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F1テストで苦戦のホンダが緊急取材会「極めて厳しく、複合的な課題が明らかになった」と渡辺社長。開幕に向けてアストンマーティンと全力で改善

2026年2月27日

 2月27日、ホンダ・レーシング(HRC)は東京都内でF1活動についてのプレスブリーフィングを開催した。会場では渡辺康治社長と武石伊久雄専務が出席し、アストンマーティン・アラムコF1チームに供給している2026年規定パワーユニットの現状を説明した。


 ホンダは、内燃機関と電気モーターの出力比率やカーボンニュートラル・フューエルの導入など、技術規則が大幅に変更される今季2026年からアストンマーティンF1に新型パワーユニット『RA626H』を供給。“空力の鬼才”エイドリアン・ニューウェイが手掛けた『AMR26』と相まり初登場から注目されたが、そのデビューはトラブルストップという不穏な出だしとなった。

 続くバーレーンでの2回のプレシーズンテストでも、満足な周回数とタイムを残せていないアストンマーティン・ホンダ。開幕前最後のバーレーンテスト最終日はパワーユニット関連パーツの不足により、わずか6周のタイム計測なしという状態で走行を終えた。今回のプレスブリーフィングは、その状況を受けたHRCが、国内モータースポーツメディアに最新情報を伝えるために開催した、いわば緊急のものだ。


 会見では、まず渡辺社長が「我々にとって極めて厳しいもので、想定していたパフォーマンスを十分に発揮できず、複合的な課題が明らかになった」とバーレーン・インターナショナル・サーキットでのプレシーズンテストを総括した。


 続いて武石専務も「プレシーズンテストの結果は、非常に重く厳しい状況であると受け止めています。HRC Sakuraのエンジニアおよび現場スタッフは改善に向けて、かなりの努力をして、大急ぎで開幕戦に向けて改善を進めている状況です」と延べた。


 すでに報道されているとおり、アストンマーティン・ホンダの最大の懸念事項として挙げられたのは、マシンが走行中に発生する振動によるパワーユニットへのダメージだ。両氏からは「振動によってバッテリーに問題が発生しているということで、あくまでバッテリーそのものにダメージが出ているわけではない」という強調があったものの、テストでの走行ストップなどの大きな要因となっていることには違いない。


 この振動によるダメージは、昨年までのレッドブル/レーシングブルズ時代には発生していなかった。これについて武石専務は「レギュレーション変更やパワーユニット(PU)の変化、路面からの入力など、車体としての複合的な要因」が絡み合っていると分析しているが、現時点でのピンポイントな原因特定には至っていないという。


 一部報道で噂されていた最高回転数の制限については、あくまでランプラン(走行計画)の一環であり、エンジン自体の不具合によって回転数を絞ったものではないとした。また、MGU-Kの回生が通常の350kWではなく、ホンダパワーユニットは250kWまでの回生に留まっているという報道についても「仮にそういった状況が存在したとして、走行計画のなかで、その瞬間が切り抜かれたもの」と公式には否定した。

渡辺康治社長(ホンダ・レーシング)
ホンダ・レーシングの渡辺康治社長はバーレーンでのプレシーズンテストも現地で見守った

■アストンマーティンと「ワンチーム」で改善

 この難局を打破するため、HRCはパートナーであるアストンマーティンとの連携を強化。現在、ホンダF1の拠点となる栃木県の『HRC Sakura』にはアストンマーティンのエンジニア5名が訪れているということで、HRCのスタッフとともにSakuraのベンチ設備で実走中の振動を再現しながらの解析と対策が進められている。


 これについて武石専務は「開幕戦、そして鈴鹿サーキットでの日本GPまでには、少なくとも戦えるように振動を抑え込んでいきたい」と対策を急いでいると述べた。また、アストンマーティンとの関係性について懸念されるような悪化はなく、渡辺社長はローレンス・ストロールやニューウェイとも密に連絡を取り合い「長期的なパートナーシップの下、ワンチームで解決しよう」という前向きな議論ができていると強調した。

