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FIAシングルシーター部門責任者トンバジズがグラウンドエフェクト時代を総括「星Aは付けられない」

2026年1月7日

 ダウンフォースの発生方法を変更することで、マシンの追従性を高めることを目的としたグラウンドエフェクトのエアロダイナミクスを採用した2022年以降、FIA国際自動車連盟はF1の改善目標達成に向けて「大きな進歩を遂げた」と考えている。そのうえで、シングルシーター部門責任者であるニコラス・トンバジズは「コスト管理が近年の大きな改善点である」と言及し、次期レギュレーションにおいても改善を継続したい分野があるとの認識を示した。

 予算上限や空力テストの制限など、スポーツの持続可能性を高めるための広範な変更の一環として導入されたグラウンドエフェクトだが、ことスポーツの視点においては、クルマの挙動やドライバーの技術が反映される範囲において、そのエンターテイメント性を高めたとは言えない……との評価も根強かった。


 北米大陸のモータースポーツ専門サイト『RACER.com』によれば、トンバジズは「2022年以降に実施されたこれらの目標のほとんどにおいて、正しい方向に大きく前進したと考えてはいるが、すべてにおいて完全に成功したとは断言できない。Aの星はつけられない」と、グラウンドエフェクト時代の空力規定を総括した。


「繰り返しになるが、正しい方向に進んだと考えているものの、やはりBやCといった評価を付けることになるだろうね」


 持続可能なスポーツという観点から、前サイクル(2021年)の最後尾にチーム単位のバジェットキャップ制度が導入されたが、当時はCOVID-19(新型コロナウイルス)の影響で技術規制の導入が遅れたことも重なり、充分に機能したとは言い難かった。


「ひとつずつ見ていこう。財政規制は今サイクルでは適切に施行され、全体として成功を収めたと思う。スポーツとチームに財政的な持続可能性と収益性をもたらし、より公平な競争環境の実現に貢献した。結果、チームは資産を増やし、グリッドの最下位……つまりパフォーマンス面で最下位のチームでさえ、経済的に健全で破綻の危機に瀕していない状態になった」と続けたトンバジズ。


「以前は、財政破綻の瀬戸際にいるチームがいくつかあったからね。だから、財政的には間違いなく正しい方向に進んでいると言えるだろう。ただし『財政規制は完全に成功したと言えるか?』と問われれば、答えは『いいえ』だ。多くのことを学び、2026年のレギュレーションに向けて改訂する必要があった」


 この5年ほどの経験を経て、ビジネスモデルや運営方法などが異なるチームの財務レギュレーションを管理することがいかに複雑であるかを、FIAとしても実感したという。

FIAシングルシーター部門責任者を務めるニコラス・トンバジズ(左)
グラウンドエフェクトからの脱却のみならず、2026年F1は可動式エアロの採用や車体ディメンションにも変化が訪れる

「これは非常に複雑な問題で、それぞれ優秀なチームが規則に対応しようとしているが、非常に複雑でスポーツの規制をはるかに困難にしている。しかし全体としては、財務レギュレーションがない状態は想像もできない。だから、これは成功だったと思うよ」


 今季2026年より導入されるF1の新技術規定に先立ち、トンバジズは以前の規定は強力な立場からスタートしたものの、レギュレーションサイクルの終盤まで“ダーティエア”の影響がふたたび問題となるのを防ぐことができず、最後まで「課題を払拭できない方向で進化を遂げてしまった」と総括した。


「技術面では、確かにマシンはより接近したレースができるレベルに到達したと思う」と評価するトンバジズ。


「ただ満点をつけられないのは、いくつか……抜け穴とまでは言わないが、レギュレーションの一部に少し寛容すぎる部分があったことだ。そのため、チームは力学的にアウトウォッシュ(排出渦流)を生み出すような解決策を採用することができ、結果、オーバーテイクにおける非常に優れた成果の一部が損なわれてしまったんだ」


「だからこそ、2022年のごく初期には誰もが『どれだけ接近して追従できるか』を語り、皆が満足していたが、昨季2025年の段階では、それはかなり難しいと言えた。その点では、我々はそのパラメーターを期待していたほどうまくコントロールすることができなかったと言えるだろう」


 今季よりパワーユニットを含めたエアロダイナミクスの刷新で、相対的な競争力はリセットされることになるが、トンバジズは改めて、接近したレース展開という点で「パフォーマンス差の縮小という目標は、客観的に見てかなり達成されている」と強調した。


「(2022年サイクルの)レギュレーション導入初年度から、チーム間のパフォーマンス差は縮まっており、統計的に見て収束していくなかでさらに縮まっている。これは良いことだと思う」とトンバジズ。


「しかし先ほども申し上げたように、空力特性の悪化がなければ、従来のマシンはもっと簡単にDRSゾーンに入ることができていた。それが実現出来ていたら良かった。だからこの点は、我々が2025年までで間違いなく学んだことだと思う」


「例えばマシン剛性など、こうしたパラメータに関して技術的な課題がいくつかあったことは明らかだ。そこから学び、今季2026年はさらに前進できることを期待している」

「すべてにおいて完全に成功したとは断言できない。Aの星はつけられない」とトンバジズ(右)
新技術規定により、ふたたびF1の相対的な競争力はリセットされることになる


(autosport web)


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