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シーズン中のドライバー交代を繰り返してきたレッドブル。若手育成が機能せず、将来のラインアップに懸念

2025年3月31日

 2025年F1シーズンが開幕してわずか2戦でレッドブルは、同社にとってこれまでで最も過酷な決断を下し、ドライバー交代を行った。レッドブルはこれまでも頻繁にドライバーを容赦なく切り捨ててきたが、この20年のなかで、リアム・ローソンほど厳しい扱いを受けたドライバーはいない。

 クリスチャン・クリエンとビタントニオ・リウッツィが2005年にシート共有を強いられたことはあるが、それを除いて、シーズン中にレッドブルがドライバーを降ろすのはこれが4回目だ。


 2006年にはシーズン終盤にクリエンが外されて、最後の3戦でロバート・ドーンボスがシートを引き継いだ。2016年にはダニール・クビアトがシーズン5戦目からマックス・フェルスタッペンと交代させられる形でトロロッソに送り返された。


 そして2019年にはサマーブレイクを区切りに、ピエール・ガスリーが12戦のみでジュニアチームに戻り、アレクサンダー・アルボンがレッドブルに移った。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ダニール・クビアト(トロロッソ)、ピエール・ガスリー(レッドブル)、アレクサンダー・アルボン(トロロッソ)
2019年F1スペインGP (左から)マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ダニール・クビアト(トロロッソ)、ピエール・ガスリー(レッドブル)、アレクサンダー・アルボン(トロロッソ)

 ローソンは、ガスリーと同じ道をたどることになった。クリスチャン・ホーナー代表は、セルジオ・ペレスの後任として角田裕毅ではなくローソンを選んだが、それからわずか4カ月後に、ローソンと角田のシートを交換させることを決めた。

リアム・ローソン(レッドブル)
2025年F1第2戦中国GP リアム・ローソン(レッドブル)

 レッドブルのジュニアチームの方もまた、多くのドライバー交代を経験してきた。上述のケースは、すべてメインチームの都合によるものだったが、それ以外にも何度もドライバー変更が実施されている。


 2007年にはスコット・スピードがドイツGP後に解雇され、セバスチャン・ベッテルと交代した。2008年には9戦を終えた時点でセバスチャン・ブルデーがシートをハイメ・アルグエルスアリに譲らなければならなかった。2017年終盤には、カルロス・サインツが自らレッドブルを離れ、そのシートにはブレンドン・ハートレーが就いた。


 2023年にはニック・デ・フリースが10戦を終えた時点で解雇され、ダニエル・リカルドがF1に復帰した。しかしその翌年のシンガポールGP後に、リカルドはシートを失い、彼が怪我で欠場していた際に代役を務めたローソンが起用された。そのローソンが、F1フルシーズン参戦をスタートしてわずか2戦目で、ジュニアチームに戻されることが、今回決まった。


 現在レッドブルは、4人のレギュラードライバーのうち誰かがグランプリに出場できなくなった場合にすぐに代役を任せることができるドライバーがいないという状況に置かれている。昨年末で放出したベテランのペレスとリカルドを呼ぶのは難しく、そうなると、当面は岩佐歩夢が頼みの綱ということになる。


 岩佐はFIA F2やスーパーフォーミュラで経験を積んできているが、グランプリで急きょ代役を務めるような状況が訪れた場合、非常に苦労することになるだろう。

岩佐歩夢(RB)
2024年F1アブダビテスト 岩佐歩夢(RB)

 そして、2026年にはレッドブルのラインアップはどうなるだろうか。うわさが現実となり、マックス・フェルスタッペンが来年アストンマーティンに移籍することを決めたなら、レッドブルは後任選びに悩むことになる。


 角田が来年残留するには、今シーズン、好成績を収める必要がある。さらにフェルスタッペンが抜ける可能性も考えなければならない。レッドブルは、2026年のドライバーとして、最悪の場合は、ふたりを新たに選ぶ必要に迫られるかもしれない。しかし、その場合の明らかな候補者がいない。今回降ろされたローソンに二度目のチャンスを与えられる見込みは低い。そして、アイザック・ハジャーをレッドブルで走らせるのはまだ早すぎる。ハジャーを選んだなら、ガスリー、アルボン、ローソンで犯したのと同じミスを繰り返すことになるだろう。


 つまり、レッドブルは、ジュニアドライバーのラインアップ以外に目を向けるほかなくなる。彼らは若いドライバーたちの育成に取り組んではいるが、若手が育つスピードよりも速く、人材を消費しつくしているようだ。



(Text : GrandPrix.com)


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