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【F1第23戦ベスト5ドライバー】チームがピアストリに与えた残酷な打撃/望外の勝利を引き寄せたフェルスタッペン
2025年12月4日
長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、各グランプリウイークエンドのドライバーたちの戦いを詳細にチェックし、独自の評価によりベスト5のドライバーを選出する。今回は第23戦カタールGPの戦いを振り返った。
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■ピアストリの完璧な週末をチームのミスが台無しに
オスカー・ピアストリ(マクラーレン):スプリント予選1番手/スプリント1位/予選1番手/決勝2位

オスカー・ピアストリはルサイルの週末、FP1の時点から他の全ドライバーを大きく引き離す速さを見せ、日曜決勝を完全に掌握していた。最初の6周ではマックス・フェルスタッペンよりも1周あたり0.5秒速いペースで走っており、ウイナーとして最もふさわしい存在は、間違いなくピアストリだった。
ピアストリはこの勝利を切実に必要としていた。しかし、マクラーレンの痛恨の判断ミスにより、ピアストリはその勝利を奪われる結果となった。彼にとってこの勝利が重要だった理由はふたつある。第一は、モンツァでランド・ノリスに2位を譲らざるを得なかった後から続いていた低迷を完全に払拭するため。第二に、タイトル争いにおいて陥った不利から挽回するためだった。
カタールの週末、ピアストリは一切ミスを犯さず、予選の両セッション、そして決勝レースのスタートという最も重要な場面でランド・ノリスを打ち破った。そして楽勝とも言える展開での勝利が約束されたかに見えたが、チームがすべてを台無しにした。ピアストリにとってはふたつの面で、あまりにも残酷な打撃となったといえよう。
■フェルスタッペンの最高の走りをライバルの失態が後押し
マックス・フェルスタッペン(レッドブル):スプリント予選6番手/スプリント4位/予選3番手/決勝1位

勝者としてピアストリがふさわしいといっても、マクラーレンが楽勝のはずだった勝利を手放したのは、フェルスタッペンのせいではなく、彼自身が優れた走りを見せたことは事実だ。
困難な金曜日からフェルスタッペンは見事に立て直した。彼にとって何より重要だったのは、ライバルたちよりも良いスタートを切ることであり、彼はそれを確実に成し遂げた。ノリスの前に出ることには成功したが、ピアストリに挑戦するには距離が離れすぎていた。しかし少なくとも、マクラーレンの計画を乱す位置につけることはできた。
もちろん、マクラーレンがあの大失態を犯さなければ、フェルスタッペンにとっては2位が可能な最高位だっただろう。しかし、彼自身はすべてを正しくやり遂げた。2回の25周スティントへの取り組み方は非常に成熟したものだった。ミディアム、ハードの両コンパウンドにおいて、フェルスタッペンは、新品タイヤを慎重に慣らしてから、ピアストリのペースへと合わせていった。ただ、ピアストリはその段階ですでに使いこんだタイヤを履いており、マネジメントの余地はない状態だったが。
現時点で最強のドライバー、フェルスタッペンはまたしても見事な走りを見せ、それをマクラーレンの信じがたいミスが後押しした。
■ウイリアムズで2回目の表彰台をつかんだサインツ
カルロス・サインツ(ウイリアムズ):スプリント予選8番手/スプリント8位/予選7番手/決勝3位

カルロス・サインツのカタールでのパフォーマンスはひときわ優れていた。彼は今季2度目の表彰台を獲得し、ウイリアムズに今年最も予想外の成功をもたらした。
チームは厳しい週末になることを覚悟してカタールの週末に臨んだが、完全に新しいセットアップへの賭けは見事に奏功し、サインツは予選7番手を獲得。決勝では、素晴らしい1周目の走りにより、アイザック・ハジャーとジョージ・ラッセルを一気に抜き去った。
その後、7周目終了時に16台が同時にピットインする混乱の中でアンドレア・キミ・アントネッリの前に出ることに成功し、最終スティントではアントネッリの猛追を抑え込み、さらにマクラーレンのミスの恩恵も受けて、今季2度目の表彰台を手にした。
今年は序盤には運に恵まれない場面も多かったサインツだが、カタール日曜夜のレースでは幸運が彼に味方した。しかしそれも、彼自身が予選で好位置を確保し、素晴らしいスタートを決め、マクラーレンが助けに入る以前の段階ですでに2台のメルセデスを打ち負かしていたからこそだ。ウイリアムズにとっても、このチームに今年初めに加入したサインツにとっても、素晴らしい結果となった。
■6番手を走行も、不運なトラブルでノーポイントに終わったハジャー
アイザック・ハジャー(レーシングブルズ):スプリント予選11番手/スプリント9位/予選6番手/決勝リタイア(18位完走扱い)

