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「現実的であるべき」とヒュルケンベルグ。来季F1参入を果たすアウディ、成功の歴史と新時代の課題
2025年11月20日
キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグは、スイスのヒンウィルに拠点を置くF1古参の中堅チームが、来季アウディ傘下になれば「ザウバーに対する認識は変わるだろう」と述べ、同時にメーカー直系チームとしての期待を高める一方で「現実的にならなければならない」との慎重な見通しも示した。
そして僚友を務めるガブリエル・ボルトレートも、カテゴリーにおけるアウディの歴史の一部になることへの「誇り」を強調したが、刻を同じくしてキャデラックというカタチでF1に11番目のチームが加わったことで、とくに北米大陸では大きな期待と興奮が巻き起こっている。
近年F1人気が沸騰するアメリカの専門サイト『RACER.com』や、赤道を跨いだ南米ブラジルに拠点を置く、世界最大級のメディア・コングロマリット『ge.globo』のF1専門サイトなどによれば、ともに来季2026年にF1新規参入を果たす両ブランドだが、その内実には大きな相違点があるとも指摘する。
アウディがF1参入を発表したのは3年以上前、その後まもなくして2022年にはザウバーが新事業のパートナーになることが発表された。南ドイツのノイブルク・アン・デア・ドナウにあるファクトリーにまったく新しいパワーユニット部門が設立され、最終的にはザウバーの完全買収も完了した。
これまで30年以上にわたり素晴らしいF1コンストラクターであり続けてきたザウバーの歴史を考えると、北米ではキャデラックの新規参入ほど人々の心を掴んではいないかもしれず、アウディが少し見過ごされていると感じても無理はない。しかし11月中旬、ミュンヘンでついにアウディの番が来た。
ヒュルケンベルグとボルトレートは、象徴的なアウディ・クワトロのラリーカーに同乗し、トム・クリステンセン、ハンス=ヨアヒム・シュトゥック、ミシェル・ムートン、アラン・マクニッシュといった伝説のドライバーたちと一堂に会し、その系譜に名を連ねることを宣言した。
これまでF1の歴史の大部分において中堅チームであり、2022年の6位を除けば、2013年以降コンストラクターズ選手権で8位以上を獲得していないザウバーが、ドイツの巨大自動車ブランドによる買収に伴いアウディのワークスチームとなる。
「認識は間違いなく変わるだろう」と『RACER.com』に語ったヒュルケンベルグ。
「メーカーであり、アウディである以上、当然ながら我々にはより多くの注目が集まり期待も高まるだろう。しかし現実的に考える必要がある。最初からレースに勝てるとは思っていないし、まだ長い道のりの始まりだ。これはまだプロセスであり、インフラやファクトリーなど、あらゆる面でトップチームは依然として大きなアドバンテージを持っていると思う。彼らに追いつくことを願っているが、メーカーとして来季は期待されるものが少し変わることは間違いないね」


