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18歳の新星アントネッリが打ち立てた記録と、F1史のなかの立ち位置/F1コラム
2025年6月13日
ベテランモータースポーツジャーナリスト、ピーター・ナイガード氏が、F1で起こるさまざまな出来事、サーキットで目にしたエピソード等について、幅広い知見を反映させて記す連載コラム。今回は、18歳の若さでF1にデビューしたアンドレア・キミ・アントネッリが打ち立てたいくつかの記録に注目し、F1史上に残る偉大なるドライバーたちの偉業についても振り返る。
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アンドレア・キミ・アントネッリが並外れた才能を持つドライバーであることは疑いようがない。わずか4年前まで彼はまだカートでレースをしており、FIA F3をスキップし、FIA F2では1シーズンのみの参戦で、早々にF1に昇格した。
アントネッリは18歳にして、今年F1デビューを果たし、すでに初のポールポジション(スプリント)を獲得し、レースをリードした。彼のここまでのキャリアは、F1の歴史上、最も著名なドライバーたちと比較しても遜色のないものだ。
ここでは、アントネッリと関連づけて、F1におけるさまざまな記録をまとめていく。

■F1デビューの最年少記録
マックス・フェルスタッペンがF1デビューを果たしたのは2015年のオーストラリアGPで、当時彼は17歳であった。FIAはこれがあまりにも若すぎると判断し、その直後にF1ドライバーは最低18歳でなければならないという規定を導入した。このいわゆる“レックス・フェルスタッペン”ルールが導入されて以降、アントネッリよりも若い年齢でF1デビューを果たしたのはランス・ストロールただひとりである。
■最年少F1ドライバーとデビュー時の年齢
●マックス・フェルスタッペン:17歳5カ月15日(2015年オーストラリア)
●ランス・ストロール:18歳4カ月25日(2017年オーストラリア)
●キミ・アントネッリ:18歳6カ月19日(2025年オーストラリア)
●オリバー・ベアマン:18歳10カ月1日(2024年サウジアラビア)
●ハイメ・アルグエルスアリ:19歳4カ月3日(2009年ハンガリー)
※最年長:アーサー・レガート:53歳7カ月21日(1952年ベルギー)

■リードラップの最年少記録
アントネッリが日本GPの22周目にレースの先頭に立った時、彼はF1世界選手権のレースをリードした史上最年少ドライバーとなった。マックス・フェルスタッペンがレースをリードしたのは2016年スペインGPで、その時、彼はアントネッリより数日年上で、そのレースで勝利を収めた。
■グランプリをリードした最年少F1ドライバー
●キミ・アントネッリ:18歳7カ月12日(2025年日本)
●マックス・フェルスタッペン:18歳7カ月15日(2016年スペイン)
●セバスチャン・ベッテル:20歳2カ月27日(2007年日本)
●シャルル・ルクレール:21歳5カ月15日(2019年バーレーン)
●セバスチャン・ブエミ:21歳7カ月13日(2010年カナダ)
※最年長:ルイジ・ファジオーリ:52歳9日(1950年ベルギー)
■最速ラップの最年少記録
アントネッリは、日本GPにおいてレース中の最速ラップを記録した史上最年少のドライバーとなった。彼はこれをF1での3戦目に達成した。
■最速ラップを記録した最年少F1ドライバー
●キミ・アントネッリ:18歳7カ月12日(2025年日本)
●マックス・フェルスタッペン:19歳1カ月14日(2016年ブラジル)
●ランド・ノリス:20歳7カ月22日(2020年オーストリア)
●ニコ・ロズベルグ:20歳8カ月13日(2006年バーレーン)
●シャルル・ルクレール:21歳5カ月15日(2019年バーレーン)
※最年長:ファン・マヌエル・ファンジオ:46歳6カ月26日(1958年アルゼンチン)
■ポールポジションの最年少記録
アントネッリは、グランプリの予選においてまだ最速タイムを記録してはいないが、マイアミのスプリントレースにおいてポールポジションを獲得した。
■ポールポジションを獲得した最年少ドライバー
●キミ・アントネッリ:18歳8カ月7日(2025年マイアミ)※スプリント
●セバスチャン・ベッテル:21歳2カ月11日(2008年イタリア)
●シャルル・ルクレール:21歳5カ月15日(2019年バーレーン)
●フェルナンド・アロンソ:21歳7カ月23日(2003年マレーシア)
●マックス・フェルスタッペン:21歳10カ月5日(2019年ハンガリー)
※最年長:ジュゼッペ・ファリーナ:47歳2カ月18日(1954年アルゼンチン)

