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「ベストシーズンは今年」ヒュルケンベルグは250戦目の節目に到達。新天地で明暗別れたベテラン勢/F1第23戦木曜会見
2025年11月28日
2025年F1第23戦カタールGPのドライバー会見は、パート1がアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、オリバー・ベアマン(ハース)、リアム・ローソン(レーシングブルズ)の若手3人。そしてパート2はニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)、カルロス・サインツ(ウイリアムズ)、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)のベテラン勢という組み合わせだった。
まずは前戦ラスベガスGPで、驚異的なロングスティントの末に3位をもぎ取ったアントネッリから。
Q:キミ、ハードタイヤで48周というのは驚異的でした。シーズン最初の3〜4戦でも同じことができたと思いますか? もし無理だとしたら、シーズンを通して何が変わったのでしょうか?
アントネッリ:「間違いなく、シーズン序盤では無理だったと思う。それだけシーズンを通して多くのことを学んだということだね。とにかくタイヤの挙動を、より深く理解できるようになった。フリー走行やレースのなかで、プッシュレベルを変えながら「このタイヤがどう反応するか」を試してきたんだ。ラスベガスはその学びをすべてまとめ上げられた、今シーズン最高の実行例だったと思う。あれが開幕当初だったら、間違いなく途中でピットインしていたよ」
Q:リアム、ローラーコースターのような1年でしたが、最大の学びは何ですか?
ローソン:「これだけレース数が多いと、立ち止まる時間がない。そんななかでも、レース週末を振り返ってポジティブなものを見つけようとしてきたことかな。ただ、感情に囚われずに進むのは本当に難しい。先週のラスベガスが典型的で、レース前まで完璧で、いい位置につけていたのに、ほんの小さなミスですべてを失ってしまった。すごく悔しいけど、すぐ次のレースがあるので引きずっていられない」

Q:キミとオリーへ。昨年はFIA F2でチームメイトとして戦い、期待を背負ってF1に上がりました。F1に来て、驚きはありましたか? 最大の課題、あるいは意外と簡単だったことなどはありますか?
ベアマン:「一番の驚きは、F2と比べてとにかく忙しいことだね。F1はレース数もほぼ倍なうえに、サーキット外での活動も圧倒的に多い。パートナー関連のイベントやメディア対応とかね。来シーズンも、新年2週目か3週目には始動するし。F2時代みたいなオフはほとんどない。エネルギー管理が本当に重要になる。クルマを運転することだけでなく、常に100%の状態で週末を迎える必要がある。一方で一番の恩恵は、F1の運転が本当に楽しいこと。特に予選で限界まで攻める感覚は最高だよ。それと移動が少し楽になった。ビジネスクラスで移動できるのは、かなり快適だ」
アントネッリ:「僕も一番の驚きは、レース週末、そしてそれ以外の週も含めた拘束の多さだね。正直、かなり消耗した時期もあった。でも今は、何が待っているのかをずっと理解できているし、来年はもっとコントロールできると思う。一方で、あの素晴らしいクルマをドライブできるのは本当に特別なことだ。F2ではあまり楽しくなかったサーキットも、F1だと全然違う。世界最速のクルマを走らせられることは、本当に特別だ」

続いてベテラン勢によるパート2。ヒュルケンベルグは今週末に250戦目を迎える。
Q:2010年にF1キャリアを始めた頃、250戦も走ると想像していましたか?
ヒュルケンベルグ:「イエスでも、ノーでもあったかな。正直、ドライバーはあまりそういうことを考えないんだ。その時その時を生きて、全力で走り続ける。地道に積み重ねて、サーキットに通い続けるだけだからね。いい日も悪い日もあったけど、全体としては本当に素晴らしい業界だよ。素晴らしい人たちと仕事をし、友人もできて、今も楽しめているからね」
Q:ベストシーズンはいつですか?
ヒュルケンベルグ:「もちろん、今年だよ。シーズン序盤、厳しい状況から始まって、バルセロナ以降に立て直し、流れを掴んだ。初表彰台にも上がれたし、いくつか大きな結果も出せた。舞台裏で何かが育ち、形になり始めている感覚があるね」

Q:カルロス、ウイリアムズでの初年度を振り返って、期待以上でしたか?
サインツ:「難しい質問だね。トップチームから来て、ミッドフィールドに戻ることは簡単ではないとわかっていた。でもここまで、アレックス(アレクサンダー・アルボン)とふたりで大量に得点して、コンストラクターズ選手権5位争いをし、表彰台にも上がった。去年の夏の時点でそうなると知っていたら、もっと早く契約していたと思う(笑)。完璧な年ではないけど、想像以上にいい瞬間が多かったね」

対照的に落胆のシーズンを送ったのがハミルトンだった。
Q:フェラーリでの最初のシーズンをどう振り返りますか?
ハミルトン:「振り返らない。前を見るだけだ」
Q:少しだけでも。
ハミルトン:「結果がすべてを物語っているよ。もちろんポジティブな点は、いくつかある。それを糧に、前に進むだけだ」
Q:具体的にポジティブな点は?
ハミルトン:「チームと馴染めたこと。彼らの情熱は本当に素晴らしい。あとは来年に集中するだけだ」
Q:この12か月で学んだ最大のことは?
ハミルトン:「立ち直ること。もう一度立ち上がること」
なんとも、そっけないやり取りだった、ドライバーズ選手権はシャルル・ルクレールに次ぐ6位。とはいえ予選もレースも大きくチームメイトに負け越し、いまだフェラーリで表彰台に上がれていない。ハミルトンにしてみれば、失意と悔恨の1年ということなのだろう。

(Text : Kunio Shibata)
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| 11/28(金) | フリー走行 | 22:30〜23:30 |
| スプリント予選 | 26:30〜27:14 | |
| 11/29(土) | スプリント | 23:00〜24:00 |
| 予選 | 27:00〜 | |
| 11/30(日) | 決勝 | 25:00〜 |
| 1位 | ランド・ノリス | 390 |
| 2位 | オスカー・ピアストリ | 366 |
| 3位 | マックス・フェルスタッペン | 366 |
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 294 |
| 5位 | シャルル・ルクレール | 226 |
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 152 |
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 137 |
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 |
| 9位 | アイザック・ハジャー | 51 |
| 10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 49 |
| 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 756 |
| 2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 431 |
| 3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 391 |
| 4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 378 |
| 5位 | ウイリアムズ・レーシング | 121 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 90 |
| 7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 73 |
| 8位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 72 |
| 9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 68 |
| 10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 22 |
| 第19戦 | アメリカGP | 10/19 |
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11/9 |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 |
| 第23戦 | カタールGP | 11/30 |


