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【F1コラム】空前の黄金時代を謳歌するF1。マクラーレンの価値は50億ドル、収益性が高いビジネスへと変貌
2025年11月20日
ベテランモータースポーツジャーナリスト、ピーター・ナイガード氏が、F1で起こるさまざまな出来事、サーキットで目にしたエピソード等について、幅広い知見を反映させて記す連載コラム。今回は、コストがかかる事業から最高のビジネスへと変貌を遂げたF1の現状についてまとめた。
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F1サンパウロGPのチケットは完売となり、週末で30万人以上の観客を集めた。これはインテルラゴスの歴史上最大の動員数であり、F1が現在、真の黄金時代を迎えていることを証明している。このスポーツは関係者全員にとって非常に良いビジネスとなっており、たとえばメルセデスF1チームは、2024年に1億6400万ドル(約258億円)の利益を生み出した。

1950年にF1世界選手権が始まってから数年前までは、F1は通常、参加者にとって費用がかかる活動だった。長年にわたり、コンストラクターズ選手権を制したクーパー、ロータス、ブラバムを含む無数のチームが、財政問題により撤退に追い込まれてきた。自動車メーカーも、今世紀では、トヨタやBMWなどが、参戦コストがあまりに高額であることを理由にF1から離脱している。
しかし現在は状況が全く異なっている。F1はいまやほとんどのチームにとって収益性の高いビジネスとなっており、メルセデスとマクラーレンのF1チームは、それぞれの直近の会計年度において1億6400万ドル(約258億円)と7400万ドル(約116億円)の利益を計上した。
メルセデスF1チームの多額の利益は、株主3者であるメルセデス・グループ、チーム代表トト・ウォルフ、スポンサー兼パートナーのイネオスに配当として分配される。したがって、ウォルフは、間違いなく高額な給与に加えて、4500万ドル(約70億円)近くを手にすることができるだろう。

F1の高い収益性は、多数の潜在的投資家をこのスポーツに引き寄せている。しかし、チームの価値は日を追うごとに上昇しているため、現在のオーナーで売却に興味を持っている者はほとんどいない。
しかしながら、バーレーン王室と密接な関係を持つ政府系ファンド、ムムタラカットと、アブダビの投資会社CYVNは最近、マクラーレン・レーシングの他の株主が持つ株式を買収した。この取引において、チーム(インディカーとWECプログラムも含む)の評価額は約50億ドル(約7858億円)となった。

10チームの優れた財務状況と価値の増大には、いくつかの要因がある。そのなかの一番の要因は、F1がかつてないほどの人気を得ていることだ。そのため、F1組織は、TV放映権料、レース開催料、VIPボックス、サーキット広告などから莫大な収入を得る。そして、そこからチームに分配される金額が増加しているわけだ。
アメリカのリバティ・メディアが所有するF1組織は最近、2025年第3四半期(9月30日終了)の収益が8億6900万ドル(約1366億円)であったことを明らかにした。これは2024年と比較してわずか0.9パーセントの控えめな増加にとどまっているが、第3四半期中のレース数が前年よりひとつ少なかったことを考えると、依然として非常に印象的な数字である。
リバティ・メディアのF1部門はアメリカのナスダック株式市場に上場しており、株価はここ数週間で新たな高値に達し、わずか1年前と比較して約30パーセント上昇している。
F1の社長兼CEOであるステファノ・ドメニカリは、第3四半期の結果について次のようにコメントした。
「我々はこの四半期に複数の商業契約を締結し、魅力的な条件で契約更新を加速させ、新しいパートナーと契約することに成功し続けている。なかでも、アップルとの新しい米国配信パートナーシップは、我々のブランド間の協力的イノベーションを強調し、米国での継続的な成長を促すものである」
「オースティン、アゼルバイジャン、モナコなどの主要市場における最近の強力なレース契約更新と早期延長は、F1が開催都市にもたらす価値を実証している。我々はF1の次なる成長の章に自信を持っている」

ますます多くの多国籍企業がスポンサーシップやパートナー契約に関心を示しており、マクラーレンとマスターカードの新契約は、シーズンあたり約1億ドル(約157億円)の価値があると報じられている。
2021年に導入されたバジェットキャップにも変化が見られる。来年度、バジェットキャップは、1億4000万ドル(約220億円)から2億1500万ドル(約338億円)へと、大幅に引き上げられる見込みだ。これは新車開発の費用をカバーするためであるが、F1がかつてないほど収益性を高めているという事実も反映している。
(Text : Peter Nygaard)
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| 1位 | ランド・ノリス | 390 |
| 2位 | オスカー・ピアストリ | 366 |
| 3位 | マックス・フェルスタッペン | 341 |
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 276 |
| 5位 | シャルル・ルクレール | 214 |
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 148 |
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 122 |
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 |
| 9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 43 |
| 10位 | アイザック・ハジャー | 43 |
| 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 756 |
| 2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 398 |
| 3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 366 |
| 4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 362 |
| 5位 | ウイリアムズ・レーシング | 111 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 82 |
| 7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 72 |
| 8位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 70 |
| 9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 62 |
| 10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 22 |
| 第19戦 | アメリカGP | 10/19 |
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11/9 |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 |
| 第23戦 | カタールGP | 11/30 |


