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中本修平レポート「出来すぎの2位と、残念な8位」

2004年8月2日

 ジェンソン・バトンは、予選3番手ながら初日のエンジン交換で13番グリッドからのスタート。一方の佐藤琢磨は、2日目フリー走行でのクラッシュが響いて8番グリッドからのスタートと、苦しい展開だった。しかし、バトンはあえて重い燃料で予選に臨んだ作戦が奏効し、「F1デビュー以来最高のレース」と自賛する走りとも相まって2位表彰台を勝ち取った。佐藤も、HANSがずれてしまうトラブルに見舞われながらも、随所で彼らしいオーバーテイクを披露し、8位入賞を果たした。これについて中本修平HRDエンジニアリング・ディレクターは次のように話している。

 「ジェンソンの2位は出来過ぎ、そして琢磨君の8位は残念でした。琢磨君は、レースの早い段階からHANSがずれてしまっていた。決勝レースでコースアウトした時には、身体が前に投げ出されるようなポジションでのドライブを強いられていて、全然コントロールできる状態ではなかったんです。なんとか立て直して、最後まで騙し騙し走ったわけですが、かわいそうでしたね。実力的に6位にはなれたと思うし、土曜日に全然走れていなかった中、セッティングの不充分なマシンで戦ったわけで、そういう意味では良くやってくれました。」
 
 「実は琢磨君は、土曜日の朝のフリー走行でコースアウトした際、衝撃で少し首を痛めていました。その痛みを緩和するために、シートベルトの位置を少し上げたんです。しかし、それがもとで、1周だけの予選ならまだしもレースの連続走行でHANSにズレが生じて、最悪の事態を招いた。土曜日に走れなかったことは、こんなことにも影響したということです。一方で、ジェンソンの2位は、ライコネンのリタイアにも助けられました。密かに狙ってはいたんですが、まさか表彰台に上がれるとは思っていませんでした。」
 「ジェンソンは、仮に予選でポールを取っても、初日のエンジン交換のために10番降格のペナルティで11番手になってしまうわけで、ライバルと同じようなレース戦略では仕方がない。それで、予選前の作戦会議でB・A・Rと話し合って、次のように決めたんです。」


 「予選直前のフリー走行では、かなり重い燃料を積んで走行し、トップタイムを出しました。マシンの仕上がりが良かったということで、燃料を多めに積んで、1回目のピットストップをできるだけ遅らせる。それで他のチームのマシンがピットインした時に、できるだけ順位を上げようと。そうすれば、2回目以降のスティントは周回数が少なくなるから、少ない燃料で軽く走れる。当然平均タイムも上がります。更にタイヤへの負担も少なくなる。じゃあ、それで行こうと。それが思った以上に上手く機能したという感じです。」
 「エンジンはかなり高回転まで回しましたよ。通常は予選の時だけに限って使う高回転を、レース全体の80%以上使っていたんですが、最後まで問題ありませんでした。その意味で、今回投入したニュースペックエンジンは、素晴らしい性能を発揮してくれました。従来型だと、レース中にここまで高回転を使い続けることはできなかったでしょうから。」
 
 「イギリス、フランスの前2戦はちょっと精彩に欠けていたように見えましたが、今回はレースペースが速かった。前回と比べて、何か違いは、セットアップの方向性を少し変えました。でも、フランスもイギリスも、表彰台には上がれませんでしたが、パフォーマンス自体はそんなに悪くなかったんですけどね。この2戦は、セットアップをいじりすぎていたという感じですか。それで、データを分析してやり直しました。空力も、それ以前のカナダGPのスペックに戻していますしね。フランスとイギリスはともに風が強くて、そうするとどうしても瞬間的にダウンフォースが抜けたりするわけですが、その時にドライバーが感じる差が大きかった。そういったこともありました。今回、レース中は安定して速いペースを刻めました。」
 「テスト禁止期間を経て、次は、典型的な低速コースのハンガリーを戦うわけです。コース特性の似ているモナコも悪くなかったですし、再び表彰台に上がれるような戦闘力を発揮させたいですね。」




レース

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