フェラーリ会長の発言を、元F1王者や元代表らが批判。耐久チームを引き合いに出すも「ふたつの選手権は比較できない」と非難
2025年11月17日
元F1チャンピオンのジャック・ビルヌーブは、フェラーリの筆頭株主であるジョン・エルカーンをはっきりと批判し、シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンはしゃべりすぎだと非難したエルカーンの発言に異議を唱えた。ステランティス・グループ会長であるエルカーンの発言は、世界中でほぼ例外なく批判されたが、これはF1を熱心に追う人々が、態度を変える必要があるのはスクーデリアのドライバーではないということを理解している証拠だ。
F1第21戦サンパウロGP直後のインタビューで、歯に衣を着せない発言を行うジャック・ビルヌーブは、次のように述べた。
「(アラン・)プロスト、(ナイジェル・)マンセル、(フェルナンド・)アロンソ、(セバスチャン・)ベッテルがどうなったか思い出してほしい。驚くことではない。フェラーリではそういう傾向があるようだ。フェラーリが第一であり、フェラーリは常にフェラーリを守る」
「ドライバーたちからチームに不利益となるようなコメントは聞いたことがない。そういうことをしたのは会長だった。そしてそれは、WEC世界耐久選手権で(フェラーリが)勝利を飾った直後のことだった。彼は、F1と比べてWECのチームがいかに素晴らしい成績を残したかを指摘していたのだと思う。しかし、それはまったく別の話だ」


1997年のF1世界チャンピオンであるビルヌーブは、エルカーンの発言について「少し衝撃的だったが、過去を振り返るとそれがフェラーリのやり方のようだ。多くのドライバーはそこで困難な状況になっている。ほとんどが個性的なドライバーだ。不思議な環境だ」と語った。
「ブラジルの結果が芳しくなかったのは、ペースが足りなかったからでも、ドライバーの調子が悪かったからでもない。少々予想外の展開だったと思う」
最後にビルヌーブは、エルカーンがドライバー契約を承認する際には「性格も考慮するし、考える力を持ち、チームを前進させる力のあるドライバーを選ぶ。彼らは、所定の場所に設置して、指先を動かすだけで思い通りにできる小さなロボットではない」と主張した。

エルカーンの発言に対する最も優れたコメントは、おそらく2009年のF1世界チャンピオンであるジェンソン・バトンのものだ。バトンは自身のソーシャルメディアに、「おそらくジョンは模範を示すべきだ」と非常にシンプルだが明確なフレーズを投稿した。
元インディカードライバーで、現在はマクラーレンのディレクターを務めるトニー・カナーンは、ビルヌーブの意見に同意して次のように語った。
「フェラーリはいつもフェラーリだ。フェラーリより大きくなることは決してないだろう。アロンソ、ベッテル、そしてルーベンス(・バリチェロ)を見てほしい」
「私はルーベンスと一緒にそれを経験した。それはまさに……あそこの文化だ。あれがフェラーリなのだ。彼らはそれを守るだろうし、あなたは決して彼らより大きくなることはないだろう。そのため何があろうとも、人々は何をすべきかあなたに指示してくるだろう。フェラーリがあなたに対して敬意を払うというよりは、あなたがフェラーリに対して敬意を払う必要があるのだ。ただし、ミハエル・シューマッハーの場合は別だ。それがあそこで起こっていることだ。ドライバーたちは、この件について声を上げなければならないので、苛立っている」
「この人たちは、この件について話したがらない。それは彼らの仕事ではないからだ。すると、当然のことながらドライバーたちに負担がかかるし、突然ブラジルから『彼らはもう少し話を控えた方がいい。そうすればもっといい結果が出る』と言い出す人がいる。これは、彼が本当の問題が何なのかをほとんど認識していないことを物語っている」
また、ハースF1の元チーム代表のギュンター・シュタイナーも批判に加わり「結局のところ彼はボスなので、批判することは許されているが、公の場でそうすべきではないと思う」と、エルカーンの発言に言及した。
「ルイスもいるが、シャルルの場合、彼はすべてに心と魂を注ぎ込む男だ。シャルルにこれ以上何を望むのだろう?」
「公の場で『この人たちは正しくやっている、メカニックは優秀、エンジニアは優秀、だが君たちはだめだ』と言うことは、優れたリーダーシップを発揮していることにならない。そしてフレッド(フレデリック・バスール/フェラーリのチーム代表)についてはノーコメントだ。控えめに言っても、会社のそのレベル、つまり最高レベルの人物がこのようなコメントをするのは奇妙だと思う。彼は誰かにそれをやれとか、やらないように頼む必要はない」
「何もよいことを言えないのなら、その立場からは何も言わないことだ。確かに彼らはスポーツカー選手権でタイトルを獲得した。それはおめでたいことだ。だがふたつの選手権を比較することはできない」

(Text : GrandPrix.com / Translation:AKARAG)
関連ニュース
| 1位 | ランド・ノリス | 390 |
| 2位 | オスカー・ピアストリ | 366 |
| 3位 | マックス・フェルスタッペン | 341 |
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 276 |
| 5位 | シャルル・ルクレール | 214 |
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 148 |
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 122 |
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 |
| 9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 43 |
| 10位 | アイザック・ハジャー | 43 |
| 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 756 |
| 2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 398 |
| 3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 366 |
| 4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 362 |
| 5位 | ウイリアムズ・レーシング | 111 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 82 |
| 7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 72 |
| 8位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 70 |
| 9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 62 |
| 10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 22 |
| 第19戦 | アメリカGP | 10/19 |
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11/9 |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 |
| 第23戦 | カタールGP | 11/30 |


