F速

  • 会員登録
  • ログイン

「最大の教訓はF1を楽しむこと」ペレス、リセットを経ていよいよ復帰へ。キャデラックをプッシュするエネルギーも十分

2025年11月19日

 セルジオ・ペレスは、自身が必要だとは思わなかった啓示を得てF1に復帰する。グリッドから1年間離れたことは、ペレスにとってほぼ20年ぶりの本物の休止期間であり、彼はレース界の内部における人生についての真実に直面せざるを得なくなった。それが今や彼の復帰のすべてを形作っている。


 一番の衝撃は、シートを失ったことではなく、その後の沈黙が間違いなく明らかにしたことだったとペレスは述べている。レッドブル所属の期間が残念な形で終わり、F1から退いたペレスだが、今ではこのスポーツの絶え間のないノイズをついに克服した人物として、確信とともに語っている。そしてペレスは今、リセットによって自身が変わったことを公然と認めている。

「その時はそう感じなかった。(でも、休息が必要だった)」と、ペレスはF1の公式サイトに語った。


「このスポーツの世界にいると、常に来年のこと、次のレースのこと、次の契約のことばかり考えてしまう。まるで自動モードになっているかのようだ。でも僕のように一度そこから抜け出さざるを得なくなると、多くのことに気づき、スポーツに対する見方が変わる」

■「思った以上にレースを懐かしんでいた」

 ペレスは、2024年シーズンの終盤8戦において、わずか9ポイントしか獲得できず、ほとんど振り払うことのできないプレッシャーに苦しみながらレッドブルを去った。自信が失われ、モチベーションが下がった。2024年末には、ペレスは人生を捧げてきたスポーツにまだ居場所があるのかどうか確信を持てなくなっていた。


 しかし、その後の数カ月は彼を驚かせた。スポーツに対する情熱がよみがえったのかと問われると、ペレスは「そう、間違いない」と答えた。


「レッドブルでの最後の6カ月は、あらゆる面で僕にとってとても困難だったことを思い出さずにはいられない。このスポーツに対する意欲を少し失い始めていたが、そのままにしておくことはできない。なぜなら、このスポーツは僕にすべてを与えてくれたものだからだ」


「このスポーツを引退する日には、大きな笑顔を浮かべ、敬意を持って去りたい。なぜならこのスポーツは僕にすべてを与えてくれたからだ」

セルジオ・ペレス(レッドブル)
2024年F1メキシコシティGP セルジオ・ペレス(レッドブル)

 大いに必要とされていた息抜きとして始まったものが、すぐにより啓発的なものへと変わっていった。


「最初の2、3カ月は素晴らしかった。僕は(F1を)懐かしく思っていることに気づいた。なぜなら僕はそれを追い続けていたからだ。レースのために起き続けていた……。思った以上にレースを懐かしんでいることに気づいた」


 この目覚めによって、将来的な復活への扉がふたたび開かれたが、そのなかで特に目立ったのがひとつのチームだった。

■「キャデラックF1をプッシュするための十分なエネルギーがある」

 キャデラックのF1参戦はペレスに類稀なチャンスを与えた。それは多額の投資に支えられ、パドック全体の経験豊富な人材が構築している白紙の状態からのプロジェクトだった。意義ある最終章を求めているドライバーにとって、理想的なものだった。


「最高の気分だ」とペレスは述べている。


「今振り返ってみると、夢のような筋書きだった。1年間の休暇を取ってリフレッシュできた……。今はチームに戻って仕事をし、あらゆる面でチームをプッシュするのに十分なエネルギーがある」


 ペレスはすでにシミュレーター作業や技術的な議論に集中しており、最近では約2年ぶりにF1マシンでのテストを終えた。ペレスは、自身の影響力は歓迎されていると述べている。それはこれまでのチームでは必ずしも感じられることではなかった。

セルジオ・ペレス(キャデラックF1)
セルジオ・ペレスがキャデラックF1チーム&フェラーリのテストに参加

「チームと一緒に前や後ろへ進むのはよいことだ。僕はある特定の分野をプッシュして、いくつか方向性を示してきた。自分が影響を与えられると感じられ、特定のことを要求できるチームを持つのは素晴らしいことだ」


 キャデラックが2026年に厳しい課題に直面することをペレスは承知しているが、その道のりについては楽観的でいる。


「僕にとって、どこから始めるかというのはあまり重要ではない。より重要なのは、どれだけ早く進歩できるかということだ。初日からチームを前進させたいと思っている。たくさんの人を驚かせることができると思う」

■「楽しむことが一番大切だというのを忘れてしまう」リセットで気がついた最大の教訓

 技術的なリセットや新しいマシンなどあらゆることが待ち受けているなか、ペレスがこの1年間の離脱から得た最も重要な収穫は、非常に個人的なものだ。それは、考え方の変化だ。


「F1のバブルのなかにいると……ドライバーとしては多くの要素を心配することになる」とペレスは説明する。


「いつも満足できるわけではない。そして、楽しむことが一番大切だということを忘れてしまう。結局のところ、僕たちは好きなことをできるという特権を持っているんだ。僕にとって一番大きな教訓だったのは、このスポーツを楽しまなければいけないということだ。僕たちは競争心が強く、最大限の力を出し切ることに集中しすぎて、このスポーツを楽しむことを忘れてしまう」

セルジオ・ペレス
2026年よりキャデラックF1チームからF1に参戦するセルジオ・ペレス

 これが、ペレスがキャデラックに持ち込んでいるものだ。経験だけではなく、視点も含まれている。ペレスは、ついにトレッドミルから降りて、トラックを違った角度から見られるようになった。


 そして彼は次に何が起こるかということについても、明確に理解している。


「これは僕にとって、このスポーツにおける主要かつ大きな最後のプロジェクトだと考えている。復帰を必ず成功させたいと思っている」


 教訓はペレスを変えた。今、彼はそれをF1での最後の活動に変えようとしている。

バルテリ・ボッタス&セルジオ・ペレス
キャデラックF1チームへの加入が決まったバルテリ・ボッタス(写真左)とセルジオ・ペレス(写真右)


(Text : autosport web / Translation:AKARAG)


レース

11/7(金) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
11/8(土) スプリント 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
11/9(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※サンパウロGP終了時点
1位ランド・ノリス390
2位オスカー・ピアストリ366
3位マックス・フェルスタッペン341
4位ジョージ・ラッセル276
5位シャルル・ルクレール214
6位ルイス・ハミルトン148
7位アンドレア・キミ・アントネッリ122
8位アレクサンダー・アルボン73
9位ニコ・ヒュルケンベルグ43
10位アイザック・ハジャー43

チームランキング

※サンパウロGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム756
2位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム398
3位オラクル・レッドブル・レーシング366
4位スクーデリア・フェラーリHP362
5位ウイリアムズ・レーシング111
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム82
7位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム72
8位マネーグラム・ハースF1チーム70
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー62
10位BWTアルピーヌF1チーム22

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第19戦アメリカGP 10/19
第20戦メキシコシティGP 10/26
第21戦サンパウロGP 11/9
第22戦ラスベガスGP 11/22
第23戦カタールGP 11/30
  • 最新刊
  • F速

    F速 2025年10月号 Vol.4 後半戦展望号