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「正しい方向に進み続けたい」と臨んだ予選は移籍後最高位。好調のロングランペースを活かせるか【角田裕毅F1第17戦展望】

2025年9月21日

 角田裕毅(レッドブル)が2025年F1第17戦アゼルバイジャンGPの予選で6番手を獲得した。これは、レッドブルに移籍後の予選では第13戦ベルギーGPの7番手を上回る最高位となった。また、角田自身にとっても、2024年の第21戦サンパウロGPの3番手、今年の開幕戦オーストラリアGPの5番手に次ぎ、2023年の最終戦アブダビGPの6番手と並んで3番目の好成績となった。


 アゼルバイジャンGPの予選で好調だった理由のひとつに、週末の戦い方を変えたことが考えられる。

 前戦イタリアGP後、角田はこう語っていた。


「イタリアではショートランは悪くなかったのに対して、ロングランに課題が残りました。もちろん、その理由はレース中に接触事故に巻き込まれてクルマの本当のポテンシャルを示すことができなかったからですが、ロングランではまだやるべきことがあることは間違いない。クルマを正しいウインドウに入れるためにしっかり分析を続けています」


 そこで、角田はアゼルバイジャンGPの初日のフリー走行では、予選でQ3を目指すことよりも、レースで安定した走りをできるようプログラムを変更した。


「FP2(フリー走行2回目)では主にロングランに焦点を当てました。その結果はクルマから非常にいい感触を得られました。今年はあまり経験していないほどの手応えを感じました。データにもそれはしっかりと現れていて、本当にポジティブです。この調子で2日目以降も、正しい方向へ進み続けて、土曜日以降の可能性を探っていきたい」

角田裕毅(レッドブル)
2025年F1第17戦アゼルバイジャンGP金曜日 角田裕毅(レッドブル)

 現在のF1は、土曜日の予選で最初にコースインした瞬間からセットアップを変更することは原則できない。つまり、予選とレースは同じセットアップで走ることになる。そのセットアップについて、これまでの角田はやや予選を考慮していたと考えられる。


 アゼルバイジャンGPの舞台であるバクー市街地サーキットは3つのセクターがそれぞれ異なるキャラクターとなっており、予選だけを考えれば、低速コーナーが多いセクター2を速く走るためにダウンフォースをつけたほうがいい。


 しかし、ターン19からターン1まで約2.19kmもの超ロングストレートがあるため、ダウンフォースをつけすぎるとレースではストレートでオーバーテイクされ、勝負にならない。レースを見据えたセットアップで、いかに予選でタイムを出すのかがバクーでは重要となる。


 ロングラン重視のセットアップで臨んでいた角田に、土曜日のコースコンディションが味方する。バクーは市街地コースゆえ、路面が滑りやすく、わずかなミスでもガードレールの餌食となる。加えて、土曜日のバクーは風が強く、その向きも急変し、時折雨粒が落ちてくる難しいコンディションだった。予選で6回もの赤旗が出たのも、それが大きく影響していた。


 しかし、『予選に向けた速さ』より『レースに向けた安定』を目指してセットアップを煮詰め、ドライビングをアジャストしていた角田には、それが幸いしたものと考えられる。

角田裕毅(レッドブル)
2025年F1第17戦アゼルバイジャンGP 角田裕毅(レッドブル)

「クリーンに走り切れたことを喜んでいます」


 角田が予選でリスクを冒さなかったのは、勝負は土曜日ではなく、日曜日だということを肝に銘じていたからだろう。


「フリー走行でのロングランはとてもよかったです。今週末これまで積み重ねてきた素晴らしい成果を最大限に活かしたい」


 角田のレースでの最高位は2021年のアブダビGPの4位。それを上回る走りを期待したい。

角田裕毅(レッドブル)
2025年F1第17戦アゼルバイジャンGP 角田裕毅(レッドブル)


(Text : Masahiro Owari)


レース

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フリー走行2回目 結果 / レポート
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予選 結果 / レポート
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ドライバーズランキング

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