カタールにおいて、ピアストリと並んで最も不運だったドライバーがアイザック・ハジャーだった。ハジャーは予選で素晴らしい仕事をし、フロントランナーたちと同じ数のタイヤセットでQ1とQ2を突破、極めて重要なQ3の戦いに向けてソフトタイヤを2セット温存することに成功した。これが奏功し、ハジャーは直接のライバルたちを打ち破って6番手グリッドを獲得した。
スタートは精彩を欠き、フェルナンド・アロンソとサインツの両者に先行を許したものの、ピットストップでラッセルの前に出てポジションをひとつ取り戻した。その後の35周にわたってハジャーはアロンソの背後にぴたりと張り付き、ついにそのプレッシャーが実を結び、41周目の途中でベテランのアロンソがスピンを喫した。
こうしてハジャーは再び6番手に浮上し、貴重な8ポイント獲得が目前に迫っていた。しかし残りわずか2周というところで、フロント左ウイングのエンドプレートが緩んで脱落し、左フロントタイヤがパンク。事実上、このトラブルがハジャーのレースを終わらせてしまった。
■出来の悪いマシンで信じられない結果を出し続けるルクレール
シャルル・ルクレール(フェラーリ):スプリント予選9番手/スプリント13位/予選10番手/決勝8位

フェラーリがどれほど出来の悪いマシンを与えようとも、シャルル・ルクレールは常に限界まで攻め続け、常識外れなほどのリスクを取りながら、本来ならSF-25がもたらすはずのない結果を持ち帰ってくる。カタールにおいてスクーデリアは今季開幕以来、最も競争力の低い状態にあり、ルイス・ハミルトンは予選で2度ともQ1敗退を喫し、スプリントでも決勝でも後方を走る展開を強いられた。
そんな状況のなかで、ルクレールは、ファンの心をつかんできた“決して諦めない”姿勢を貫き、そのリスクを恐れない走りが、予選での高速スピンという形で表れた。ターン15を全開で駆け抜けようとした際に、マシンのリヤを失ったのだ。その後、ユーズドタイヤで何とかもう1周をまとめたものの、決勝は結局10番手スタートとなった。
決勝のオープニングラップではコース外へ押し出され、オリバー・ベアマンの後ろへ後退してポイント圏外へ脱落。ニコ・ヒュルケンベルグとピエール・ガスリーが接触した際に、それを避けた後、ラッセルの真後ろに張り付いて走行したが、追い抜けるだけのスピードはなかった。
その後、スピンしたアロンソの後ろを走り続け、8位でフィニッシュ。フェラーリで8位というのは大したことがないように見えるかもしれないが、カタールでのSF-25は本来、ポイントを獲得できる力を持ったマシンではなかったということを、ここで断言しておきたい。
(Text : Luis Vasconcelos)
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| 11/28(金) | フリー走行 | 結果 / レポート |
| スプリント予選 | 結果 / レポート | |
| 11/29(土) | スプリント | 結果 / レポート |
| 予選 | 結果 / レポート | |
| 11/30(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
| 1位 | ランド・ノリス | 408 |
| 2位 | マックス・フェルスタッペン | 396 |
| 3位 | オスカー・ピアストリ | 392 |
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 309 |
| 5位 | シャルル・ルクレール | 230 |
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 152 |
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 150 |
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 |
| 9位 | カルロス・サインツ | 64 |
| 10位 | アイザック・ハジャー | 51 |
| 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 800 |
| 2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 459 |
| 3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 426 |
| 4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 382 |
| 5位 | ウイリアムズ・レーシング | 137 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 92 |
| 7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 80 |
| 8位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 73 |
| 9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 68 |
| 10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 22 |
| 第19戦 | アメリカGP | 10/19 |
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11/9 |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 |
| 第23戦 | カタールGP | 11/30 |