■コストキャップと「空白期間」の影響

 今回の苦戦の背景には、技術的な問題だけでなく、過去の参戦休止に伴う影響も指摘された。ホンダは2021年でF1から一度正式参戦を終了した際に多くのエンジニアが量産部門などに異動しており「エンジニアが不在だった空白の期間」があったことは事実として認められた。


 2023年に再参戦を決めてからエンジニアを呼び戻したものの、その間にF1ではパワーユニットマニファクチャラーへのコストキャップ(予算制限)も始まった。両氏は制限がない時期に開発を進めてきたライバルメーカーに対し、限られた予算と開発時間の中で組織を再構築しているタイムラグが現状の出遅れに繋がっているのではないかとの認識を示した。なお、3月1日のホモロゲーション期限については、現在の課題解決を優先し、信頼性と耐久性の向上を主軸に置いた仕様で登録することになるとのことだ。


 最後に渡辺社長は「新しい挑戦ということで、アストンマーティンと組んで正式にワークス活動ができることは本当に心から嬉しく思っています。プレシーズンテストでは非常に厳しい状況になっていますが、我々は絶対にそこで諦めず、開幕戦に向けて努力をしていきたいと思います」と抱負を述べた。


「プロジェクトそのものが新しいもので、当然、新しいチームと新しい燃料、新しいオイルなど、いろいろな要素が新しいチャレンジになるので、正直に言って非常に難易度の高い部分はあります。しかし、だからこそ我々は挑戦します。私は“難しいからこそやる”というのがホンダだと思っています。決して諦めず、多少時間がかかることがあっても、常に上を向いて進めていきます。ですので、ファンの方々はぜひ応援していただきたいと思います」


 武石専務も「時間がどれくらいかかるかは分からない部分もありますが、必ず勝ちにいきます。とにかく早く勝てるようにしていきますので、見守っていただければ」と、ホンダの新ワークス参戦について意気込んだ。


 2026年シーズンのF1は、来週末の3月6〜8日に第1戦オーストラリアGPが開催される。ニューウェイ開発のAMR26を、2冠王者のフェルナンド・アロンソがドライブするということで、国内外から多くの注目を浴びているアストンマーティン・ホンダ。残された時間は少ないが、どのようなデビューレースになるだろうか。

フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
2026年F1第2回バーレーンプレシーズンテスト フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
渡辺康治社長(ホンダ・レーシング)
プレスブリーフィングでアストンマーティン・ホンダF1の現状を説明するホンダ・レーシングの渡辺康治社長
武石伊久雄専務(ホンダ・レーシング)
プレスブリーフィングでアストンマーティン・ホンダF1の現状を説明するホンダ・レーシングの武石伊久雄専務


(autosport web)


レース

3/6(金) フリー走行1回目 10:30〜11:30
フリー走行2回目 14:00〜15:00
3/7(土) フリー走行3回目 10:30〜11:30
予選 14:00〜
3/8(日) 決勝 13:00〜


ドライバーズランキング

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1位ランド・ノリス423
2位マックス・フェルスタッペン421
3位オスカー・ピアストリ410
4位ジョージ・ラッセル319
5位シャルル・ルクレール242
6位ルイス・ハミルトン156
7位アンドレア・キミ・アントネッリ150
8位アレクサンダー・アルボン73
9位カルロス・サインツ64
10位フェルナンド・アロンソ56

チームランキング

※アブダビGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム833
2位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム469
3位オラクル・レッドブル・レーシング451
4位スクーデリア・フェラーリHP398
5位アトラシアン・ウイリアムズ・レーシング137
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム92
7位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム89
8位マネーグラム・ハースF1チーム79
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー70
10位BWTアルピーヌF1チーム22

レースカレンダー

2026年F1カレンダー
第1戦オーストラリアGP 3/8
第2戦中国GP 3/15
第3戦日本GP 3/29
第4戦バーレーンGP 4/12
第5戦サウジアラビアGP 4/19
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