最新記事
- ルノー新CEO「F1はアルピーヌにとって中核戦...
- 【F1第14戦ベスト5ドライバー】受け入れがた...
- 【モリゾウ談話】「目の色が変わりますよね」...
- 2026年のスプリントイベント開催は6カ所か。...
- ハースF1の国内初のTPC旧車テスト、富士スピ...
- 驚きと充実の初F1ドライブ。坪井翔「F1で走れ...
- ハンガリーGPのパフォーマンスは「悪い意味で...
- 坪井翔がF1初ドライブ。ハースF1富士TPCテス...
- ルクレールを勝利から遠ざけた原因不明のトラ...
- 2026年用F1タイヤテストでコラピントが大クラ...
- 「タイムは意識していませんでした」黙々と役...
- 『育成と文化の創造』ハースF1とトヨタGRの提...
【F1第14戦ベスト5ドライバー】受け入れがたい敗北を喫したピアストリ/アロンソだけが持つ稀有な能力
2025年8月8日
長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、各グランプリウイークエンドのドライバーたちの戦いを詳細にチェックし、独自の評価によりベスト5のドライバーを選出する。今回は第14戦ハンガリーGPの戦いを振り返った。
───────────────────────────
■チームメイトの戦略に敗れたピアストリ
オスカー・ピアストリ(マクラーレン):予選2番手/決勝2位

オスカー・ピアストリはハンガリーGPで勝利を収めていたはずだった。彼は、予選と決勝ファーストラップという重要な場面で、チームメイトよりも速く、完璧な走りをした。必死の思いで戦略に賭けたガレージの反対側の動きに敗れるというのは、彼にとってふさわしい結末とはいえない。
レースの非常に早い段階で鍵となる出来事が起きた。ピアストリとマクラーレンの焦点は、前を行くシャルル・ルクレールに勝つことに置かれており、ルクレールをアンダーカットするために、ピアストリの最初のピットストップは早いタイミングで行われた。
それによって、ピアストリは2ストップで走り切るしかなくなり、セカンドスティントは最適な長さよりも少し延長された。ランド・ノリスの戦略的賭けによって、チャンスが少なくなってしまったことに気づいた時、ピアストリは目を見張るようなペースで追い上げた。しかし終盤にチームメイトに追いついた時には、タイヤにオーバーテイクを決めるためのグリップが残っていなかった。
ピアストリにとってこの敗北を受け入れるのは簡単ではなかっただろう。彼に残されたのは、この日、最速だったドライバーは自分であるという慰めだ。
■旧型パーツに戻すという決断が奏功し、表彰台を獲得したラッセル
ジョージ・ラッセル(メルセデス):予選4番手/決勝3位

ハンガリーに向けて、メルセデスは最新のサスペンション・アップグレードを旧型に戻すという、勇気ある決断を下した。それによってジョージ・ラッセルは、表彰台を獲得できる速さを持ったマシンを手に入れたといえる。
もちろん、最後の30周でルクレールに説明のつかないシャシーの問題がなければ、ラッセルは4位で終わっていただろう。しかし、メルセデスが再びレースの主役のひとつになったことは確かだ。
そしてメルセデスのふたりのドライバーのうち、リードしたのはラッセルの方だった。予選で素晴らしい戦いをし、決勝の1周目でノリスの前に出た。しかしメルセデスにマクラーレンを抑え切ることは不可能であり、ラッセルにとって可能な最良の結果は3位だった。彼の表彰台により、メルセデスは正しい軌道を取り戻した形で夏休みに突入することができた。
■衝撃的なポール争いを実現も、報われなかったルクレール
シャルル・ルクレール(フェラーリ):予選1番手/決勝4位

シャルル・ルクレールは、ポールポジションを獲得しながら、またもやそれが勝利には結びつかず、フラストレーションを感じながら週末を終えることとなった。彼自身は、週末を通して強さを発揮し、チームメイトのルイス・ハミルトンがつまずく一方で、予選Q3に進出し、今年最も衝撃的といっていいだろうポールポジションを獲得した。
レースの最初の40周において、ルクレールは、ピアストリ、レースペース、そしてタイヤのデグラデーションを完璧にコントロールしていた。しかし突如として発生した原因不明な技術的問題によって、SF-25は操縦不可能な状態になり、勝利に届かなかった。ルクレールは気迫ある走りを見せ続けたが、フラストレーションが勝り、ラッセルに対する防御の中で限界を超えてしまった。
それでも、ルクレールは、彼がフェラーリを偉大な成果へと導ける存在であることを再び示した。ただしそれは、諸問題が解消され、彼がトラブルのない週末を過ごすことができなければ、実現しないだろう。
■ずば抜けた賢さで5位を手に入れたアロンソ
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)予選5番手/決勝5位

フェルナンド・アロンソは、良い結果をつかむチャンスがほんのわずかでもあると分かった瞬間に、とてつもない能力を発揮する。そんなとき、誰もが彼がF1タイトルを2度獲得することができた理由を思い知ることになる。今のアロンソは、ミッドフィールドで戦うチームのなかで最も効率的なドライバーだ。
誰もアロンソのように、戦うべき相手を正しく見極めて選択することはできないし、彼ほど迅速かつ賢明にレースを読み解く力を持った者はいない。通常、アロンソ自身がレース中に下す戦略の判断の方が、事前にエンジニアたちが用意してきたものよりもうまく機能する。
序盤にノリスに対してディフェンスをすればタイムもタイヤの寿命も失うと理解していたアロンソは、ノリスとはあえて戦わず、戦略が異なるラッセルが後ろから来た時も、抵抗せずに追い抜きを許した。なぜなら、自分にとって現実的な目標は、ミッドフィールドの集団を最後まで抑え切ることだと分かっていたからだ。
アロンソは見事にその目標を達成した。まずはDRSトレインを背後に従えながら、一切ミスを犯すことなく走り続け、唯一のピットストップの前にペースを上げた。そして、5位を確実に手に入れるため、最後のタイヤセットを序盤はしばらく温存してから、プッシュし始めた。これこそが効率というものだ。
■自己最高位を達成したボルトレート
ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー):予選7番手/決勝6位

ガブリエル・ボルトレートは、決勝の最初から最後まで、ライバルでありマネージャーであり師匠でもあるアロンソの後ろを走り続け、彼から多くのことを学んだ。
予選で素晴らしい走りをし、ベテランのチームメイト、ニコ・ヒュルケンベルグがQ1で敗退したのに対し、ボルトレートはQ3進出を果たした。
日曜日には、ボルトレートはすぐに、自分にはアロンソを追い抜くだけのトップスピードがないことを理解した。しかしアストンマーティンのもうひとり、ランス・ストロールとの戦いでは、比較的容易に勝利を収めた。
そうしてボルトレートは、F1でのベストリザルトを記録し、ザウバーのコンストラクターズ選手権6位争いにとって貴重な8点を獲得した。
(Text : Luis Vasconcelos)
関連ニュース
8/1(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
8/2(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
8/3(日) | 決勝 | 結果 / レポート |


1位 | オスカー・ピアストリ | 284 |
2位 | ランド・ノリス | 275 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 187 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 172 |
5位 | シャルル・ルクレール | 151 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 109 |
7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 64 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 54 |
9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 37 |
10位 | エステバン・オコン | 27 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 559 |
2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 260 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 236 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 194 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 70 |
6位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 52 |
7位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 51 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 45 |
9位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 35 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 20 |

