バーレーンでのF1プレシーズンテストが終わり、2025年シーズンが3月14〜16日のオーストラリアGPで幕を開ける。10チーム、そして20人のドライバーたちは、今シーズンどのような活躍が期待され、どのような課題に直面するのか。長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏の見解を、チーム別にお届けする。今回は2024年コンストラクターズ選手権8位だったレーシングブルズに焦点を当てる。
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■レーシングブルズ:レッドブルとの協力関係を強化、最大限のメリットを追求
レッドブル傘下のこのイタリアのチームは、再び、規則が許す範囲内で最大限のインスピレーションと技術を姉妹チームから取り入れるというスタンスを採るようになった。その利点は、空力およびメカニカルな面で堅実な基盤を得て作業に取り組めること、そして、ミルトン・キーンズからもたらされるすべてのデータにアクセスできることだ。
一方、何かが正常に機能しない場合、自主的にマシンに基本的な変更を加えるのが難しいことがデメリットといえるだろう。
CEOピーター・バイエルとチーム代表ローレン・メキースによる新たな二重リーダーシップ体制は、2024年にはうまく機能したが、今年はさらに進展を遂げる必要がある。さもなければ、ライバルチームに遅れを取る可能性があるだろう。
■角田裕毅:より成熟度を増して、チャンスに備えるべきシーズン
経験豊富なドライバーとしてレーシングブルズで走る角田は、いつまでもレッドブルのジュニアチームのドライバーにしておくのはもったいない存在であることを証明するための時間として、この1年を与えられた。
昨年角田は、自分こそレッドブルに昇格されるべきドライバーだと感じながら、結局選ばれることなく、落胆することになった。今年彼がしなければならないのは、レーシングブルズのリーダー役にふさわしい成熟したドライバーであると証明することだ。そして、2026年に向けてレッドブルやアストンマーティンが明確なナンバー1ドライバーと組む新しいドライバーが必要になった場合に、彼らの関心を引く必要がある。
新チームメイトは非常に速いため、彼に勝ち続けるのは簡単ではないだろう。今年は角田にとって重要な年であり、シーズン初めから良い結果を出さなければならない。
■アイザック・ハジャル:速さは文句なし。成長を遂げて角田に勝てるか
リアム・ローソンがセルジオ・ペレスの後任に選ばれたことで、ハジャルはF1に昇格するチャンスを手に入れた。彼はこれからの1年でそのチャンスに値するドライバーであることを証明しなければならない。
極めて速く、バトルでは積極的に相手に挑むハジャルは、感情的になることでミスを犯しやすいドライバーであるという見方もなされているが、レーシングブルズは若手がデビューし、学習するのにうってつけのチームだ。彼は今年、メキース代表の指導のもと、すばやく成熟することを目指す。
ハジャルはなんとしても角田を打ち負かさなければならない。レッドブルは、今年FIA F2で走るルーキー、アービッド・リンドブラッドに大きな期待を寄せているため、ハジャルが2026年もF1に残るためには、今年十分な成果を上げる必要がある。
(autosport web / Luis Vasconcelos)