フランスGP決勝でブリヂストンを装着するミハエル･シューマッハとルーベンス・バリチェロ（いずれもフェラーリ）がそれぞれ1位と3位でゴールし、今季最もスリリングな勝利を挙げた。グリッド2番手と10番手からスタートした2人はそれぞれのポジションで戦ったが、シューマッハの今季10戦中9勝目とバリチェロの今季8回目の表彰台をもたらしたのは、フェラーリの戦略とブリヂストンタイヤのペース、安定性、そして見事なドライビングがそろったからだ。ゴール目前の第15ターンでヤルノ･トゥルーリ（ルノー）をオーバーテイクして3位に上がったバリチェロは、今日の結果をとても喜んでいるだろう。フェラーリは合計158ポイントを獲得し、2番手に付けているルノーの79ポイントに対し、引き続きコンストラクターズ・ランキングの首位を守った。またシューマッハとバリチェロも合計90ポイントと68ポイントで、それぞれドライバーズ・ランキングの首位と2位を守った。ザウバー、ジョーダン、ミナルディ各チームは残念ながらポイントを追加することができなかったが、いずれのチームも次週のイギリスGPで挽回を図ることだろう。
　
菅沼寿夫／ブリヂストン･モータスポーツ・テクニカル･マネージャー：
「マニクールは厳しいレースになると予想していたが、この状況の中でブリヂストンタイヤが見せたパフォーマンスに満足している。1スティントを通じた安定性と、トップエンド・パフォーマンスを発揮できたことが、ライバルたちを抑えられた理由だ。リアタイヤに少しブリスターが発生していたが、スティント全般を通じて安定していたので、フェラーリの両ドライバーは必要なときまでピットストップを引き延ばすことができた。ミハエルは今日何度か最速ラップタイムを更新し、ルーベンスは彼の速さと安定性を生かして10位から3位まで順位を上げた。2人とも今日は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。フェラーリのフォーストップ作戦には正直なところかなり驚いたが、とてもうまくいった。ブリヂストンタイヤが彼らの戦略を支援できたことをうれしく思う。ザウバー、ジョーダン、ミナルディ各チームは最善を尽くしたが、残念ながらポイント獲得には至らなかった。しかし我々の開発方法は、今後のレースで彼らを支援できるものになると予想している。」

ロス・ブラウン／スクーデリア･フェラーリ･マールボロ　テクニカル・ディレクター：
「フォーストップは私のアイデアではなく、ルカ・バルディセッリの考えだ。ピットウォールからそれを実行し、すべてがうまくいった。失うものは何もなかった。我々は2位に付けていたし、オーバーテイクがかなり難しいので、リスクを冒す必要はなかった。我々には、自由に走り、マシンの能力を活用できる必要があった。ミハエルは素晴らしいレース運びをしてくれた。速さが必要な場面で速かった。そして先ほど言ったとおり、ルカ・バルディセッリがフォーストップを思いついた。賭けだったが、その価値はあった。ルーベンスは、10番手からスタートしたことを考えると、本当に素晴らしいレースをしてくれた。最後のオーバーテイクはまさにルーベンスらしく、見事だった！」

ルーベンス・バリチェロ／スクーデリア･フェラーリ･マールボロ：
「昨日の予備予選で油圧系のトラブルが起きたことは残念だった。なぜなら（最終）予選で出走順位が1番になることはかなり不利になるからだ。しかし僕は自分の持てるすべてを出した。ヤルノ（トゥルーリ）にとっては残念だったが、彼はターン13出口でスピードを落としすぎるというミスを犯し、そのおかげで僕は（ターン）15で彼に並ぶことができた。リスクはあったが、それを取る価値はあると考え、実行した。10位から3位に順位を上げられたことを自分自身とチームのためにとてもうれしく思う。ミハエルが言ったとおり、ブリヂストンタイヤは、特にスティント終盤に向けて素晴らしい機能を発揮してくれた。」

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