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「これ以上の結果は望めない」最終戦前にFIA F3王者に輝いたカマラをフェラーリが称賛。コース外での成長も一助に

2025年8月14日

 フェラーリは、稀有な才能の持ち主を擁しているようだ。それは、フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)のメンバーであり、FIA F3第9戦ブダペストで圧倒的な形でタイトルを獲得した、ラファエル・カマラ(トライデント)のことだ。


 20歳のブラジル人のカマラは、スピード、落ち着き、そして安定性が特徴的なルーキーシーズンにおいてポールポジションを5回獲得し、フィーチャーレースでの4勝を記録。最終戦を待たずにチャンピオンシップを制覇して、フェラーリが2022年から彼を支援してきた理由を明確に示した。

 ブダペストでは、難しいウエットコンディションにもかかわらず、カマラのパフォーマンスはスピードとコントロールのバランスを取る彼の能力を証明した。フェラーリF1のチーム副代表で、FDA責任者も務めるジェローム・ダンブロジオは、カマラの功績を称賛し、彼の成熟度、才能、そしてF1での将来の可能性についてF1公式サイトに次のように語った。

ラファエル・カマラ(トライデント)
2025年FIA F3第9戦ブダペスト フィーチャーレース ラファエル・カマラ(トライデント)

「正直、これ以上の結果は望めなかったと思う」


「今シーズンは強力なスタートを切った。彼は緊迫した場面でも本当にうまく対応した。今日見たレースがそれを物語っていると思う。雨のなか、非常に滑りやすい路面でタイトルを争うレースだった」


「ミスをするのは簡単だったかもしれない。彼が限界でドライビングしていたことがわかった。彼は速かったが、コントロールできていた。彼はいつプッシュするか、いつギャップを開くかを選択した。それは彼がコントロールできていたことを示している」

■コース外での成長も見えたシーズン

 カマラは2022年にFDAに加入したが、シングルシーターのシーズンをトップ5圏外で終えたことは一度もない。カマラがチャンピオンシップのトップ3の結果を逃したのは一度だけで、彼のF3でのタイトル獲得は、2024年のフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ(FRECA)のタイトル獲得に続くものだ。


 ダンブロジオは、F3の王座はコース内外での一貫した成長の成果だと語った。


「ラファ(ラファエルの相性)のような才能を持っている場合、厳しいように聞こえるかもしれないが、これが期待されていることであり、目にしたいと思うことだ」


「我々の仕事は、彼が結果を出し、その才能を最大限に発揮できるように、可能な限り最善の方法でサポートすることだ」


「彼は数年間我々と一緒にいて、本当に大きな一歩を踏み出したと思う。実は、私がラファと初めて知り合ったのは、私が別のアカデミーに所属していて、彼が我々と対戦していたときのことだった。彼は常に勝利を目指して戦っていたので、我々が警戒していたドライバーのひとりだった。彼は2024年にFRECAで勝利を飾り、そして今年はF3のルーキーシーズンにタイトルを獲得して、明確な一歩を踏み出したと思う」


「私が彼を知るようになったこの期間で印象的だったのは、彼がドライバーとしてだけでなく、コースの外でも成長してきたことだ。彼は驚くほど成熟している。彼にとってこの12カ月は、信じられないほど素晴らしいものだったと思う。彼は素晴らしいパフォーマンスを見せた」

ラファエル・カマラ(トライデント)
2025年FIA F3第9戦ブダペスト ラファエル・カマラ(トライデント)

■パフォーマンス発揮のために必要なものを理解

 ダンブロジオは、カマラの潜在能力の表れとして、際立ったひとつの特徴を強調した。それは、最高のパフォーマンスを発揮するために何が必要か、明確に理解している点だ。


「彼はパフォーマンスを発揮するために自分が何を望み、何を実行する必要があるかを知る独特の方法を持っている。それはドライバーにとって非常に重要なことだと思う」とダンブロジオは語った。


「それは素晴らしいものだ。我々が若い才能に投資し、可能な限り最善の方法で彼らをサポートしようとしているときなのだからね」


「冬の間、我々は何度か話し合いをした。それはとても興味深いものだった。アカデミーとして我々がいくつかのことを提案したところ、彼は『いや、ジェローム、僕が必要としているのはこれだ。これが僕が望んでいることだ』と言った。そして私は、『わかった、それでは君がそうなるようにしよう。我々はそのように君をサポートしよう』と言ったのを覚えている。彼はパフォーマンスを発揮するために自分が何を望んでいるのか、何をすべきなのかを理解している。それは成熟の兆し、強さの証だ」

ラファエル・カマラ(トライデント)
2025年FIA F3第4戦モンテカルロ ラファエル・カマラ(トライデント)

 その自信は、トップレベルに向けて才能ある選手を育成するというフェラーリのより広範な使命と合致するものだ。


「彼らがフェラーリのF1マシンをドライブするのに必要な資質を持っているかどうかを我々が見極めようとしているなか、自分の選択に積極的で、自分に何が必要かをわかっている人材がいるということは、励みになるし、安心感を感じると思う。このスポーツで自分が何をしたいのかをわかっているドライバーがいるということだ」


「どんな分野でも、自分が何を望んでいるのかを知り、それを追求する必要があると思う。自分を信じなければならないし、自分自身を客観的に見る必要もある。ラファはそうした資質を備えているが、それでも道のりはまだ長い」

■2026年はFIA F2へ

 カマラのF3シーズンはまだ1ラウンド残っているが、次のステップが2026年のFIA F2であることはすでに明らかだとダンブロジオは語った。


「モンツァの前に、彼は間違いなく休暇を取る価値がある。ブラジルに戻り、家族と楽しい時間を過ごし、それから来シーズンに向けた挑戦と仕事が始まる」と元F1ドライバーのダンブロジオは説明した。


「まず、彼は今シーズンを終えて、その後は将来に向けて準備を進めなければならない。彼にとって、F2は次のステップとなるだろう。難しいカテゴリーなので、できる限りの準備をしなければならない」


 カマラの旅はまだ始まったばかりだが、F3でのルーキーシーズンが何らかの指標となるならば、フェラーリの最新のチャンピオンはより大きなステージに向けて順調に進んでいることになるだろう。そしておそらくいつの日か、スクーデリアのF1のコクピットに座る日が来るかもしれない。

ラファエル・カマラ(トライデント)
2025年FIA F3第5戦バルセロナ フィーチャーレース表彰式 ラファエル・カマラ(トライデント)


(Text : autosport web / Translation:AKARAG)


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