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【F1第9戦予選の要点】最大の好敵手ノリスに0.2秒の大差。予選の名手に成長したピアストリ
2025年6月1日
2025年シーズン9戦目を迎えたF1スペインGPでも依然としてマクラーレンの優位は明らかで、ポールポジション争いはランド・ノリスとオスカー・ピアストリのふたりに絞られた。予選Q1、Q2とピアストリがトップタイムをマーク。しかし、ノリスはQ2で0.058秒差の2番手で食い下がった。
そんな状況で迎えた最終Q3、最初のアタックで1分11秒836の暫定トップタイムを叩き出したピアストリに、担当エンジニアのトム・スタラードから無線が入った。
トム・スタラード「ランドがすぐ後ろからアタックラップに入るぞ」
ピアストリ「cheeky」
ピアストリが実際に発したcheekyという単語は、あつかましいとか図々しい、生意気なといった意味だ。日本人的には、先輩に対して使うには少し躊躇する単語だ。しかしピアストリにしてみれば、『自分に黙ってトウ(スリップストリーム)を使うなんて許さない』とでも考えたのだろうか。
するとピアストリはフィニッシュラインを越えるや、極端に減速した。それでもノリスは0.017秒差で、ピアストリを暫定ポールの座から引きずり下ろした。ただ、セッション終盤の最後のアタックで、ピアストリは自己ベストを約0.3秒縮める1分11秒546を記録。その直前に最後のアタックを終えていたノリスは、セクター2、3で自己ベストを更新できず。ピアストリが今季4度目のポールポジションを獲得した。
現在、ドライバーズランキング首位を走るピアストリ。もともとレースでは抜群の安定性を誇り、2024年の第4戦エミリアロマーニャGP以来、26戦連続入賞(うち6勝を含む15回の表彰台)の記録を続けている。
それに加えて今年のピアストリは、本人も課題だと言っていた予選の速さが大きく改善された。去年は20勝4敗でノリスが圧倒していたのが、今季は前戦モナコGPまでで4勝4敗。そして今回、ついにノリスを上回った。ちなみに今季のポール獲得数も、ノリスの2回に対してピアストリはすでに4回だ。
予選後のインタビューでピアストリは、「12カ月前に比べたら、大きく逆転できた」と、喜びを語っていた。確かに去年のスペインGP予選は、ポールポジションを獲得したノリスに対し、ピアストリはタイム抹消やコースオフで10番手に終わっていた。
そして今回の0.209秒というふたりの差は、今季これまでで最も大きい差だ。予選でもレースでも進化が止まらないピアストリに、ノリスが心中穏やかでないのは確かだろう。





(Text:Kunio Shibata)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 186 |
2位 | ランド・ノリス | 176 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 137 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
5位 | シャルル・ルクレール | 94 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 71 |
7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 48 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 42 |
9位 | アイザック・ハジャー | 21 |
10位 | エステバン・オコン | 20 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 362 |
2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 165 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 159 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 144 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 54 |
6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 28 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 26 |
8位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 16 |
9位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 16 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 11 |

