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ルノー・グループCEOのルカ・デメオが辞任へ。リブランドを主導したアルピーヌF1の活動にも影響か

2025年6月17日

 6月15日(日)の夜、ルノーは、グループCEOのルカ・デメオが辞任することを発表した。これにより、フランスの大手自動車企業の舵取りにおいて変革をもたらしたデメオの在任期間の終わりが告げられたことになる。


 2020年7月からルノーを率いてきた58歳のデメオは、退任の理由として「新たな挑戦に臨む」という野望を挙げた。ルノーが発表した声明によると、デメオの辞任は30日間の予告期間を経て7月15日に有効となる。その間に取締役会が後任を探すなかで、同氏は引き続きCEOとしての職務を続ける。

ルカ・デメオ(ルノー・グループ CEO)
2025年MotoGP第6戦フランスGPを訪れたルカ・デメオ(ルノー・グループ CEO/写真左)

 デメオの退任は、ルノーにとって極めて重要な時期に起きており、彼はルノーを「将来に向けて準備が整った、生まれ変わった企業」と表現した。


「今日、我々の歴史のなかで最高の状態であることは、結果が物語っている。我々は強力なチームと機敏な組織を擁しており、次世代の製品に向けた戦略計画も準備している」


「人生には、仕事が終わったとわかる時が来るものだ」


 デメオはルノーの将来に自信を示し、他の分野で新たな事業を模索する準備を進めるなかで、同社の強固な戦略的基盤を強調した。

■ルノーからアルピーヌへのリブランド、F1エンジンプログラムの終了などを決断

 デメオは5年間の在任期間中に、モータースポーツ部門の大胆な再編など、ルノーにおける大規模な改革を主導した。彼の最も注目すべき決断のひとつは、2021年にルノーF1チームをアルピーヌとしてリブランドし、同社のスポーツカーブランドと連携させて市場での存在感を高めたことだ。


 しかしアルピーヌのF1でのパフォーマンスは不安定であり、チームは2022年のコンストラクターズ選手権で4位を獲得したものの、その後のシーズンでは6位に後退した。彼のリーダーシップのもと、アルピーヌではチーム代表やCEOが入れ替わり立ち替わり交代しており、チームの競争力を安定させる難しさがうかがえる。


 また、2025年をもってビリー-シャティヨンでのルノーのF1エンジンプログラムを終了し、メルセデスのパワーユニットを使用することをデメオは選択した。この変化は、ルノーが長年続けてきた自社エンジン開発の伝統からの大きな逸脱を示すものだったため、モータースポーツ界では議論が巻き起こった。


 さらにデメオは、F1で評価が分かれる人物であるフラビオ・ブリアトーレを、2024年にアルピーヌのエグゼクティブアドバイザーとして迎え入れ、ブリアトーレの経験を活かしてチームの戦略を導いた。チーム代表のオリバー・オークスが最近チームを去ったことで、アルピーヌの方向性についての憶測がさらに強まっており、ベネトンでブリアトーレの下で働いていた元F1およびFIAオフィシャルのスティーブ・ニールセンが、チームに復帰する予定だとの報道もある。

フラビオ・ブリアトーレ&ルカ・デメオ
2025年F1第9戦スペインGP フラビオ・ブリアトーレ(アルピーヌ エグゼクティブアドバイザー)&ルカ・デメオ(ルノー・グループCEO)

■アルピーヌF1への影響

 デメオの離脱は、アルピーヌのF1プログラムに広範囲にわたって影響を及ぼす可能性がある。チームのブランド再構築と戦略の見直しを立案したデメオのビジョンは、アルピーヌのアイデンティティと野心の中心となってきた。


 彼の退団は、特にチームが新しいリーダーシップとメルセデスエンジンへの移行期間を乗り越えようとしているなか、これらの取り組みの継続性について疑問を投げかけている。特にチームが最近、競争力の維持に苦戦していることを考えると、次のCEOのモータースポーツへの投資とアルピーヌF1の大志に対する取り組みは、極めて重要となるだろう。


 ブリアトーレの影響力とニールセンの復帰の可能性により、アルピーヌは現在の戦略をさらに強化するかもしれないが、デメオの統一的なリーダーシップが不在となることで不確実性が生まれ、2026年のレギュレーション変更が迫るなかでチームの士気、スポンサーの信頼、長期計画に影響が出る可能性がある。最終的に、多くの専門家が過去2年間にわたって予想していたように、エンストンのチームの完全売却につながることもあり得るだろう。

ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
2025年F1第10戦カナダGP ピエール・ガスリー(アルピーヌ)


(Text : autosport web / Translation:AKARAG)


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