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2022年イギリスGPで発生した事故を受けて、FIAは新たな設備を承認。観客の安全性向上を目指す

2025年3月4日

 2022年F1第10戦イギリスGPのスタート直後に発生した、複数台のマシンが絡んだ事故を受けて、FIAは観客の安全性を高めるために新たな設備を承認したという。

 イギリスGPのスタート時に発生したクラッシュを覚えているだろうか? 周のアルファロメオのマシンは、ジョージ・ラッセル(メルセデス)のマシンと車輪が接触してひっくり返り、ロールバー構造が壊れたままターン1までターマックを滑り、グラベルで横転した。その後マシンはテックプロバリアを飛び越え、観客を守るためのキャッチフェンスに衝突し、そのフェンスとタイヤウォールの後ろ側に横向きに突っ込んだため、周は助けなしではコクピットから出られなくなった。

 この時はキャッチフェンスが役割を果たしたので、観客エリアには破片が数個入っただけでけが人は出なかったが、FIAはすぐにファンの安全のために改善に取り組み始めた。スイスの情報筋によると、観客の安全性を高める目的で、世界中のサーキットに提供される新しい設備を承認したばかりだという。

 スイス企業のジェオブルッグ社による、高さ6mの新しいキャッチフェンスがFIAにより承認され、すでに24のグランプリトラックのうち18カ所の安全機能に関与しており、顧客に提供されるという。新しいフェンスは義務化されている衝突テストをクリアしており、設置されると、グランプリトラックの大半で使用されている観客保護フェンスの2倍の高さになるという。

 新しい巨大フェンスは、追加の保護が必要な危険度の高いエリアで主に使用される予定だ。これは、高速コーナーだけでなく、時速300kmを超えるロングストレートの端にあるコーナーや、サーキットの勾配により、現在グランドスタンドが少し露出しているコーナーも当てはまる。

 同じ情報筋によると、新しいキャッチフェンスは安全性を高めるだけでなく、観客の体験も向上させるはずだという。高強度鋼のケーブルでフェンスが補強されると、通常は視覚的に邪魔になるが、新しいフェンスは、高さ3mのところからわずかに長い距離にわたって水平方向の補強が行われている。

 シルバーストンは、ターン1の後ろのエリアだけでなく、ターン5や、ストウコーナーにつながる最長ストレートの終わりにも、この新しい技術を採用する最初のサーキットのひとつになるかもしれない。また、他のサーキットもこの新技術の費用対効果の評価を行っており、今年ではなくとも、2026年シーズンの開始前には確実に追随する可能性がある。

(GrandPrix.com/Translation: AKARAG)


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