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【F1アメリカGP決勝の要点】評価すべきルクレールの粘り。好不調の波が大きいフェラーリで健闘

2025年10月20日

「クリーンエアで走れたら、行けると思う」


 前日の予選で3番グリッドを獲得したシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、そう語っていた。1年前のアメリカGPで4番手スタートだったルクレールは、1周目に一気に首位に立ち、そのまま逃げ切った。その再現を狙う気十分だったことは、このコメントからも明らかだった。


 とはいえ上位勢のなかで唯一ソフトをスタートタイヤに選択したのは、かなりリスクの高い賭けといえた。前日より若干涼しくなったとはいえ、路面温度は45度。ほぼ同じコンディションだった去年は(例外的に終盤4周だけ使用したエステバン・オコンを除けば)レースでは誰もソフトを履かなかった。

 このコンディションで車重が最も重いスタートからソフトを履けば、1回ストップで走り切れる可能性は低い。少なくともピレリは「ソフトスタートでは2回ストップ」を推奨していた。それでもルクレールはソフトを履いた。ひとつでも前に出たいという強い意志の表れだった。


 そしてルクレールはスタート直後のターン1で、首位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)こそ抜けなかったものの、ランド・ノリス(マクラーレン)をパスして2番手に上がることに成功した。しかし2回ストップすれば、表彰台は間違いなく失ってしまう。そこからのルクレールはタイヤをできるだけ持たせつつ、ノリスの猛攻を防ぐという難易度の高いミッションを、ほとんど成功させていた。

2025年F1第19戦アメリカGP ランド・ノリス(マクラーレン)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)

 13周目以降は、ノリスはずっとDRS圏内に迫っていた。それでもルクレールはノーミスの走りで隙を与えず、22周目までソフトを引っ張ることに成功した。レース終盤はソフトに履き替えたノリスが明らかにペースで勝り、51周目に2位の座を明け渡した。


 しかし今季のフェラーリが、相対的な戦闘力を大幅に落としているのは明らかだ。去年はルクレールとカルロス・サインツ合わせて5勝したのに対し、今季はここまで0勝(スプリントではルイス・ハミルトンが1勝)。ルクレール自身、6位に終わった前戦シンガポールで「今年はもう勝てそうにない」と白旗を上げていた。なので最後に抜かれこそしたが、踏ん張って3位表彰台に上がったルクレールの粘りと勇気こそを、大いに評価すべきだろう。


 それにしてもフェラーリは、レースごと、サーキットごとに好不調の波が大きすぎる。そしてそれがなぜなのか、根本的な原因究明が進んでいないように見えるのも大いに問題だ。フェラーリで7シーズンを戦い、ティフォシたちからも愛されているルクレール。しかし今のフェラーリは、はたして彼の才能に見合ったチームと言えるだろうか。

2025年F1第19戦アメリカGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2025年F1第19戦アメリカGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)


(Text:Kunio Shibata)


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10位ニコ・ヒュルケンベルグ37

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※シンガポールGP終了時点
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2位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム325
3位スクーデリア・フェラーリHP298
4位オラクル・レッドブル・レーシング290
5位ウイリアムズ・レーシング102
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム72
7位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム68
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