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勝者と敗者の扱いを熟考するマクラーレンのブラウン。感情面に配慮し、タイトル獲得の祝福方法は両ドライバーの意向を確認へ
2025年8月20日
ランド・ノリスとオスカー・ピアストリが支配する2025年シーズンのF1において、ウォーキングを拠点とするマクラーレンF1は、F1ドライバーズ選手権が最高潮に近づくにつれて、微妙なバランスを取る行動に備えている。
シーズン前半戦の最後のレースである第14戦ハンガリーGPが終了した時点で、ドライバーズ選手権において首位に立つピアストリは、2位のノリスを9ポイント差でリードしており、ノリスに次ぐ3番手につけているマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とは97ポイント差だ。マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザク・ブラウンは、2位のドライバーに対して配慮を保ちつつ、最終的なチャンピオンを祝うという、思慮深いアプローチを明らかにした。チームは、タイトル争いの感情的な重みを認識し、祝賀行事を彼らの希望を反映したものにすべく、両ドライバーに直接相談する予定だという。
2025年のマクラーレンの優位性は否定できないもので、ノリスとピアストリは前半戦の14回のグランプリで合わせて11回の優勝を果たした。サマーブレイクに入るまでに、チームは4戦連続でワン・ツーフィニッシュを飾っており、初の世界選手権タイトルをかけて直接対決を繰り広げているふたりのドライバー間の激しい競争が浮き彫りになっている。

「結局は運営にかかっている」と、ブラウンが第13戦ハンガリーGPの際に述べたと『The Race』は報じている。
「ペースの観点から言えば、何も問題がないのは明らかだ。だから、運営の一貫性にかかってくるだろう。あるいは運次第かもしれない。天候、セーフティカー、あるいはコース上で誰かに押し出される可能性もある」
他のドライバーが競争に残る可能性もあり、ブラウンは「まだ他のドライバーもタイトル争いに残っていると考えている」と認め、「我々は甘い考えは持っていない」と主張した。だがマクラーレンは、ますますタイトル争いが自チームのドライバーによる一騎打ちになっていくなか、チームの力学を管理する上で独特の課題が生じていることを認識している。
■祝福の仕方を考えることが「みんなのことを考える」に繋がる
ブラウンは、一方のドライバーがタイトルを獲得し、もう一方のドライバーがタイトルを逃した場合の感情的な影響にマクラーレンがどう対処するのかまだ決めていないと語ったが、勝利後の祝賀にノリスとピアストリを関わらせるというチームの意向を明かした。
「我々はただ座って実際に会話をするだろう。『そうだ、君たちのうちのひとりが勝つ。人生で最高の1日になるだろうが、君たちのうちのひとりは負ける。我々はどう対処したらいいだろうか? 我々に飛び上がって、勝ったドライバーを祝福してほしいだろうか?』といったことをだ」とブラウンは語った。
「その状況をどのように祝うかについて、我々は十分に理解し、配慮している。そして、ドライバーたちと『君たちのうちひとりはチャンピオンにならない。我々にどう行動してほしいだろうか?』と話し合って合意に達すると思う」
「それが我々の考え方だ。結局はみんなのことを考えることに帰結する」

このアプローチは、両ドライバーを平等に扱い、従来のナンバー1とナンバー2ドライバーの階層構造を避けてきたマクラーレンの姿勢を反映している。
これまでのところチームは、ハンガリーGPでのノリスの1ストップ戦略による勝利や、シルバーストンで物議を醸したペナルティに対するピアストリのフラストレーションなど、複雑な事態を招いた場合でも、ノリスとピアストリがホイール・トゥ・ホイールでレースをし、異なる戦略を追求することを許可してきた。
■勝者と敗者の扱い
ブラウンは、マクラーレンが歩まなければならない感情的な綱渡りの痛ましい例として、第12戦イギリスGPを挙げた。ピアストリは、自身とチームに科せられたペナルティのせいで勝利の可能性を失ったため、彼からははっきりと落胆が感じられた。
「明らかに彼は動揺していた。無理もないことだ」とブラウンは述べ、ピアストリファンからの攻撃的なコメントに言及しながら、ユーモアを使って緊張を和らげた愉快な瞬間を振り返った。
「私はあるとてつもない内容のメモをひとつ受け取った。私はオスカーと一緒にファンゾーンまで歩いていたが、『こんなメモを送らなくてもいいじゃないか!』という感じだった。オスカーのファンからのかなり攻撃的なメモだったからだ。そこで私は彼をくすくす笑わせた。私は思った。『よし、これでいい。我々はまだ打ち解け始めたばかりだ』とね」
ブラウンの理念は、問題に速やかに対処するか、感情が静まるまで時間を置くというものだ。
「私は、その場で解決できる問題であれば、その場で対処すべきだと信じている。あるいは、その場で解決できない問題であれば、月曜日に全員が冷静になってから、対処する時間を取った方がいいかもしれない」
「私はいつも打ち解けるように務めている。ドライバーたちとちょっとふざけたりする。だからオスカーがくすくす笑った時、私は『よし、よかった、落ち着く段階に入った』という感じだったが、わかるだろうか? それがここにいる人たちを理解するということだ」
「我々はそのことについて考えてきた。そうしたい場合、勝者と敗者をどう扱うかについて私は考えた。そして、我々はドライバーと話をし、『我々にどのような行動をとってほしいだろうか?』と尋ねるだろう。なぜなら、我々はそのアプローチについて大いに配慮するからだ」
マクラーレンがこの前例のないチーム内争いを乗り越えるなか、オープンな対話を約束する姿勢のブラウンは、チームが2008年以来となるドライバーズタイトルを祝う方法について、ノリスとピアストリ両名の意見が確実に取り入れられるようにするだろう。マクラーレンは、ドライバーたちの視点を優先することで、歴史的な勝利を祝いながら調和を保つことを目指している。

(Text : autosport web / Translation:AKARAG)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 284 |
2位 | ランド・ノリス | 275 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 187 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 172 |
5位 | シャルル・ルクレール | 151 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 109 |
7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 64 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 54 |
9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 37 |
10位 | エステバン・オコン | 27 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 559 |
2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 260 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 236 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 194 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 70 |
6位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 52 |
7位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 51 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 45 |
9位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 35 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 20 |

