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ノリス連勝。ピットスタートのフェルスタッペンが表彰台【F1サンパウロGP決勝レポート】
2025年11月10日
現地時間11月9日、2025年F1第21戦サンパウロGPの決勝レースが行われ、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインで今季7勝目/自身通算11勝目を飾った。
2位にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、3位にピットスタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続いた。角田裕毅(レッドブル)は17位となった。
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今季21戦目の舞台はブラジルのインテルラゴス・サーキット。 タイヤ選択は降雨の可能性も影響したか、ミディアムタイヤ(イエロー/C3)が8台、ソフトタイヤ(レッド/C4)が8台、ハードタイヤ(ホワイト/C2)が4台と、3種に分かれることに。
曇天のもと気温18度、路面温度31度、湿度69パーセントというコンディションで、71周のレースはスタートを迎えた。フロントロウのアントネッリはソフトタイヤの蹴り出しに勝負をかけるが、ポールシッターのノリス(ミディアム)がターン1のホールショットを守る。

ノリス以下、上位勢は2番手アントネッリ、3番手シャルル・ルクレール(フェラーリ/ミディアム)、4番手オスカー・ピアストリ(マクラーレン/ミディアム)、5番手ハジャー(ソフト)とグリッド順で続き、ひとつポジションを上げたリアム・ローソン(レーシングブルズ/ソフト)が6番手、7番手ジョージ・ラッセル(メルセデス/ミディアム)というオーダーに。

ただオープニングラップのターン10にて、ランス・ストロール(アストンマーティン/ハード)と交錯したブラジル出身ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー/ソフト)がクラッシュし、早々にセーフティカー(SC)導入となる。
このSC導入直前、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)がフランコ・コラピント(アルピーヌ)との接触でフロントウイングにダメージを負い、SC中にフロントウイング交換とソフトからハードへとタイヤ交換も実施し19番手でコースに復帰するが、その後リタイアを選択した。
また、スタートの混乱をすり抜けて17番グリッドから14番手に浮上した角田はこのSC中にハードタイヤからミディアムタイヤに履き替え、18番手で隊列に合流した。ただその後角田に対し、ストロールに追突しスピンさせたとして10秒のタイムペナルティが下る。

6周目にリスタートを迎えると、ターン1でアクシデントが発生した。2番手アントネッリ、3番手ルクレール、4番手ピアストリの3台は3ワイドでターン1に飛び込んだ。そこで、最もイン側にいたピアストリがわずかにアントネッリに接触した。
この接触で弾んだアントネッリのマシンはアウト側にいたルクレールの左フロントにぶつかり、ルクレールはこの接触で足回りにダメージを負ってレースを終えることになった。


このアクシデントでバーチャル・セーフティカー(VSC)導入に。なお、このVSC中にピットスタートから13番手までジャンプアップを果たしていたフェルスタッペンがピットインし、ハードからミディアムにタイヤを替えている。フェルスタッペン陣営は「右フロントにパンクがあった」と無線を飛ばしており、結果的にレッドブル2台はレース序盤に最初のタイヤ交換を済ませる戦略となった。
9周目にVSC解除を迎えると、首位ノリス、2番手ピアストリ、3番手アントネッリと続いた。また12周目には一時5番手に下がっていたラッセルがハジャーをかわし4番手に浮上する。
ポイント差を縮めるためにはノリスを抜くしかない2番手ピアストリだったが、レースペースはノリスの方が良く、17周目に2台のギャップは3秒まで広がる。またピアストリに対して、ルクレールがリタイアとなったSC明けのアクシデントの要因を作ったとして10秒のタイムペナルティが下った。これでピアストリの逆転優勝のチャンスは潰えた。

一方、ピットレーンスタートのフェルスタッペンは続々とライバルをコース上でオーバーテイクしポジションを上げる。ソフトスタート勢が全車ピットに入った22周目には4番手まで浮上。約8秒先を走る3番手ラッセルの背中を追う。
25周目には角田が2度目のタイヤ交換を実施し、新しいミディアムタイヤに履き替えた。ここで10秒のタイムペナルティを消化したように見えたが、審査委員会は角田が10秒ペナルティを適切に消化しなかったと判断。角田にさらに10秒のタイムペナルティが下ることになった。

