Ｆ１フランスＧＰは７０周の決勝レースが行われ、予選２番手からスタートしたミハエル・シューマッハーが４回ピットストップを行う“奇策”で今季９勝目を達成。ＢＡＲホンダの佐藤琢磨はリタイアした。
　フランスＧＰが開催されるマニ−クール・サーキットの決勝のコンディションは、気温２７度、路面温度４３度、湿度３０％。スタートはポールスタートのフェルナンド・アロンソがよく、ミハエル・シューマッハーが続く。５番手スタートのヤルノ・トゥルーリがデイビッド・クルサードをパス。地元ＧＰのトヨタのオリビエ・パニスがスロースタートとなってしまう。
　オープニングラップは、アロンソ、ミハエル・シューマッハー、トゥルーリ、ジェンソン・バトン、クルサードの順位で通過。７番手スタートの佐藤琢磨は８位に後退している。さらに琢磨は４周目、ルーベンス・バリチェロに抜かれ９位に交代。ラップタイムが１分１８秒台で、バリチェロより１．５秒も遅い。
　序盤戦は、アロンソとミハエル・シューマッハーによる最速ラップの応酬。３番手トゥルーリはジリジリと遅れをとる。どちらが先に１回目のピットストップするかがキーだろう。
　１１周目、ミハエル・シューマッハーがまずはピットイン。キミ・ライコネン、マルク・ジェネ、クリスチアーノ・ダ・マッタ、ゾイト・バウムガルトナーもピットイン。ミハエル・シューマッハーは佐藤琢磨の後ろにつく。アロンソ、バトンらは１４周目にピットイン。アロンソは佐藤琢磨の前でコースに復帰し、琢磨を挟んでミハエル・シューマッハーが続く。続く１５周目、佐藤琢磨がピットイン。しかしピットアウトした翌周、佐藤琢磨の右バンクから白煙が上がり、ターン９でストップ。リタイア第一号となってしまった。琢磨のエンジン・トラブルは今季６回目だ。
　金曜日からトラブルが多いファン−パブロ・モントーヤは、１６周のシケイン通過後スピン！　９位に後退してしまう。モントーヤはその後もコースオフを喫している。

　ピットアウトしたアロンソに対して、ミハエル・シューマッハーはジリジリと差を詰め始め、３０周目に２回目のピットイン。今度もシューマッハーの方が先に動いた格好だ。ミハエル・シューマッハーはピットアウト後、その翌周もさらにタイムを切り取り始める。
　３２周目、トップを走っていたアロンソがピットイン。しかしミハエル・シューマッハーがその周も１分１５秒３７７の最速ラップをたたき出し、アロンソを逆転。３３周目にはミハエル・シューマッハーが首位。２位アロンソとは３秒差となった。
　４０周目、ミハエル・シューマッハーとアロンソの差は４．９秒まで拡大。ラップタイムは０．８秒違う。３位トゥルーリ、４位バトン、５位バリチェロの３人が接近戦を展開し始める。
　４２周目には、首位ミハエル・シューマッハーが３回目のピットインを行うが、６．５秒と短い。このままではゴールまでは燃料が持たない計算だ。４６周目には２番手アロンソがピットインするも、シューマッハーが余裕を持って首位を守っている。
　トゥルーリ、バトン、バリチェロの３番手争いは依然膠着。４９周目にまずはトゥルーリがピットイン。５１周目にバリチェロがピットイン。その間、飛ばしに飛ばしたバトンは５２周目にピットイン。ピットロード出口でトゥルーリに、ヘアピン進入でバリチェロに抜かれ、作戦失敗。５位にダウンしてしまった。しかしその後もこの３台は１秒間隔で争い続けることになる。
　首位を独走するミハエル・シューマッハーは、アロンソに対して１周１秒以上のラップで周回を重ね、５８周目に２０秒以上のギャップをつけて４回目のピットイン。５．３秒。アロンソに充分なギャップをつけてコースに復帰し、ほかのマシンが３回ストップを行うなか、４回ストップで首位を守ってみせた。
　その後もミハエル・シューマッハーはプッシュを続け、アロンソに対して充分な差をつけチェッカー！　今季９勝目、通算７９勝目を達成した。フランスＧＰ通算７勝は、カナダに次いで同一サーキット最多勝記録だ。
　トゥルーリ、バリチェロ、バトンの順位だった３位争いは、ファイナルラップのターン１５でバリチェロがトゥルーリのインを奪い、バリチェロが３位を獲得！　トゥルーリ４位、バトン５位となった。マクラーレンは３戦連続２台入賞。リタイアは２台のみ。チェッカー時の気温は３０度、路面温度は４４度だった。

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