■初ポールポジションまでのレース数
アントネッリがマイアミでスプリントのポールポジションを獲得したのは、彼の6回目のグランプリ・ウイークエンドだった。過去には、4人のドライバーが初参戦となるグランプリでいきなりポールポジションを獲得している。一番最近の例は1996年で、ジャック・ビルヌーブがオーストラリアGPでのデビュー戦でそれを成し遂げた。
■初ポールポジション獲得までのレース数
●0戦:ジュゼッペ・ファリーナ(1950年)、マリオ・アンドレッティ(1968年)、カルロス・ロイテマン(1972年)、ジャック・ビルヌーブ(1996年)
●1戦:ファン・マヌエル・ファンジオ(1950年)
●2戦:エウジェニオ・カステロッティ(1955年)、ジョン・サーティース(1960年)
●3戦:マイク・パークス(1966年)
●4戦:ホセ・フロイラン・ゴンザレス(1951年)
●5戦:スチュアート・ルイス=エヴァンス(1957年)、ルイス・ハミルトン(2007年)
●6戦:トニー・ブルックス(1958年)、アンドレア・キミ・アントネッリ(2025年/スプリント)
■デビュー戦初ポイントからの連続記録
アントネッリは、F1での最初の3レースにおいて(中国でのスプリントを含む)すべてポイントを獲得した。2007年には、ルイス・ハミルトンが最初の9戦すべてでポイントを獲得しており、ジャッキー・スチュワートもまた、F1キャリアの最初の6戦でポイントを記録した。なお、1960年代においては、ポイントは6位以内のフィニッシャーにしか与えられていなかったことに注意すべきである。
■デビュー戦からの連続入賞数
●9戦:ルイス・ハミルトン(2007年)
●6戦:ジャッキー・スチュワート(1965年)
●3戦:アンドレア・キミ・アントネッリ(2025年)

■デビューシーズンでのグランプリ優勝
入賞し、マイアミでポールポジション(スプリント)を獲得し、日本でレースをリードした今、アントネッリの今季中の初優勝について語ることは非現実的ではない。F1世界選手権の75年の歴史において、デビューシーズンにレースで優勝したドライバーはほんのわずかだ。
■デビューシーズンで優勝したF1ドライバー
●ジュゼッペ・ファリーナ(1950年)
●ファン・マヌエル・ファンジオ(1950年)
●ジャンカルロ・バゲッティ(1961年)
●ジャッキー・スチュワート(1965年)
●エマーソン・フィッティパルディ(1970年)
●クレイ・レガツォーニ(1970年)
●ジャック・ビルヌーブ(1996年)
●ルイス・ハミルトン(2007年)
アントネッリの初勝利は今年訪れるだろうか? ティーンエイジャーの彼は、地に足をつけたアプローチを心掛けている。
「自分がそういう立場にあるとは感じていない――まだ自分の側には学ぶべきことがとても多い」とアントネッリは言う。
「僕はとても迷信深い家族の出身で、一歩ずつ進むのが基本なんだ。もちろん、時々、『表彰台に立てたら素晴らしいだろうな』と思うことはあるし、それが目標であるのは確かだ。当然のことながら、優勝したいとは思っている。でも、もっと現実的な見方をすれば、夢は表彰台に上がることであり、まずはそこに向けて全力で取り組んでいくつもりだ」

※データ集計:Peter Nygaard
(Text : Peter Nygaard)
関連ニュース

1位 | オスカー・ピアストリ | 186 |
2位 | ランド・ノリス | 176 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 137 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
5位 | シャルル・ルクレール | 94 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 71 |
7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 48 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 42 |
9位 | アイザック・ハジャー | 21 |
10位 | エステバン・オコン | 20 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 362 |
2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 165 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 159 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 144 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 54 |
6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 28 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 26 |
8位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 16 |
9位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 16 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 11 |

