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失格のマクラーレン、“過剰なリスク”を否定。ピアストリはノリスのタイトル支援をせず「話し合いの結果、答えはノー」

2025年11月28日

 マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラが、F1ラスベガスGPでランド・ノリスとオスカー・ピアストリのマシンのプランクが過度に摩耗した原因について、改めて説明した。ふたりは技術規則違反として失格になり、ドライバーズ選手権のポイントリーダーであるノリスのリードは24ポイントに縮まった。また、ノリスを追うピアストリは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に同点に追い付かれた。

 ラスベガスでノリスは2位、ピアストリは4位でフィニッシュしたが、ふたりのマシン底面のプランクの厚さが規定されている最低値9mmを下回っていたことが判明、失格処分が下された。FIAは、マクラーレンが意図的に規則を破ろうとしたわけではないと明言している。

オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
2025年F1第22戦ラスベガスGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

 ステラは、カタールGPを前に、失格に至った原因について、改めて説明を行った。


「この状況を引き起こした具体的原因は、想定外に大きなポーパシング現象が発生し、マシンに大きな縦方向の振動を誘発したことである。ポーパシングのレベルは、レース中のマシンの作動条件によって増幅されたもので、フリー走行で得られた情報や、レースにおけるマシンの作動ウィンドウに基づく予測からは想定されていなかった」


「フリー走行で収集したデータに基づけば、我々は車高の面で過剰なリスクを取ったとは考えていない。また、予選と決勝に向けては、フリー走行時よりも車体と路面のクリアランスに安全マージンを設けていた。しかし、その安全マージンは、予期せぬ大きな縦揺れが発生したことで無効化され、マシンが路面に接触する原因となった」


「レースで発生したポーパシング現象は抑制が非常に難しく、本来であれば車速を落とすことで地面とのクリアランスが増え、接地を避けられるはずなのだが、トラックの一部では効果があったものの、別の区間では逆効果となった」


 チームは、レース中から懸念すべき状況に気づいていたという。


「レース序盤の周回から、予期せぬポーパシングのレベルが懸念すべきものであることはデータから明らかだった。ランドのマシンについてはテレメトリーデータにより状況をより正確に監視できたが、オスカーのマシンでは、接地レベルを測定するセンサーのひとつが失われていたため、状況把握がより難しくなった」


「我々は比較的早い段階で、これほどのポーパシングがスキッド摩耗量の増大につながることを理解し、そのため両ドライバーはコースのさまざまな場所で対処行動を取り始めた。しかし、マシンの作動ウィンドウやサーキットの特性上、多くの対処はポーパシングの軽減に十分な効果をもたらさなかった」


 技術規則違反がなされたため、2台は自動的に失格になったが、ステラは「FIAが強調しているように、この違反は意図的なものではなく、規則を回避する故意の試みもなく、我々がスチュワードに説明したとおり、状況には情状酌量の余地があった」と述べている。

ランド・ノリス(マクラーレン)
2025年F1第22戦ラスベガスGP ランド・ノリス(マクラーレン)

 カタールで同じことが起こる懸念はないとステラは言う。


「先週末に経験した、予測を超えてポーパシングや接地過多が発生した状況は、ラスベガスにおけるマシンの作動ウィンドウとサーキット特性に非常に固有のものだ。我々は確立された、洗練されたセットアップ手法を持っており、ルサイル・インターナショナル・サーキットから始まる次のレースに向けても最適なプランを導き出せると確信している」


「とはいえ、すべての経験から学ぶ姿勢は変わらず、ラスベガスの一件からも、マシンの作動ウィンドウやポーパシング挙動に関する有益な情報を得ることができた」


「ラスベガスで起きたことは、パフォーマンスを過剰に、あるいは不合理に追求した結果ではなく、マシン挙動の異常が原因だった」


「パフォーマンスに強い焦点を当てて行動し、思考するというチームの姿勢こそが、現在の我々を形づくった。すなわち、コンストラクターズ選手権を2年連続で制し、残り2戦の時点でふたりのドライバーが選手権首位争いをしている状況だ」


「我々は常に経験から学び、アプローチを随時調整している。今回のラスベガスで得た情報も、確実に今後に生かす」


 ノリスとフェルスタッペンとのポイント差が24点に縮まったことで、マクラーレンのダブルタイトルを確実にするために、ピアストリにノリスをサポートさせる可能性について、チーム内で話し合いがなされたと、ピアストリは明かした。しかし話し合いの結果、その件は却下されたということだ。

ランド・ノリスとオスカー・ピアストリ(マクラーレン)
2025年F1第22戦ラスベガスGP ランド・ノリスとオスカー・ピアストリ(マクラーレン)

「その件について、とても短い議論をした。その結果、答えはノーだ」とピアストリ。


「僕はマックスと同ポイントで、状況が味方すれば、タイトルを獲得する可能性が十分ある。だからそういう方針(=ノリスのサポート役にはならない)で戦うつもりだ」


 ステラも、ピアストリがタイトル争いにとどまっている間は、ふたりのドライバーを自由に戦わせるという方針は変更しないと語った。


「(ドライバーのマネジメントの仕方は)変える必要はない。数字的に可能性が残っている限り、ふたりのドライバーに最終的な勝利へのチャンスのために競わせるというのが我々の方針であり、それはカタールでも変わらない」


「シーズン開幕時に、残り2戦でこの状況にいると言われたら、我々は即座に受け入れていただろう。今は、自分たちの強さに自信と確信を持って、ダブルタイトル獲得に向けて戦うだけだ」



(autosport web)


レース

11/28(金) フリー走行 22:30〜23:30
スプリント予選 26:30〜27:14
11/29(土) スプリント 23:00〜24:00
予選 27:00〜
11/30(日) 決勝 25:00〜


ドライバーズランキング

※ラスベガスGP終了時点
1位ランド・ノリス390
2位オスカー・ピアストリ366
3位マックス・フェルスタッペン366
4位ジョージ・ラッセル294
5位シャルル・ルクレール226
6位ルイス・ハミルトン152
7位アンドレア・キミ・アントネッリ137
8位アレクサンダー・アルボン73
9位アイザック・ハジャー51
10位ニコ・ヒュルケンベルグ49

チームランキング

※ラスベガスGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム756
2位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム431
3位オラクル・レッドブル・レーシング391
4位スクーデリア・フェラーリHP378
5位ウイリアムズ・レーシング121
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム90
7位マネーグラム・ハースF1チーム73
8位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム72
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー68
10位BWTアルピーヌF1チーム22

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第19戦アメリカGP 10/19
第20戦メキシコシティGP 10/26
第21戦サンパウロGP 11/9
第22戦ラスベガスGP 11/22
第23戦カタールGP 11/30
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