ソフトスタート勢の首位アントネッリは21周目にミディアムタイヤに履き替えるとハイペースをキープし、ミディアムスタート勢を続々とかわす。30周目にはノリスから27秒後方、フェルスタッペンの7.3秒後方の5番手まで浮上する。
31周目にはノリスがソフトタイヤに履き替え、フェルスタッペンの1秒後方、アントネッリの4秒前でコースに復帰。ただ、タイヤコンディションの差もあり、33周目にノリスは易々とフェルスタッペンを攻略する。
35周目にラッセルとフェルスタッペンが、39周目にピアストリがタイヤ交換を済ませると首位ノリス(ソフト)、7.5秒遅れの2番手アントネッリ(ミディアム)、14秒遅れの3番手ラッセル(ソフト)というオーダーに。
10秒ペナルティを消化したピアストリ(ソフト)はフェルスタッペン(ミディアム)の5秒後方でコースに復帰する。ただ、ミディアムタイヤのフェルスタッペンのペースは良く、2台のギャップはなかなか縮まらない。一方、角田は48周目に3度目のピットストップを敢行。タイヤを新たなミディアムに換え、同時に10秒のタイムペナルティを消化した。
首位のノリスは51周目に2度目のピットストップでミディアムタイヤに、フェルスタッペンは55周目にソフトタイヤに履き替えた。上位勢が最後のタイヤ交換を終えた55周目時点のオーダーは首位ノリス(ミディアム)、5.4秒差の2番手アントネッリ(ミディアム)、7.7秒差の3番手ラッセル(ミディアム)、13秒差の4番手フェルスタッペン(ソフト)、16.7秒差の5番手ピアストリ(ミディアム)となる。
上位勢でただひとりソフトタイヤのフェルスタッペンは予選の不調を忘れさせるような走りをみせ、57周目にファステストラップを更新。3番手ラッセルとのギャップを毎周1秒づつ縮めにかかる。
フェルスタッペンがラッセル、そしてアントネッリを仕留められるか。それともフェルスタッペンのソフトタイヤが限界を迎えるのか。ノリスが悠々とクルージングに入るなか、サンパウロGP終盤のハイライトはフェルスタッペンVSメルセデスの構図となった。

レースも残り10周となった62周目にフェルスタッペンはラッセルのDRS圏内(1秒以内)に入り、翌63周目のターン1でラッセルをアウトからオーバーテイクし3番手に浮上。さらに2.4秒先を走るアントネッリの背中を追う。
ただ、ソフトタイヤに履き替えてから10周を過ぎるとフェルスタッペンのペースも僅かに落ち始めた。ただ、タイヤの限界が近いのはミディアムのアントネッリも同じ。
残り5周となった68周目、フェルスタッペンはアントネッリのDRS圏内に入った。ただ、フェルスタッペンのソフトタイヤも限界を迎えており、アントネッリのブロックラインを崩すことは叶わなかった。
71周目を終え、ノリスがポール・トゥ・ウインで今季7勝目/自身通算11勝目を飾った。10.388秒差の2位に自己最高位更新のアントネッリ。そして、10.750秒差の3位にピットスタートから16ポジションアップを果たしたフェルスタッペンが続いた。
以下、4位ラッセル、5位ピアストリ、6位オリバー・ベアマン(ハース)、7位ローソン、8位ハジャー、9位ニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)、10位ピエール・ガスリー(アルピーヌ)までが入賞となった。完走は17台、角田は17位となった。
次戦となる2025年F1第22戦ラスベガスGPは11月20〜22日に、アメリカ・ネバダ州のラスベガス・ストリップ・サーキットで開催される。
(Text:autosport web)
| 1位 | ランド・ノリス | 357 |
| 2位 | オスカー・ピアストリ | 356 |
| 3位 | マックス・フェルスタッペン | 321 |
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 258 |
| 5位 | シャルル・ルクレール | 210 |
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 146 |
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 97 |
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 |
| 9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 41 |
| 10位 | アイザック・ハジャー | 39 |
| 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 713 |
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 356 |
| 3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 355 |
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 346 |
| 5位 | ウイリアムズ・レーシング | 111 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 72 |
| 7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 69 |
| 8位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 62 |
| 9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 60 |
| 10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 20 |
| 第19戦 | アメリカGP | 10/19 |
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11/9 |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 |
| 第23戦 | カタールGP | 11/30 |


