辺社長:「今日です。セッションが開始するギリギリまで対処を試みたのですが、間に合いませんでした。基本的には振動対策をどうしていくのかというのが一番の課題で、さくら(HRC Sakura)のベンチでその対策案を作り、それをここに持ち込んで、トライをしようとしていたんです。その対策案はいくつかあって、どの案を適用するかというところで、少し試行錯誤がありました。それで2台で状況が変わりました」

ホンダHRC渡辺康治社長インタビュー
2026年F1第1戦オーストラリアGP フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)のマシンは対処が間に合わず、アロンソはFP1に参加できなかった

──2台で状況が変わって、フリー走行1回目ではアロンソだけが走行できなかったということですね。


渡辺社長:「はい」


──一方、ランス・ストロールの方も3周で終わったわけですが、何があったのでしょうか。

ホンダHRC渡辺康治社長インタビュー
2026年F1第1戦オーストラリアGP ランス・ストロール(アストンマーティン)はFP1に参加したものの、トラブルの懸念があり3周で走行を終えた

渡辺社長:「トラブルの懸念があったので止めたということです」


──フリー走行2回目に向けて、どんな対応を行ったのでしょうか?


渡辺社長:「さくらとやり取りをして、対策案を少し修正しました。バッテリーとMGU-Kにセンサーを取り付けているので、リアルタイムで振動の数値を見ながら走らせました。振動自体はバーレーンでのテストに比べると、十分とまではいきませんでしたが、かなり低減されています」

ホンダHRC渡辺康治社長インタビュー
2026年F1第1戦オーストラリアGP ホンダ・レーシング(HRC)の折原 伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニア
ホンダHRC渡辺康治社長インタビュー
2026年F1第1戦オーストラリアGP フリー走行2回目 コースに出て行くフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)

──それはエンジン側で何かを修正したのですか?


渡辺社長:「クルマとしてです」


──フリー走行1回目の後に行われた国際自動車連盟(FIA)の会見で、エイドリアン・ニューウェイ代表が「今日バッテリーをふたつ失った」と言っていました。残りは何個あるのですか。


渡辺社長:「4つ持ってきているうちのふたつが使用不能となったので、残りはふたつです」


──緊急で取り寄せることはできないのですか?


渡辺社長:「バッテリーは緊急輸送はできないので、あるもので戦います」


──もし、残っているふたつも使用不能になった場合は、それ以降、走ることができない?


渡辺社長:「はい」


──そうならないために、残りの週末は控えめのモードで走っていくしかないですか?


渡辺社長:「我々としてはデータをしっかりと見ながら、必要に応じて使用に制限をかけるかもしれません」


──今朝、チームオーナーのローレンス・ストロールさんと話し合いを行ったと思うのですが、どんなことを言われたのですか。


渡辺社長:「どのように競争力を確保していくのかという中長期的な話をしました。ただ、いまの我々にとって大切なことは目の前の課題を克服すること。振動問題を解決しないと、次のステップとなる性能の確認に移れないからです」


──アストンマーティンのスタッフがさくらに来て、一緒に対策に取り掛かっているわけですが、その共同作業はもうしばらく続きそうですか。


渡辺社長:「そうですね。アストンマーティンとしっかりとコミュニーションを取りながら、振動対策をやっていきます」


──オーストリアのAVL社のダイナモを使用するという選択肢はないですか。


渡辺社長:「ないです」


──初日を終えた現在の状況はいかがですか?


渡辺社長:「まだまだ厳しいです。ただ、FP2ではバッテリーへの振動の数値が下がったことが確認できたので、それに関しては効果があったと思います」

ホンダHRC渡辺康治社長インタビュー
2026年F1第1戦オーストラリアGP フリー走行2回目 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)

──今回の新しいレギュレーションでは救済措置として、ADUO (Additional Development and Upgrade Opportunities/追加開発アップグレード機会)が6戦ごとにあります。ここまでの状況を考えると、6戦待ってからではなく、今からアップグレードに向けた準備をして、中盤戦から競争力のあるレースをしようというプランは考えていますか?


渡辺社長:「まずは振動の原因を特定しないと、いくらアップグレードしても意味はありません。もちろん、振動源はエンジンです。ただ、それがどうしてこのような振動になってしまうのか。諦めている場合ではありません。とにかくできる限り早く振動対策をクリアして、パフォーマンスの確認に入りたいです」


──振動というと、2017年のMGU-Hのシャフトが連想されます。あのときは航空機部門の知見を借りましたが、今回はどうですか?


渡辺社長:「今はコストキャップがあるので、以前と同じようにはできませんが、基本的にはすでにホンダ・グループのノウハウを使って解決しようとしています」



(Text : Masahiro Owari)


レース

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