現在38歳のヒュルケンベルグは、そのF1キャリアを通じてウイリアムズ、フォース・インディア、ルノー、アストンマーティン、ハース、そしてザウバーなどでレースを経験。そんな自身の知識を活かしてアウディの前進に貢献したいと続ける。
「もちろん(経験が)役に立つことを願っている。ドライバーとしてハードにレースをし、速く走り、結果とパフォーマンスを出すことは当然だが、それ以外の方法でも貢献はできる。もちろん技術面では、レギュレーションが変更されると学ぶべき新しいことがたくさんあるし、理解しなければならないことも増える。来季はより速い学習に貢献できればと思っているし、さまざまな時代で物事がどのように機能していたかなど、知識の宝庫から探すべきテーマは無数にある。あらゆる要素が組み合わさって、結果が出るんだからね」
一方のボルトレートも、2026年シーズン向け新リバリーが公式発表された際、地元の『ge.globo』に対しF1の新たな局面への期待を表明した。
「F1でアウディの公式ドライバーになれるなんて信じられない。このマシンは本当に美しく、早くこのマシンをドライブしたい。ル・マン24時間レースやWEC(世界耐久選手権)など、世界のモータースポーツで数々の功績を残してきたブランドの歴史に名を連ねることができ、本当に光栄な気持ちだよ」
そのアウディは、ラリー全盛期のグループB時代にクワトロでチャンピオンシップを制覇し、R10 TDIではディーゼルエンジン搭載車として初のル・マン24時間勝利を収めた。さらに2024年のダカールラリーでは、電動ドライブトレイン搭載車として初めて優勝を果たしたRS Q e-tronが、モータースポーツにおけるアウディの成功と、テクノロジー先駆者たちのリストに新たな1台を加えた。
アウディのCEOであるゲルノット・ドルナーや、F1プロジェクトの責任者であるマッティア・ビノット、チーム代表のジョナサン・ウィートリーといった面々もドイツ本国でのラウンチに登壇したが、その席上でビノットは「我々は3段階のモデルを採用した。まずは挑戦者としてスタートし、次に競合相手へと成長し、そして2030年からは第3段階としてチャンピオンシップでの勝利を目指す」との野心的な目標を設定。このタイムラインは、アウディの他の新規モータースポーツプロジェクトの過去の成功に根ざしているとドルナーCEOも付け加えた。
「このプロジェクトでは非常に多くの新しい要素が絡み合っているため、おそらく我々は現在、もっとも方向性を模索しているチームかもしれない。新しいチームであり、立ち上げ段階にあるチームで、来季はとくに非常に厳しい年になるだろう。しかし先ほども申し上げたように、我々には長期的な計画がある。迅速に学び、適応し、状況の進展を見守ることがテーマだ」と続けたドルナー。


「そのため詳細なベンチマーク調査も行った。これまで他のレースシリーズでの経験も積んできた。そこでこの4年間という期間はかなり野心的でありながら、現実的だと分かった。それがこの計画の根拠だ」
キャデラックはすでにフェラーリの旧型モデル(2023年仕様)で作業行程のインスタレーションを主目的としたテストを開始している。一方のアウディは来年1月にバルセロナで開催される恒例のF1合同テストで新型F1車両『RS 26』をサーキットに投入する予定で、合同テスト前の撮影日にシェイクダウンを済ませる可能性がある。これはFIA国際自動車連盟が2026年モデルの公式テストを許可した現状唯一のケースとなる。
前出のビノットは『ge.globo』に対し、2026年に向けたチームの大きな課題を強調し、例えば2027年末までフェラーリのエンジンを使用するキャデラックに対し、エンジンとギヤボックスも自社製造する唯一の新規参入チームとなる点を説明する。
「来季2026年の新レギュレーションはすべてのチームにとって大きな課題となるだろうが、アウディにとっては特に大きなハードルだ。まず第一に、かつてザウバー、あるいはプライベートチームだった組織を、将来的に大規模で成功を収めるチームへと変貌させる必要があるからね」と続けたビノット。
「同じくパワーユニットもゼロからスタートすることになる。内燃機関とハイブリッドエンジンの複雑さは、数シーズンで最高のエンジンを開発するだけでは不可能で、これには時間が掛かる。そして、この点こそ期待に応える必要があると考えているんだ」
「最高のF1エンジンを開発するには、優れたブランドと競争相手が必要であることは理解している。相応の努力と時間、そしてエネルギーを費やすことになる。しかし我々は正しい道を歩み、優秀な人材、高い能力、そして将来最高のパワーユニットを実現するための適切なリソースを保有している。必ずやそこにたどり着くことができるだろう」
アウディは引き続き、スイスのヒンウィルにあるザウバー旧本拠でシャシーを製造し、エンジンとギヤボックスはドイツのノイブルクで製造される。これにより、アウディはフェラーリと並んで英国以外でF1マシンを製造する数少ないチームのひとつとなる。


(autosport web)
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| 11/21(金) | フリー走行1回目 | 9:30〜10:30 |
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| 1位 | ランド・ノリス | 390 |
| 2位 | オスカー・ピアストリ | 366 |
| 3位 | マックス・フェルスタッペン | 341 |
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 276 |
| 5位 | シャルル・ルクレール | 214 |
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 148 |
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 122 |
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 |
| 9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 43 |
| 10位 | アイザック・ハジャー | 43 |
| 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 756 |
| 2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 398 |
| 3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 366 |
| 4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 362 |
| 5位 | ウイリアムズ・レーシング | 111 |
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