ホンダが、2025年F1最終戦アブダビGPをもってレッドブル・パワートレインズへのパワーユニット（PU）技術支援を終了、8年間のパートナーシップを振り返り、HRCの渡辺康治 代表取締役社長がコメントを発表した。レッドブル・グループは、ホンダとの協力関係のもと、ドライバーズタイトル4回、コンストラクターズタイトル2回という素晴らしい成績を挙げた。

　ホンダは2018年にスクーデリア・トロロッソ（現在のレーシングブルズ）へのPU供給をスタート、ここからレッドブル・グループとの協力関係が始まった。翌2019年にはレッドブル・レーシングにもPUを供給することになり、この年に3回の勝利を達成している。

　2021年には、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがドライバーズタイトルを獲得。ホンダに30年ぶりのF1タイトルの栄冠をもたらした。

　ホンダは2021年シーズンをもってPUサプライヤーとしてのF1参戦を終了、2022年以降は株式会社ホンダ・レーシング（HRC）により、レッドブルのPU製造会社レッドブル・パワートレインズへのF1 PU技術支援を行ってきた。2023年にはレッドブルが22戦中21勝という圧倒的な成績で2年連続のダブルタイトルを獲得。2024年にはフェルスタッペンがドライバーズタイトル4連覇を達成した。2025年はフェルスタッペンはドライバーズランキング2位、コンストラクターズ選手権においてはレッドブルが3位、レーシングブルズが6位という結果だった。

　一方、2021年には、ホンダのサポートのもと、日本人ドライバー角田裕毅が登場、アルファタウリでF1デビューを果たした。レッドブルのセカンドチームで走り続けた角田は、5年目の今年、第3戦日本GPからレッドブルに移籍し、王者フェルスタッペンのチームメイトを務めた。角田は2026年はレッドブル2チームのテスト兼リザーブドライバーを務める。

　HRCとレッドブル・パワートレインズとの契約は、F1の現行技術規則が終了する2025年末まで結ばれた。当初の予定どおり、今季最終戦アブダビGPをもって、両者のレースに関するパートナーシップは終了となった。

　2018年から2025年のパートナーシップ下で、レッドブル・グループとホンダは172戦を戦い、優勝72回、表彰台141回、ポールポジション51回を獲得、ドライバーズタイトル4回とコンストラクターズタイトル2回という偉業を達成した。

　契約終了に際し、HRCの渡辺康治 代表取締役社長は、次のようにコメントしている。

「8年間にわたり、両チームおよびレッドブル・パワートレインズとの強い協力関係のもとで、F1の最前線に関わり続けられたことを誇りに思います。この期間にオラクル・レッドブル・レーシングが達成した数々の勝利とチャンピオンシップ獲得に、ホンダの技術と人材が貢献できたことは大きな喜びです。関係者の皆様に心より感謝申し上げます。HRCはこれまでの経験を糧に、今後もモータースポーツの発展とホンダの技術革新を推し進めていきます」

　ホンダは2026年から、アストンマーティンとの契約のもと、F1パワーユニットマニュファクチャラーとして正式にF1活動を再開する。