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F1 Topic:“コクピット周辺の空力”を重視か。テストを経て、角田自身の意思でヘルメットをシューベルトに変更

2025年6月29日

 マシンにはアップデートはなかったものの、このF1第11戦オーストリアGPに角田裕毅(レッドブル)は新しいレーシングエキップメントを持ち込んでいた。それはヘルメットだ。


 角田はモータースポーツを始めたころから、日本のアライ製のヘルメットを愛用してきた。しかし、オーストリアGPでは金曜日からドイツのシューベルト製のヘルメットを使用していた。 1922年にドイツで設立されたシューベルトがF1でその名を知られるようになったのは、ミハエル・シューマッハーがチャンピオンだったフェラーリ時代に多額の違約金を払ってシューベルト製のヘルメットに変更したときだった。その後、2016年に王者になったニコ・ロズベルグも愛用。2019年からはマックス・フェルスタッペンもシューベルトのヘルメットを使い始めている。

 今回、シューベルト製のヘルメットに変更した理由を角田のマネージャーであるディエゴ・メンチャカに尋ねると、次のように回答した。


「長年、ユウキに素晴らしいヘルメットを支給してくれたアライへ感謝の言葉を贈りたい。シューベルトはレッドブルととても良好な関係を築いている。私が言えることは、それだけだ」


 そこでシューベルトのサービスマンとしてサーキットで仕事しているスベン・クリッターに話を聞くことにした。


「ヘルメットの交換はチームとドライバーの双方からの要求だった。というのも、アライとシューベルトはヘルメットの基本的なシェイプが異なるだけでなく、我々のものには後頭部にスポイラーがついている」

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2025年F1第11戦オーストリアGP シューベルト製のヘルメットを着用する角田裕毅(レッドブル)
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アライ製ヘルメットを着用する角田裕毅(2024年F1アブダビテスト)

 じつは昨年までアライ製を使用していた角田のヘルメットにも、後頭部にスポイラーがついていた。ところが、昨年のアブダビGP後に行われた合同テストでレッドブルを走らせた際、ヘルメット後頭部のリヤ・スポイラーは取り外されていた。その理由をアライヘルメットのサービスマンを務めるピーター・バーガーは「コクピット周辺の空力のためだ」と答えていた。つまり、アライとシューベルトは基本的なシェイプが異なるため、アライではスポイラーが装着できず、シューベルトだと装着でき、スポイラーがあったほうがマシンの空力にはよりよいというのが、ヘルメット変更の理由だと思われる。

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角田のアライ製ヘルメットから、後頭部のリヤ・スポイラーは取り外されていた(2024年F1アブダビテスト)
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スポイラーのついたシューベルト製ヘルメット(2025年F1第11戦オーストリアGP)

 そこで、スペインGP後のタイヤテストで、角田はシューベルトのヘルメットを試用。その結果をチームとともに分析し、今回から正式にシューベルト製を使用することにした。


 クリッターによれば、「内装はドライバーごとにカスタムしているが、シェイプもサイズもユウキのヘルメットはマックスとまったく同じものだよ」と言う。


 予選後、角田にシューベルトのヘルメットに変更した理由を尋ねると、こう答えた。


「テストしてみて、よかったので変えました。シューベルトに変えることでチームにとってもよかったのかもしれませんが、別にチームから強制されたわけじゃなくて、自分の意思です」


 オーストリアGPでのフィーリングはどうだったのか?


「フィット感がよくなりました」


 角田がシューベルトに変えたことで、シューベルト・ユーザーはフェルスタッペン、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)、ニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)、そして角田の4人となった。


 逆にF1ドライバーで唯一アライのヘルメットを使用していた角田がシューベルトに変えたことで、現時点でアライ・ユーザーはF1にいなくなった。



(Text : Masahiro Owari)


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