「真っ直ぐぶつかってきた」「ダメだな」「グッジョブ、8番手だ」多重事故で波乱のスタート【F1第22戦無線レビュー(1)】
2025年11月26日
2025年F1第22戦ラスベガスGP。前日に雨のなかで行われた予選では、ドライバーズ選手権で首位に立つランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得した。しかしノリスはスタート直後にターン1でオーバーラン。トップの座をあけ渡すことになった。ラスベガスGP前半を無線とともに振り返る。
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前日の雨のなかで行われた予選で、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は最下位20番手。レースは19番グリッドからスタートした。
ハミルトン:チャンスが来たら、積極的にチャレンジしよう。僕もベストを尽くすよ。みんなのサポートが必要だ。
リカルド・アダミ:もちろんだ。いいレースにしよう。
スタート直後のターン1でポールシッターのランド・ノリス(マクラーレン)がオーバーラン。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が易々と首位を奪った。

ジャンピエロ・ランビアーゼ(→フェルスタッペン):グッジョブだ、マックス。ここからも冷静に行こう。
後方ではオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とリアム・ローソン(レーシングブルズ)、ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)とランス・ストロール(アストンマーティン)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)による多重事故が発生。これでバーチャルセーフティカー(VSC)が発動された。
ローソン:あのクルマ、どこから出てきたんだ?
ピアストリ:ダメージはないと思う。
トム・スタラード:ああ、大丈夫だ。
ヨルン・ベッカー:大丈夫か?
ボルトレート:ああ。ウイリアムズを避けなきゃいけなかった。
ベッカー:フロントウイングにダメージがあるようだ。
ガスリー:あのバカ、真っ直ぐぶつかってきた。
カレル・ルース:了解。クルマに問題はないようだ。
ストロール:ダメだな。
ゲイリー・ギャノン:安全な場所にマシンを止めてくれ。残念だ。
ストロールとボルトレートはダメージが大きくリタイア。さらにボルトレートには、次戦5グリッド降格のペナルティが科された。
オリバー・ベアマン(ハース)はこの混乱をかいくぐり、14番グリッドから8番手にジャンプアップした。
ロナン・オヘア(→ベアマン):グッジョブ、オリー。P8だ。後ろのルクレールもミディアムだ。

クリス・クローニン:ターン1でダブルイエローだ。
アロンソ:ああ。ローソンだ。おそらくペナルティだね。
アロンソは真後ろにいて事故を目撃したのだろうが、いつもながら周りの状況がよく見えている。事故のあおりを受けて7番グリッドからふたつ順位を落としたが、激しくシャルル・ルクレール(フェラーリ)を攻め立てた。
2周目
ルクレール:ずっとプッシュしてくる。

ローソン:問題が出た。減速する。
エルネスト・デジデリオ:了解。チェックしているところだ。フロントウイングだ。なんとか戻ってこい。
外れたパーツがフロア下に入り込んだのか、激しい火花をあげていた。
カレル・ルース(→ガスリー):VSCがクリアになる前にボックスだ。
ピーター・ボニントン(→アンドレア・キミ・アントネッリ):ボックス、ボックス。
ローソンに続き、ふたりも2周目にピットイン。ともにハードタイヤに交換した。

3周目
サインツ:ビニール袋がミラーに引っかかっている。
ガエタン・イエゴ:どちら側だ?
サインツ:右側だ。
8周目
イエゴ:ターン16でタイヤマネージメント。ターン9もだ。タイヤについて、できる時にフィードバックをしてくれ。
サインツ:ちょっと喋りすぎだよ、ガエタン。タイヤは……今のところ問題ない。リヤがちょっと垂れているけどね。

11周目
ブライアン・ボッツィ:タイヤのアップデートだ。何台かはグレイニングを訴えている。
ルクレール:僕は問題ない。
12周目、ルクレールがピアストリを交わして6番手に上がった。
ボッツィ:悪くない。
ルクレール:ああ、悪くない。獣のようにプッシュしてるよ。
1周目に4番グリッドからサインツ、ノリスをかわして2番手まで上がっていたジョージ・ラッセル(メルセデス)だったが、予選時と同様のステアリングトラブルに見舞われる。
マーカス・ダドリー:ルクレールがピアストリを抜いた。
ラッセル:ステアリング、またステアリングだ!
それでも顕著にペースが落ちるようなことはなかった。
ピエール・アムラン(→アイザック・ハジャー):アイザック、僕らはベアマン、アロンソと戦っている。プランBで行く。2台に対していいペースだ。そのまま行こう。
プランBは1ストップ戦略だろう。それでもハジャーとしては、攻めのレースを貫きたい。
アジャ:アグレッシブに行っていいんだよね。
アムラン:もちろんだ。ただ6台遅いクルマがいて、それをモニターしている。
ピットインのタイミングによっては、遅いクルマの集団にはまりこんでしまう恐れがある。担当エンジニアはそこを気にしていた。

13周目
ハミルトン:ブレーキングで手こずっている。レイジーなのか、何なのか。
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)はペースの上がらないハミルトンをストレートで抜く際にわずかに接触。壊れたパーツが高く舞い上がった。
アルボン:フロントウィングが!

サインツ:破片が転がってる。VSCかセーフティカーが出るかも。
アルボンは13周目に緊急ピットイン。2回目のVSCが導入された。
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F1第22戦無線レビュー(2)に続く
(Text : Kunio Shibata)
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| 予選 | 結果 / レポート | |
| 11/23(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
| 1位 | ランド・ノリス | 390 |
| 2位 | オスカー・ピアストリ | 366 |
| 3位 | マックス・フェルスタッペン | 366 |
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 294 |
| 5位 | シャルル・ルクレール | 226 |
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 152 |
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 137 |
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 |
| 9位 | アイザック・ハジャー | 51 |
| 10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 49 |
| 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 756 |
| 2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 431 |
| 3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 391 |
| 4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 378 |
| 5位 | ウイリアムズ・レーシング | 121 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 90 |
| 7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 73 |
| 8位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 72 |
| 9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 68 |
| 10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 22 |
| 第19戦 | アメリカGP | 10/19 |
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11/9 |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 |
| 第23戦 | カタールGP | 11/30 |





